靴ひもの結び方で走りは変わる その2
靴ひもの結び方で走りは変わる その1 に続いて、その2を書きます。
その後、自分のシューズで試してみて、実際靴ひもが相当余った方もいるでしょう。
必要以上にきつく締めましょうということではありません。必要以上にきつく締めると鬱血して足の甲などが痛くなります。
大事なことは自分にとって適正なテンションを把握することです。
スポンサーリンク
実際に試してもらった。
神宮外苑@友人のサポート で紹介しましたが、土曜日に以前サブ4目指して一緒に練習していた友人と久々に走りました。
練習前のフォームはこんな感じでした。脚を前に出そうという意識が強すぎていたようです。また肩にすごく力が入っていました。
そして90分ほどの練習でこのように自然でスムーズな走りに変わりました。
この変化は靴ひもの締め方で生じたものではありません。多少は影響しているかもしれませんがほぼ影響ありません。なぜなら一緒に練習していた頃に履き方を教えていたからです。
なぜここで紹介したかというと、練習中盤になりフォームをだいぶ意識できるようになった時に、靴ひものチェックをしました。
問題ない範囲ですが、多少緩い締め方になっていました。
そこで、彼女に靴ひもの締め方でどのくらい走りが変わってしまうのかを体感してもらうために、一旦私が締め直してから走ってもらいました。
噴水一周ですから50mもない距離ですが、彼女は脚がすごく軽くなり走りが変わったと話しました。
次に、私が締める前の状態よりさらに緩めてみました。緩めるといっても脱げてしまうほどではなく多少です。
その状態で同じように走ってもらったところ、足がすごく重たく感じたと話しました。当たり前ですけどね。
踵がないサンダルや、ぶかぶかのシューズで走れば走りにくいのは当たり前ですが、靴ひもの締め方が多少変わっただけでも、走りが大きく変わることを体感してもらったのです。体感をすることでこれから意識することができるのです。
スポンサーリンク
靴ひもの締め方が緩い問題点 その1 推進力を低下させる
問題点は多々ありますが、直接の現象としては、足にフィットしていないから、接地時に、シューズの中で足が動いたり、その後足を引き上げるときに重く感じることでしょう。
多くのランナーは速く走りたいと、履きこなせる範囲で軽いシューズを求めます。なぜなら軽い方が速く走れることを経験則的に理解しているからです。
ただ、手に持てば軽いシューズも履いてみると重く感じたり、逆に手に持つと重いけど履いてみると軽く感じるシューズはあります。
これはシューズの重量バランスや、足へのフィット感で変わってくるのだと思います。
重量バランスが良く、足と一体化するようなフィット感の良いシューズは実際のシューズより軽く感じます。
と言うことは、せっかく軽いシューズを購入したのに、良いフィット感が得られないような靴ひもの結び方をしたのでは、そのシューズの性能を引き出せないということです。
また、速く走るため、あるいは楽に効率良く走るために大事なことは落下エネルギーを、前方に進むエネルギーに変換することです。
私自身速いランナーではありませんが、接地時に地面を押すイメージを持つことでフォームは変わり、そしてそれまでより楽に走れるようになりました。
参考までに私の昔のフォームはこのように、後傾したフォームでした。
これでは前に進むのに大きなエネルギーを必要とします。画像を見るだけで前に進まなそうなフォームですよね。また当時は上り坂がすごく苦手でしたが、このフォームが原因です。
最近はロードの上りは比較的得意になってきました。上りになると、自分はペースアップしていないのに、周りのランナーがペースダウンするから結構抜かします。また上りでリズムが良くなることもあります。
理由は上りになると、地面を押すイメージを持ちやすくなるためです。
下の画像は上り坂をある程度スピードを出して走っていますが、上り斜面では地面が平地より近くになるので、体幹部の真下に接地し、地面をしっかり押すだけでグイッと前に進むます。
平地だと、上り坂ほどは地面を押すイメージを持ちにくいのですが、以前の後傾してしまうフォームは改善されてきました。
今後の課題は、平地でも上り坂を走る時のように、地面を押すイメージを感じるようにすることです。
数年前の画像と、最近のフォームの変化は、靴ひもの締め方を変えたからではありません。
なぜこれらの画像を掲載したかというと、このように地面をしっかり押すことで体は前へ前へと、少ない力で効率よく進むことをお伝えしたかったのです。
もし接地時に靴ひもの締め方が緩くてブレたらどうなるか想像してください。
私の接地時間はガーミン920XTJで計測したところ、スピードを上げて走る時は0.18秒前後で、ウルトラマラソンなどキロ5程度で走る時は0.2秒くらいになります。
どちらにしても、凄く短い時間です。その短時間に接地して、地面を押して、そして足は地を離れるのです。
その0.2秒の動作で推進力は大きく変わるのです。
その時、シューズの中で足が動いたらどうなるでしょう?
地面を押して得られる推進力は確実にどこかに逃げてしまいます。
そして力が逃げる方向がまた問題なのです。
靴ひもの締め方が緩い問題点 その2 故障につながる
膝やアキレス腱などが痛いというランナーは結構います。
原因は様々だと思いますが、その多くはフォームが悪く特定箇所に負担がかかっているために発生していると私は思います。
綺麗で無駄のないフォームで走っている人は故障も少ないと思います。もちろん練習量や日頃のケアや体の強さも影響します。
そして靴ひもの締め方が緩いと、痛みの原因にも繋がります。
理由は簡単です。接地時には体重の数倍の力がかかると言われています。それをランニングシューズが受け止めて、推進力に変換するのです。
その接地の瞬間にシューズ内で足が動いたら、足首や膝などに大きな負担がかかるのは容易に想像できると思います。
それも1回、2回ではなく繰り返されるのですから大変です。
速くなるために大事なことは、故障をしないで良い練習を続けることです。どんなに練習しても故障したら、回復するまでに元に戻ってしまう。もしくはマイナスからのスタートになります。
故障予防のためにもしっかり靴ひもを結ぶことは大事だと思います。
靴ひもの締め方が緩い問題点 その3 靴擦れ
また、シューズ内で足が動くということは、靴擦れが起こる危険性が増します。もちろん短い距離なら問題ないかもしれませんが、長い距離を走るときは危ないです。靴擦れはおこるとそれ以降は苦痛との戦いになります。
もちろん靴擦れは靴ひもの締め方が緩いことだけで発生するわけではありません。ソックスの履き方が悪いことでも発生します。
そのことについては、月曜日にブログに書きましたので、合わせてお読みいただければと思います。
ソックスきちんと履いてますか?? ←クリックするとブログに飛びます。
締めすぎ・緩みすぎ防止対策
靴ひもをしっかり締める重要性は分かったけど、締めすぎると足の甲が痛くなるから、緩く締めているという方も少なからずいるでしょう。
もちろん締め過ぎは良くないです。
難しいのはキツイと思って緩めたら、緩めすぎてしまったということです。
私もそれをよくやっていました。特にレース直前に靴ひもが緩すぎると感じて、締め直したら、今度はキツくて痛くなりそうと、再び緩めたら、緩めすぎてなんてしているうちにスタート号砲直前になり慌てて結び直したという経験あります。
そのような方に、私が行っていることを参考までに紹介します。
例えばこの画像の状態がキツくて痛くなりそうだとします。
本来は靴ひもをすべて緩めて下から締めすぎない・緩めすぎないように締め直したほうが良いですが、上手くいかない人向けです。
この画像は分かりやすいように極端にしていますが、通常結ぶ位置より1cmくらい紐を余らせて結びます。
もちろん、これで終了ではありません。
この状態で最上部に余った靴ひもをバランス良く広げていくのです。
この方法であれば、緩めすぎることはありません。