その6 睡魔

スパルタスロン

身体の内側、外側の痛みとともに長時間におよぶ、ウルトラマラソンやウルトラトレイルでは睡魔がランナーを苦しめます。

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現象

アテネ

100kmマラソンは10時間程度のレースなので、よほど睡眠不足でなければレース中に睡魔が襲ってくることはほとんどありません。スパルタスロンは制限時間36時間で、今回私が完走するにはこの制限時間を目一杯使うと考えていました。したがって朝7時にスタートした翌日深夜に最初の睡魔が襲ってくると想定して、チェックポイントに眠気覚ましのアイテムを置いておきました。

しかし、そこに至る前の通常では睡魔に襲われることがない時間帯から睡魔に襲われました。正確には覚えていませんが、暗くなり始めた20時くらいからです。

胃腸の不調に続いて、体幹の痛み、そして足底の肉刺の痛みに襲われた私は、まだ戦意喪失はしてませんでしたが、胃薬を飲んでも回復しないどころか、だんだん悪化するにつれてネガティブ感情が大きくなってきました。ネガティブ感情は大きくならないうちに切り替えないと、手に負えなくなることは分かっていましたが、キッカケが掴めないまま大きくなっていき、ゴール出来ないイメージや、これからの過酷さだけが浮かんできました。そんな時に襲ってきたのが睡魔でした。24時間走でも、UTMFでも数分の仮眠で多少眠気はなくなったので試そうと思いましたが、関門時間に余裕がなくなってきたのと、エイドで睡眠をとっているうちに関門アウトになってしまうのが怖いので、睡魔に負けないように走りましたが、次第に真っ直ぐ走れなくなり、前に進む気力がだんだんと削ぎ落とされてきました。

原因(仮説)

スパルタスロン

タイムは関係なく完走狙いで走った第1回UTMFは、42時間30分かけてゴールしました。山の中で、二晩越したのです。その時の睡眠時間は合計1時間程度です。もちろん眠かったけど大丈夫でした。

今回も睡魔との戦いになるとは思っていましたが、その時間帯があまりに早過ぎました。

なぜ、こんなにも早く睡魔との戦いになったのかを考えると、前夜の睡眠が浅かったわけではありません。おそらく、あらゆる痛みから解放されたい、体を守りたいと、脳が走ることを止めさせようと眠くさせたのでしょう。また単純に激しい疲労から眠くなったのかもしれません。

ただ、激しい疲労に襲われていたとしても集中しているときは眠くはなりません。今回は様々な攻撃を受けたことで、ネガティブ感情になったから睡魔に襲われたのでしょう。

またもう一つ心当たりがあります。それはハンドライトを持っていましたが、月明かりで走れると、ライトをつけるのが遅くなったのです。やはり暗闇にいると眠くなってきます。

胃腸や脚の痛みがあっても前には進めますが、睡魔に襲われると気力を根こそぎ奪われるので、早めに短時間眠るべきだったかもしれません。

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対策

アテネ

まず調子が良い時は集中しているので眠くなりませんから、良い調子で走ることが有効な対策です。しかし長時間のレースでは必ず睡魔に襲われますから、その時には眠気覚ましのアイテムを使うのが手っ取り早いです。今回はチェックポイントに預けていましたが、もっと先に預けてしまったのが失敗でした。

またチェックポイントでホットコーヒーも飲めたのですが、さずがに胃腸が受け付けそうもなかったので飲みませんでしたが、関門アウトになる前に最後の手段で飲んだら良かったと今は思います。

スパルタスロンに限らず、眠くなり眠気覚ましアイテムも効果がなければ、フラフラしながら先に進むより短時間でも寝てしまうのが、有効な対策です。

アテネ

私は神宮外苑24時間チャレンジの時は、1時間ごとに3分だけ目を瞑って眠りました。これだけでも違います。仮に制限時間に余裕はあってもぐっすり眠ってはいけません。あくまでも仮眠が良いと思います。ただし、起きたら制限時間になっていたということがないように、起こしてもらう準備をしてから眠らないと危ないです。スマホのアラームでは起きれないかもしれません。

今回、眠らなかったのは、エイドスタッフに起こしてくれと頼むにしても、コミュニケーション能力が乏しいのと、伝わったとしてもチャンと起こしてくれるか心配だったからです。

ただ、その点で良いことをレース終盤に見つけました。それは大エイドにはマッサージサービスがあるのですがこれを利用します。簡易ベッドに寝せられ身体のマッサージをしてくれるのですが、その時間に目を瞑って眠ってしまえば良いのです。10分ほどでマッサージは終了し、次のランナーが待っているから必ず起こされます。

アテネ

ちなみにマッサージは専門家がするわけではないので、効果はほとんどないと思います。私は何も言わなかったら脚をやってくれましたが、脚を変に弄られるより肩甲骨周りや、腰をやってもらえばよかったと今は思います。

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