レース直前の過ごし方

1週間を切ったらもうクタクタになる練習はしない

ランナー

私の周りにも、仕事が多忙で練習時間がとれない中で頑張っているランナーはたくさんいます。目標達成どころか、以前のように走れるようになれるのか大きな不安を抱えているランナーもいます。

練習時間が取れなくなった理由は、転職や転勤による職場環境の変化や、結婚・育児・出産・介護など家庭環境の変化、もしくは将来を考え勉強を始めたなど、様々ですが、そんな中でも目標達成に向けて十分ではないけど、できる範囲で練習しているランナーはたくさんいます。

私の前職はもともと多忙な業界・会社でしたが、それでも平日に週1日は何とか練習時間に間に合うように仕事を終えて、週末のどちらかに練習をすることは出来ました。それが2013年度になると平日も深夜帰宅が続き、週末も持ち帰った仕事で練習どころではない日々が続きました。週2どころか週1練習なんて日々が続くと辛かったです。何が一番辛かったかというと、友人とランニングなどの約束ができないのです。せっかくランニングを通じて多くの友人が出来たのに疎遠になっていくのは辛かったです。

そんな2013年度のサロマ湖ウルトラで8時間53分の自己ベストを出したのは、今でも驚きですが、それはその前年度までの蓄積があったのです。その秋のフルマラソンシーズンからはまるで走れませんでした。

そんな経験があるので、週2回練習できれば何とかなる。週1回では維持できないと思い、平日に短時間でも練習をすることをオススメしています。

話が逸れていますので、少し戻しますが、練習時間が取れない方は、時間が取れると目一杯走ってしまいます。普段ならそれでも良いと思いますが、週末に目標としているレースがあるなら、もうクタクタになるような練習は止めましょう。平日の練習は時間がたくさん取れたとしても軽く刺激を入れる程度で終わってください。

参考までに、週末レースの友人と最終調整した時のことを紹介します。

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練習の実例

ランニングフォーム

彼女は週2回 25キロしか走れないほどではないけど、仕事の責任が大きくなったことで、練習時間が確保しにくくなりました。またそんなことから、体調も崩しやすくなっていました。ただ体調が悪い時には焦らず、無理に練習はせず、一緒にフォーム改善に取り組んできました。その甲斐があり、綺麗で力強く効率的なフォームが身に付き、前より楽にスピードが出せるようになってきました。

そうは言っても、レースの結果に一喜一憂してると、走ることが詰まらなくなってしまうので、何か掴んで来いと伝えました。長いスパンで徐々に実力をつけてタイムを伸ばせていけたら楽しいと思います。そんな彼女と決めた目標はタイムではなく『最後までフォームを崩さないで走りきる』です。理由は、初夏から取り組んできたことがフォーム作りだったからです。

そして、フォームを意識して走ることで、いつも練習時に気をつけている自分の接地の音に意識を集中できれば平常心で走れます。そして自然にペースは上がります。

終盤は当然キツくなるけど、そこからは頑張るしかありません。そんな走りが出来れば良い走りが出来ると思っています。

一応ラップのイメージは伝えたけど、ラップに囚われないで自分の体感で走っても良いと思う。

さて、今回の練習はこんなイメージで決めました。

まず、彼女は走り始めは心拍数が上がりやすく、上がってしまうと極端にパフォーマンスが落ちます。そのため周りに流されずにスタート直後は5キロ24分くらいで走るように伝えてますが、そのために、まず4'41ペースで2650m走り、レースの序盤のペースを体感してもらいました

その後、筋肉や気持ちに刺激を入れるために1000mを2本しました。

最初は息が切れない程度に、タイムよりリズム重視で走りました。彼女の接地の音や呼吸の音を意識してギリギリキツくならないペースで走ったところ4'08でした。

2本目は、フォームが崩れない程度に頑張って走りました。以前は4分切ると呼吸が激しくなりましたが、だいぶ力を抜いて走れるようになったのを見て嬉しくなりました。タイムは3'57でした。

最後に、レース中盤以降に可能ならビルドアップしていく時のペースで走って終了です。1キロ4'24をイメージして走りましたが、気持ちよく4'20で走れました。

目標タイムにより練習の中身は変わってきますが、とにかく筋肉と気持ちに刺激を入れる。そしてレースペースを確認する。これだけで良いと思います。クタクタにはならないでください。

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刺激入れからレースまで

ランナー

基本的に週2回しか走れない方であれば、刺激入れをしたら次はレース当日になりますが、もし練習時間が取れたとしても、あまり練習はしない方が良いです。ジョグをすると疲労が抜けると言われていますが、普段ジョグをする習慣のないランナーはジョグすると疲れます。レース前に慣れないことは極力しない方が良いです。

普段から繋ぎジョグをしている方は、いつも通りしてください。ただ走り足りないくらいで止めてください。理由は走り足りないと感じるくらいで止めることで、早く走りたくなると思います。レースが待ち遠しくなります。

刺激入れが終わったら、あとはレースまですることは疲労抜きです。もともと練習量が少なく疲労が溜まっていない方は、不要かもしれませんが、身体のあちこちが張っていたり、階段を登る時に体が重たいと感じたら、スポーツ整体等で張りを抜いてください。普段行っていない方は、極力早めに行ってください。普段から入っている方以外は前日は止めた方が良いです。

また、前日受付の都市型レースの場合は、エキスポも楽しいでしょうし、観光もしたいでしょうが、タイムを狙うレースであるなら、我慢して極力歩かないようにして筋肉を使わないようにしてください。

あと、重たいバッグ等を背負わない方が良いです。肩周りが張ると肩甲骨の動きが悪くなるのと、腰が疲れます。車以外で行く方は荷物を減らすとか、荷物が多い方はホテルに送ってしまうとか工夫してください。


上記に書いたことにも関連しますが、大事なことがあります。レース前にランニングショップに行く必要があるなら、決めたものだけ買って帰りましょう。ついつい使い慣れていないサプリやアイテムが欲しくなってしまいます。買ったら使いたくなります。また今まで見ていない雑誌や、ウエブページなどを見て焦らないことです。レースマネジメント的な話であれば良いですが、フォーム等に言及した記事は飛ばしましょう。その記事を見てレースまでに改善しようと思ったらバランスが崩れるリスクがあります。

最近忘れたいたということだったら良いと思いますが、目新しいことはしないでください。

くれぐれも、友人からニンニク注射が良いからとか、酸素カプセルは疲労が抜けるからと言われても、止めたほうが良いと思います。行くならレース後に行ったら良いです。体調を崩すことがあります。(過去体調を崩した経験者より)

レースで学んで強くなる

ランナー

目標にもよりますが、どんなに練習しても、体調が良くても目標を達成できるかどうかは分かりません。簡単にできないからこそ面白いと私は思います。

もちろん目標達成のために頑張っているのだから目標に届かなかったら悔しいでしょう。でも本気で悔しいと思えたなら目標達成は近いと思います。まったく届かないレベルであれば悔しいとは思えないでしょう。悔しいと思えるのは、悔しいと思えるレベルにいるということなのです。頑張っているかどうかは周りには分かりません。自分自身しか分かりません。その自分自身が悔しいと思ったのなら頑張ったのです。

ですから、レースは目標達成を狙うのはもちろんのこと、いろいろ学んでください。目標に届かなかったら、何が足りなかったのかレースを振り返ってください。前より良くなったところがあれば、なぜ良くなったのかを考えてください。きっと理由があるはずです。

そして、足りなかったものが分かったら、その足りないものを埋めるための練習を考えてください。そうやって自分自身の強み・弱みを知ることが、長くランニングを楽しむうえで大事なことだと思います。

結果に一喜一憂しない。しかし嬉しい、もしくは悔しいと思えるようなレースをすることです。

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