攻略法その9 自己ベスト更新や完走のために大事なこと(前編)
サロマに限ったことではありませんが、もう少し上手に走ったら1時間くらいタイムが短縮できるのにと感じる人はいます。もちろん自分の好きなように走ればよいので余計なことは言いませんが、そのように感じることは多々あります。
ウルトラはタイムじゃないと言う方はいますが、その方だって気持ちよく楽しく走ったのに自己ベストが出たら嬉しいと思います。私自身トレイルレースはタイムは気にしないでのんびり走ることがありますが、速く走れたらそれはそれで嬉しいと思います。
今回【サロマ湖100kmウルトラマラソン攻略法】なんて大上段に構えた記事を書きましたが、これは自分自身のための整理でもあるのです。まだ違った観点で書きたいこともたくさんあるので徐々に追加していきますが、私の記事を読んでいる方の多くは自己ベストを出したいもしくはなんとか完走したいと思って頑張っているランナーだと思います。その方々への有益な情報を一言でいえばどうすれば目標を達成できるかだと思います。
一言で言うなら【諦めないこと】だと思いますが、当たり前すぎるのでテクニカルなことを含めてどうすれば自己ベストが出せるのかを紹介していきたいと思います。
まだ【サロマ湖100kmウルトラマラソン攻略法1〜8】を読んでいない方は先に攻略法を読んでからこの文章を読んでも、この文章を読んでから攻略法を読んでも大した違いはありませんが、この記事は攻略法を読んで、その部分について理解しているという前提で書いています。
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エイド休憩は少なめに
【2015年サロマ湖100kmウルトラマラソン完走記】にも登場してきた数値ですが、少しここから説明します。最下段をみてください。
左から2行、3行の8時間27分19秒は私のゴールタイムです。私のタイムは8時間26分45秒ですから34秒止めていなかったことになります。
次の8時間23分00秒は何かというと走行タイムです。停止中のタイムを除いたタイムです。ゴール後、時計を止めるまでの間も歩いているのでゴール時点でストップを押していればここは8時間22分26秒になったでしょう。
私のゴールタイムの8時間26分45秒とこの8時間22分26秒の差である4分19秒が停止している時間です。立ち止まっている時間です。
自分自身気になったのでこのタイムに乖離のあるところを抜粋してみました。
スタート〜1km 3秒(スタートロス)
34〜35km 2秒
54〜55km 1分28秒
60〜61km 4秒
63〜64km 19秒
68〜69km 4秒
72〜73km 5秒
73〜74km 14秒
79〜80km 17秒
85〜86km 7秒
88〜89km 22秒
91〜92km 28秒
54.5km地点の荷物預けエイドで荷物を受け取るのに15秒ほどロスし、そこから紐をほどいて中身を出して、来ていたウインドブレーカーなどを入れて、給水して袋を渡してから、袋に入っていたコーンスープを飲んでスタートしましたが、その間停止していた時間は1分28秒だったようです。エイド内でもゴールに向かって動いているので滞在時間ということになると2分くらいでしょう。
ここで10分間休んだ方とは8分差が付きます。今回の私はだいたいキロ5ペースで走りましたからその休憩の間に1.6キロ先まで進んでいるのです。大きいですよね。
また前半のエイドはほぼ止まっていませんが後半はエイドではフルーツを食べたりするのに一定のタイムロスはありますがこの程度です。
今回エイド1箇所につき2分、荷物預けエイドで20分休んだ方は合計60分のロスです。キロ6分ペースをキロ5分48秒ペースに上げるのは結構きついけど上げたとしても5キロで1分の短縮です。エイド休憩を1分に短縮すればカバーできてしまうのです。もし20秒に短縮できるならキロ5分40秒に上げたのと同じ効果があります。
無闇に短縮するのが良いと言っているわけではありません。結構細かく見ていくと無駄な時間を使っていることがあるのです。例えばドリンクは立ち止まって飲まなくても歩きながらでも飲めます。フルーツだって歩きながら食べれます。ゴミは給水所からしばらく先までゴミ箱ありますから大丈夫です。
疲れたからといって止まったり座ったら楽になりましたか?止まったことで体の筋肉が固まったのではないですか?54.5キロ地点の着替えは必要でしたか?
もちろん休んでリフレッシュできて走れたなら良いでしょう。着替えをしてリフレッシュしたことで調子よく走れたなら良いのです。
ただエイド休憩に使っている時間は伸びしろだと思ってください。この使い方で結構タイムが変わってくる人はいます。
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止まらないで歩く
先ほどの項目で、ドリンクは歩きながら飲めばタイム短縮になると書きましたが、わたしは一歩も歩きたくないし、歩いたら完走にならないのではないか?と思う方もいると思います。
私の友人にも一歩も歩きたくないという人が結構います。でも面白いもので速い人はそんなことはいいません。私自身も今回に限らずウルトラマラソンでは結構歩きを入れます。逆に一歩も歩いてはいけないとなったらタイムは落ちるでしょう。
少し整理をすると、『絶対に歩きたくない』という人は歩くという行為が、苦しくて自分に負けたから発生するという意識が強いのでしょう。
ただトレイルレースではトップランナーでも歩くのは当然ですし、野辺山ウルトラマラソンでもほぼすべてのランナーが歩いていると思います。サロマ湖でもサブ10以降の方は特に戦略的に入れたほうが良いと思っています。もちろん自分に負けたから歩くのではダメです。戦略的に意識して歩くのです。
もっと具体的に書きます。
①エイドで固形物を食べないで歩きながら食べれば距離を稼げる。
②登り坂でフォームを崩して走るより早歩きしたほうが速いことがあります。無理して走って歩くのより遅いのなら歩いて体力を温存したほうがトータルでどれだけメリットがあるか分かりません。
③普段キロ6でジョグしているのに、一生懸命走ってもキロ7になってしますのはフォームが崩れているからです。そんな時は早歩きに変えてみましょう。腰を高く胸を張って手足をしっかり振ってガシガシ歩きます。その時は前に進む意識をもって歩くのです。そうすることで接地時にしっかり体重が乗っていきます。そんな感じで30mくらい歩いたらそのまま走ってみてください。たぶんスムーズに走れるようになっていると思います。
④どうしようもなく苦しくて走れなくなったらリタイアの危機です。そうなる前に(限界を超える前に)歩きを入れたら良いのです。しかしだらだら歩くのではなく上記③のようにフォームをしっかり保って歩くとともに、時間や距離を決めて歩いたら良いと思います。絶対に歩きたくない。歩いたら完走ではない。という方は限界を超えるまで走ってしまうのでリタイアすることが多いのです。
苦しくて歩く時の注意点があります。それは気持ちを切らさないことです。間違っても自分は負け犬だとか根性ないとかネガティブな考えを持ってはダメです。ネガティブな考えを持つと思考は完全にネガティブになり、疲労がどっと押し寄せ、それまで感じなかった体の痛みが一気に表面化してきます。そうなるとさらに走れなくなります。
そうならないためには歩く時も、自分は戦略的に目標達成のためにかっこ悪いかもしれないけど歩いているんだ。と思うことです。そんな気持ちで走るとなんだか楽しくなってくると思いますし、余裕が出てきて自分の状態を客観的に見ることができます。
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トイレ休憩について
【サロマ湖100kmウルトラマラソン攻略法 その8(尿意対策)】にどうすればトイレに行かないようにできるかを書いていますので、ここではその他のことについて書きます。
まず当たり前のことですが、前日の食べ過ぎなどで体調を崩しお腹を壊していたら辛いレースになります。そうならないようにするには日頃しないような無謀な食べ方はしないことです。
ここで書きたいのは混んでるトイレには入らないことです。特にスタートしてすぐのトイレは長蛇の列になりますので、ここでタイムロスをすると関門通過も危うくなります。そうはいっても我慢できないなら仕方がないけど、先のトイレに行ったほうが早く用が足せるなんてこともあるかもしれません。
私は今年は一回も行っていませんが、過去感じたのは、進行方向にあるトイレには人が入っていても、折り返しの場合は反対側にあるトイレは意外と空いているものです。またスタートから距離が進めば進むほどランナーがばらけるのでトイレ待ちにかかる時間は減ってきますので、可能な限り先送りをすることをオススメします。
もし、トイレが近い方はしっかりどの地点にトイレがあるのか調べておくことです。大会ホームページに書かれている以外にも使用可能なトイレはあると思います。またどの地点にトイレがあるか分かると安心して走れるものです。トイレに行きたいのにどこまで走ればあるのかわからない状態はストレスから尿意は増します。
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