スムーズなスタートで事故を減らすために

本サイトでは、ランナーが事故でケガにあったり、事故を起こして、ランニングができなくなってしまうような不幸な出来事を少しでも防止するために、練習コース紹介 〜安全に走るために〜や、ランニング危険予測トレーニングを定期的にアップしています。

今回は、レース中に危険と感じることと、その対応策の一例を書いていきます。

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目標タイム入りゼッケンの効用

ゼッケン

上記ゼッケンは、この大会を走ったランナーからお借りしたものですが、Facebookへの記事を読んだときに『これだ!』って思いました。

ゼッケンの持ち主は、3分55秒ペースと申告したことから、調子が悪くてもゼッケンに恥ずかしくないよう頑張ったとのことです。

私がこれだ!と思ったのは、資格タイムがあり記録証等の提出を必要としない大会において、スタート時のロスタイムをなくそうと、実現不可能な目標タイムでエントリーするランナーが少なからずいるのを防止できるかと思ったのです。

もちろん、目標タイムであり、持ちタイムではないので、仮にサブ4したことがないランナーが2時間30分と申告しようが、そのタイムを目標にしているのなら問題ないと思います。

ただ、申告した以上は、責任をもって、スタート時くらいは、その目標タイムで走るためのペースで走って欲しいといつも感じます。

上記の例えは少し大袈裟ですが、最前列からスタートして、いきなりキロ5で仲間と並走するランナーをよく見かけます。

1秒でも速くゴールしたい気持ちは分からないでもありませんが、マラソン大会で一番危ないのはスタート時です。自分より前にいるランナーが自分より速いランナーであればスムーズに事故なくスタートができますが、特に前列に周囲より明らかに遅いランナーがいるとかなり危険です。

多くののランナーは前に並ぶからには、流れを乱さないようにスタート時は速いペースで走っていますが、そうでないランナーも少なからずいるのが現状です。

もしゼッケンに目標タイムが入っていたら

明らかに実態と異なる目標タイムがゼッケンに入っていたら、レース中に後ろを走るランナーや沿道の方から、このランナーは嘘つきだとずっと思われることになります。もちろん、目標タイムが入っていなくても、ゼッケン番号を見ればある程度分かりますが、ゼッケン番号は性別や年齢によって振り分けることが多いので、番号だけ見ても分からないことはあります。目標タイム、もしくは目標ペースが入っていれば一目瞭然です。

また、調子が悪く中盤からペースダウンする方もいますが、それは調子が悪いのだから仕方がない。

それでも、実態と異なるタイムを申告するランナーはいるでしょうけどね。

技術的にはどうなのか?

ゼッケンを作る業者に聞いたわけではないので正確なところは分かりませんが、名前や年齢等を印字しているゼッケンがあることを考えれば、なんら難しいことではないでしょう。また前面のみにゼッケンをつける大会では難しいと思います。大会によっては、陸連登録者のみ前後につける大会もありますが、安全対策上の観点からも全参加者が前後につけるようにした方が良いと思います。もちろんコストはかかります。

つくばマラソンのウエーブスタートは最高

今回書いていることとは違いますが、2015年よりつくばマラソンがウエーブスタートを取り入れました。これは素晴らしいです。2列目、3列目スタートのランナーは本来は数分、もしくは10分以上ロスタイムがあったところを、ほぼロスタイムなしでスタートラインをまたぐことができたのです。市民ランナーはネットタイムで考えれば良いという著名人はいますが、ランナーの立場からすると、例えネットタイムでサブ4したとしても、友人から聞かれた時に、「ネットだと・・・」と常に枕詞をつけねばなりませんし、本人自身すっきりしないと思います。だから少しでも前から走りたいと思う気持ちは当然だと思います。

もしくは、ソウル国際マラソンのように、グロスタイムは上位入賞者のみにして、その他のランナーはネットタイムのみ完走証に表記するのも良いかもしれません。参加資格タイムのあるエリートレースへの参加を狙っているランナーは、事前もしくは事後に申請すればグロスタイムの記録証を入手できるようにすれば、問題ないと感じます。

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最後に

いろいろ書きましたが、スタート直後の混雑で他のランナーに接触し、転倒すると後続ランナーが将棋倒しになるなど大事故に繋がります。どんな方法を取ろうともリスクを0にすることはできませんが、小さくすることは可能です。もちろんランナーの意識やマナーが大事ですが、主催者にもできることはしていって欲しいと感じます。

せっかくその日のレースで良い走りをしようと一生懸命練習してきたランナーがスタート直後のトラブルでケガをしてレースが終わってしまうのは非常に残念です。

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