攻略法その9 自己ベスト更新や完走のために大事なこと(後編)
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出したいタイムでなくて出せるタイムを目標に
【サロマ湖100kmウルトラマラソン攻略法 その3(目標タイム設定)】でも書きましたが、客観的に自分はどのくらいのタイムで走れるのかを知ることは大事です。
もちろんどのくらいで走れるのかは走ってみなければ分かりませんが、上記記事を読んでいただければ一定の目安にはなると思います。もちろんフルマラソンを3時間で走る方が7時間切りたいと思っても100%無理です。その方が7時間切りを狙ってスタートしたら100%潰れるでしょう。これは極端な例ですが出したいタイムでなくて出せるタイムを目標にした方が良いレースができると思います。
出したいタイムとは願望です。夢です。もちろん大事なことですが、そのタイムを出せる力がないのに狙っても絶対に出せません。なぜならそのタイムを出せる力がないからです 笑
そのタイムが出せるなら、出せる力があったということです。
また出せるタイムでゴールできるかというとそんなことはなく、気象コンディションや、自分のコンディション、そしてレースマネジメントによっては出せません。
大事なことは客観的に自分の出せるタイムを捉えることだと思います。そのタイムをベースにして、もっといけるだろうと思えば多少チャレンジングなペースで入れば良いし、そのタイムでは難しいと思えば多少ゆっくりめのペースで入れば良いのです。何も考えずに入るのとは大きな違いです。
もちろん自分に限界を設ける必要はありません。私が書いている自分が出せるタイムとは、現時点の自分に出せるタイムです。走力をつけることにより出せるタイムは向上していきます。
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先のことを考えずに頑張らねばならない時もある
上記のとおりレース前に綿密に計画を立てて、スタートしたらその計画に沿って走ることはすごく大事です。
ただし、ここで無理したら大崩れするかもと感じた時でも、無理しなければならないときはあります。
計画通りに行かないことは多々あります。その時には二つの判断に迫られます。一つは目標を切り下げる。もしくはゴールできるようにペースダウンする。
もう一つはあくまで目標達成のためにその場を頑張るかです。
目標の切り下げが必要な時はあります。今回のサロマ湖ならサブ8.5から自己ベストに切り下げることは状況によりあり得ました。ただ野辺山のようにサブ10目標を下回る目標がないことはあります。
野辺山の時は序盤に思うような走りが出来なかった時に、私が意識したのは望みを繋ぐことです。40キロを過ぎた辺りで私はこの下り基調を少々無理してでもペースアップせねばサブ10は絶望になると無理しました。もちろん無理するわけですから後半失速するかもしれません。
ただここを頑張らねば100%目標達成が無理になるのです。であれば先のことより、まず目先の1キロの走りが大事になるのです。望みが繋がっている限り頑張れるものです。
ウルトラやってない人にイメージしやすいようにフルマラソンでサブ3を目標に走っていたとします。目標は最高も最低もサブ3としたレースとします。
ハーフを過ぎてジリジリペースを保てなくなり30キロで貯金がなくなった。その時はキロ4’20まで落ちた。残りを4’15ペースで行かなければ間に合わない。その時は終盤潰れたとしても、まず4’15に上げねばサブスリーは出来ないのだからペースアップをします。先のことより今の走りです。その時は落ち基調のわけですからそこであげねば多分4’25、4’30と際限なく落ちていきます。その時にペースをキープするのではなく上げるわけですからキツイし不安になります。
ただここが勝負なのです。
意外とダラダラ落ちてる時って、フォームが崩れてペースが落ちてることがあるのでペースアップすることでフォームが戻って楽に走れるようになったりします。そうなると気持ちもポジティブになりますます頑張れたりするものです。
少し話が長くなりましたが、レース全体をイメージして走ることはもちろん大事ですが、今、その場を頑張らねばならないときもあるというはなしでした。
今回のサロマでは中盤ペースが落ちてサブ8.5が危うくなる場面はありましたが、早め早めにペースを修正していったので、先のことを考えないで頑張る場面はありませんでしたが、2013年の復活劇はまさに先のことより今頑張るしかないとペースアップしたことから始まりました。
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抜かれ続けるとネガティブになり抜くとポジティブになる
上の続きになりますが、キロ6がキツイ場面で自分を抜いていったランナーに追いつくためにペースアップしたとします。おそらく何もしなければキロ6を超え、いずれキロ7に近づき、結果として歩いてしまう場面です。
このキロ6も精一杯のときに、抜いたランナーに追いつく時はきっとキロ5とかに上がります。追いついたらそのランナーに着いて走るのではなく、追い抜いてみてください。そして先に見えるランナーに追いつこうと頑張るのです。
あることに気づくはずです。キロ6もキロ5もキツさは変わらないじゃないかと。
キツさが変わらないなら速く走ったほうがキツイ時間が早く終わります。
これは今年ではありませんが私の実体験に基づく話です。ペースアップしたのにキツさが変わらないのに驚いたものです。
そして後半戦になり周りのペースが落ちる中で、私はペースアップしているのだからガンガン抜きます。
そんな私に抜かれたランナーは『ナイスラン!』と声をかけてくれます。褒められると気持ちいいから、ますます頑張れるようになり、いつしかそれまで感じていた体の不調や痛みは消えていました。よくZONE(ゾーン)に入ったという言葉を聞くことはありますが、ポジティブ感情が続くと凄まじい集中状態になるのでしょう。
私自身このような状態になることは滅多にありませんが、苦しい時に頑張って前のランナーを抜き続けるとこれに近い状態にはなります。逆に抜かれ続けるとペースはどんどん落ちていきます。ネガティブになるのでしょうね。
またペースアップするということは、速く走れるフォームになっているということです、もしかしたら腰が落ちて後傾していたフォームが前に進むフォームに変わったのもあるでしょう。同様に痛みがなくなったのもフォームが良くなったことで負担のかかる場所が変わったのかもしれません。
これはウルトラマラソンに限った話ではありませんが、このような状態になったら試してみてください。
まとめ
書きたいことはありますが、一旦まとめます。
ウルトラマラソンで1時間タイムを短縮するのはサブ10レベルではそう簡単にはできないと思います。理由は上手に走っているからサブ10ランナーなのです。短縮できる部分はそんなに多くないでしょう。でも30分くらいは短縮できると思います。
制限時間ギリギリの方なら、ホント1時間くらい平気で短縮できます。
ポイントは上に書いたことや攻略法にまとめていますが、さらにまとめるとこんな感じです。
『レース計画をたててレース全体を把握』
『レース前には体調を整える』
『スタートしたら計画通りに進める』
『無駄な時間は短縮する』
『レース中は常にポジティブに』
『感謝の気持ちをもって』
そして
『決して諦めない強い気持ち』
今までできていなかった、もしくは認識がなかったことがあれば、そこは伸びしろです。目標に向かって頑張りましょう!!
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