東京マラソン参加費は驚くほど安い

東京マラソン

2016年2月28日に開催される東京マラソン2016は10回目の開催となります。

私は2008年、2009年、2011年と3回走りましたが、それ以降は毎年応募すれども落選しています。最近の当選確率は10倍を超えているのだから3回走れた私は幸運なのかもしれません。

東京マラソンは日本における本格的な都市型マラソンの先駆けになったマラソン大会であり、コースも素晴らしく、自己ベストが狙える大会であるとともに運営も素晴らしく、参加者の満足感が非常に高いレースです。

ただ、第一回大会は2007年に開催されましたが、その時はいろいろ失敗があったようです。

気温5℃の冷たい雨の中で開催されたレースは、トイレ数が足りなかったり、補給食として用意された人形焼き6000個、 アンパン1万2000個、バナナ4万2000本などは後半のランナーが到着する頃には何もないという事態も発生したようです。アンパンは切らずに丸ごと1個渡したから、一口かじって捨てたアンパンが道路に散乱していたと参加者は話しています。そしてやっとの思いでゴールしたランナーを待っていたのは、荷物の受け渡しの大渋滞でした。寒さに震えながら30分以上待ったランナーもいたようです。

このように大混乱した第一回大会でしたが、東京マラソンの素晴らしいのはその反省をしっかり次回以降に生かしていることです。

そして年々運営は良くなっているようです。

私自身、3回走って3回とも自己ベストを出したからだけではなく、非常に満足度の高いマラソン大会です。

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なぜ参加費が驚くほど安いと言えるのか?

タイトルに東京マラソン参加費は驚くほど安いと書きましたが、東京マラソン2016の参加費は10,800円です。第1回大会は当時としては驚きの10,000円でしたが、他の大会が毎年のように値上げしている中で、消費税増税分を多少上回る10,800円に抑えているのは素晴らしいと思います。

ただ、運営が素晴らしく、コースも素晴らしく、参加費を抑えているから驚くほど安いという話ではありません。

マラソン大会に詳しい方や、運営に関わったことのある方ならご存知と思いますが、マラソン大会には非常に多額の費用がかかります。特に都市型マラソンは田舎のマラソンとは桁が変わってきます。

まずこれを見てください。

東京マラソン

東京都ホームページ内 東京マラソン財団 経営状況 から抜粋しました。

平成25年度の決算書類が添付されていますので、財務諸表に詳しい方が見ればよく分かると思います。

細かい数値は資料がないので分かりませんが、赤線を引いた箇所を見てください。

参加料収益 417,751,800円とあります。

2014年大会の参加者数は35,556人です。もちろん当日走れなかった方もいるでしょうから、ざっくりエントリーしたのは36,000人でしょう。調べれば分かるので時間がある時に調べますが、ここでは細かい数字を出す意味がないのでこのまま説明します。

当時の参加費10,000円の36,000人分で360,000,000円。そして海外参加者は約5,000人で一人あたり2,000円高いので+10,000,000円です。エリートランナーの参加費は5,000円と安いですが、参加数が少ないので計算に含めません。

ここに5,000円程度の10キロ、500人の250万円が加算されても3億7,250万円程度と4億1,775万円には届きません。

差額は4,500万円ほどですが、おそらくイベントの参加費等でしょう。厳密には資料がないのでよくわからない部分は多々あります。

この辺りについてはざっくり参加者からの参加料収益は3.7億円しかないということだけご理解ください。


次に見ていただきたいのは計上費用です。

なんと25億8,542万円です!

その中には財団の管理費が含まれているので、事業費の中の東京マラソンの数値を見ると、19億5,325万円です。

これはオフィシャルイベント等を抜いた、東京マラソンの運営にかかった事業費です。

約36,000人のランナーでこの金額を配分すると、だいたい一人あたり54,000円です。

と言うことは、参加者は54,000円のコストに対して、10,000円の負担で走ることができるということです。

驚くほど安いと思いませんか??

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なぜ20億円近くもかかるのか?

そう書くと、自分がもらったのは、参加Tシャツと、完走タオル、完走メダルくらいだし、給水、給食もたいした費用ではないから、とても54,000円も使っているとは思えない。という方もいるでしょう。

でも、考えてみてください。

確かにTシャツやタオル、メダルなどの提供品のコストはせいぜい2,000円程度ですし、ドリンクや補給食などの費用もたいしたことないでしょうが、それ以外に多くの費用がかかっているのです。例えば、手荷物を預けてゴール地点に配送する費用。ボランティアのウエアや弁当代、警備員などの費用、コースを仕切るパイロンやポールなどのレンタル費用。そして大量の数量設置しているトイレのレンタル費用、設置費用、廃棄費用、そしてコースや会場の清掃費用やゴミ処理費用、また東京ビッグサイトなどの会場費もかかるでしょう。

もちろん、詳しいことは分かりませんが、大都市で交通規制をしてマラソン大会を開くということは非常に多額の費用がかかるのです。

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44,000円は誰が出してくれたか??

では、54,000円から参加費10,000円を引いた44,000円は誰が出してくれたのでしょう?(ざっくりした金額ですが。)

受取補助金等の約1.5億円はありますが、大きいのは18億円近い協賛金です。

スポンサーに名を連ねている企業等が協賛金を出してくれることで、1万円程度の参加料で走れるのです。もし参加料だけで大会運営をしようとすると大変な参加費になってしまうのです。

余談ですが。

東京マラソン

青線を引いた受取会費 7,837万円は、プレミアム会員の会費でしょう。一人4,000円として当時は約2万人の会員がいたのでしょうか?

ちなみに今年2月に開催された第9回大会のプレミアム会員限定の先行エントリーは3,000人の枠に対して当選倍率は9.4倍だったようです。

さらに余談です

チャリティーランナーは10万円で走れると今日まで思っていましたが、調べたところ10万円以上の寄付をした上で、参加費10,800円を払う必要があるので実際は110,800円かかるのです。

ただ、ある程度収入のある方なら、寄付金税額控除で約4万円戻ってくるので実質7万円ほどです。

都内近郊にお住いの方であれば、北海道や、九州などのレースに参加するための飛行機代や宿泊代を考えると決して高い金額ではないかもしれませんね。

どうしても東京マラソンを走りたいと考えている方は検討されたらいかがでしょう。