サロマ湖100kmウルトラマラソン攻略法 その3(目標タイム設定)
日本最高峰の100キロマラソンであるサロマ湖100kmウルトラマラソンについて、いろいろな情報をまとめていこうと思います。
サロマ湖100kmウルトラマラソンの大会ホームページを見れば簡単に見つかるようなデータもありますが、それだけでは作る意味がないので過去走った経験等も含めて紹介します。
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サロマ湖100kmウルトラマラソンの目標タイム設定について
攻略法その1や攻略法その2でペース設定について先に触れましたが、過去にサロマ湖ウルトラマラソンを走ったことがある方ならイメージもできますが、そもそも初めて走る方は自分がどのくらいのタイムで走れるのか?どのくらいのタイムを目標にすれば良いのか?が分からないと思います。分からなければペース設定自体考えるのが難しいと思います。
私のブログを読んでいただいている方は私がどのようにして初めて走るコースの目標タイムを設定するかご理解いただいていると思いますが、何種類かの方法でまずは走れるタイムの水準を考えます。そのタイムを目安にしてチャレンジングな設定にするか確実に走れる設定にするかを決めます。
参考までに今年初めてエントリーした野辺山ウルトラマラソンを前にどのくらいで走れるのかを趣味レーションしました。その時のブログはこちらです。
野辺山ウルトラマラソンのタイム設定
その時の算出したタイムは9時間51分45秒もしくは9時間57分37秒でした。
そして結果は以下のブログの通り9時間57分35秒でした。
野辺山ウルトラマラソン レース展開
最初計算したのは9時間57分37秒でしたから、自分でもあまりにも近いタイムでゴールしたので驚きです。レース前にはすっかりこの9時間57分37秒というタイムは忘れていて9時間45分から10時間以内で走ろうと思っていましたが、後日ブログを読み返した時に気づきました。
自分に限界を作りたくないという方は先入観を作らないために計算しないほうが良いと思いますが、あまりにも走れるであろうタイムと、目標タイムがかけ離れていれば完走も難しくなると思います。例えるならハーフマラソンを1時間29分台で走るのがやっとのランナーが、サブスリーを狙って走ったら中盤以降潰れると思います。もちろんハーフマラソンのベストタイムが1時間29分台であったとしても良い練習ができて、今走れば1時間25分程度で走れるという方ならサブスリーでゴールできるかもしれません。ウルトラマラソンも一緒です。伸びている方なら驚くようなタイムでゴールすることができます。大事なのは自己ベストで考えるのではなく、今どうなのかで考えたらよいかと思います。
そのためにも普通に走ればどの程度のタイムになるのかを把握した上でチャレンジングな目標設定にしたら良いと思います。
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目標設定の目安 その1【フルマラソンのタイムから考える】
紹介した野辺山ウルトラマラソンのブログに設定の考え方を記載していますが、私が考えているもっと簡単な目安を紹介します。
それはフルマラソンのタイムから自分が走れる100キロのタイムを計算する方法です。
ざっくりと言ってしまうとフルマラソンのタイムの3倍でサロマ湖は完走できます。もちろん2014年のような非常に暑いレースになれば難しいかもしれませんが一定の目安になります。もちろん持久力や精神力が並外れているトップランナーは2.8倍を切ってゴールします。例えば7時間を切るトップランナーはみなフルマラソンを2時間30分を切っていると思います。100キロはフルマラソンの2.37倍の距離ですからフルマラソンを走るペースで100キロ走れば2.37倍のタイムでゴールできる訳ですがそんなランナーはいません。もしいたとしたらフルマラソンは昔のタイムで今走ればもっと速く走れるでしょう。2014年四万十川ウルトラマラソンを8時間59分台で走った私の直後にゴールした学生は惜しくも9時間を超えてしまいましたがフルマラソンのタイムを聞いたら3時間20分ほどと話していましたが、おそらく四万十川を走った時点ではサブスリーの力はあったと思います。
参考までに私がサロマ湖を走った3回について直前シーズンのフルマラソンのタイムと比較してみます。
大会年度 | サロマタイム | マラソンタイム | 倍率など |
---|---|---|---|
2012年 | 8:56:55 | 神戸マラソン 2:59:38 別大マラソン 3:02:38 |
神戸→2.99倍 別大→2.94倍 |
2013年 | 8:53:20 | つくばマラソン 3:05:35 別大マラソン 3:01:28 古河はなもも 3:01:32 |
つくばマラソンは神宮外苑24時間チャレンジの疲労が抜けないままのレースでしたが、別大や古河はなもものタイムが当時の実力でした。 別大→2.94倍 つくば→2.87倍 |
2014年 | 9:25:55 | 防府マラソン 3:09:41 別大マラソン 3:08:01 静岡マラソン 3:09:37 古河はなもも 3:13:35 佐倉マラソン 3:25:59 |
古河はなももや佐倉は脚作りのために走りましたが、防府や別大、静岡が当時の実力でした。 別大→3.01倍 防府→2.98倍 |
私の場合はほぼ2.9〜3.0倍の結果になっています。ハーフマラソンのタイムとフルマラソンのタイムを比較してフルマラソンのタイムが速いと言われている方は2.8倍程度で走れるかもしれませんし、逆であれば3.1倍を超えてしまうと思います。参考までに私はだいたいハーフマラソンの2.1倍でフルマラソンを走ります。そのくらいの方は2.9〜3.0倍を目安にしたら良いでしょう。
またフルマラソンのタイムが同じ男女を比較すると、一般的に女性の方が100キロは速く走ります。私も100キロマラソンでは3時間1桁の女性によく負けます。フルマラソンなら負けないし、ハーフマラソン、10キロを距離が短くなればなるほど絶対に負けないのに負けるのです。折れ線グラフにしたら分かりやすいかもしれませんね。
せっかくなのでイメージをグラフにしてみました。
まず私の大まかなタイムと、女性のタイムはこんな感じとします。
そのタイムを折れ線グラフにするとこんな感じです。
線が重なってよく分からないので平均ペースで比較してみました。
おそらく70キロレースで同じようなタイムになるのかもしれません。
まず初めてサロマを走る方はフルマラソンの3倍をイメージしてから、タイプに応じて倍率を修正したら良いと思います。そこで算出したタイムを叩き台にしてチャレンジングな目標設定にするなら0.1倍くらい速めて、確実に走りきりたいなら0.1倍引き上げたらいかがでしょう。
目標タイムが決まったら次は、前回紹介したペース設定に落とし込んでみてください。
仮に計算したところ13時間を超えてしまっても、ガッカリしないでレース当日に最高の体調にするように頑張ってみてください。ウルトラマラソンは時間が長いので体調により大きく展開は変わってきます。また13時間を超えてしまった方は攻略法その2で書いた13時間の設定ペースで頑張ってみてください。
まずはフルマラソンのタイムから目標設定のタイムを決める方法を紹介しましたが、次はすでにサロマ湖以外の100キロマラソンを経験している方の設定の目安を紹介します。
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目標設定の目安 その2【他のウルトラマラソンのタイムから予測する】
上で説明したマラソンのタイムからサロマ湖ウルトラマラソンのタイムを予測する方法は悪い方にぶれる可能性はある程度あります。理由としては初めて100キロを走る方にとっては未知の距離であり、また長時間におよぶレースであることから、さまざまなトラブルが発生します。それらのトラブルにうまく対処できなければタイムを大きく崩すことにもなるし完走も危うくなります。どのようなトラブルが襲い、どのように対処すべきかは別に書こうと思います。
サロマ湖ウルトラマラソンは初参加だが、他の100キロマラソンを完走したことがある方ならフルマラソンのタイムより、その完走した大会のタイムを参考にして予測する方が高い精度の目標タイムとなります。その際の考え方を紹介します。
まず関東近郊の方でサロマ湖ウルトラマラソンに参加する方の多くはチャレンジ富士五湖を走っていると思われます。私は今年で6回走りましたが過去3回のタイムを、その後のサロマ湖と比較するとある程度の相関関係が見えてきますのでまず紹介します。
大会年度 | 富士五湖タイム | サロマタイム | 係数 |
---|---|---|---|
2012年 | 9:29:20 | 8:56:55 | 94.3% |
2013年 | 10:25:01 | 8:53:20 | 85.3% 富士五湖は極寒のレースで軽い低体温症となった。 |
2014年 | 10:11:05 | 9:25:55 | 92.6% |
2015年 | 8:54:45 | ? |
ウルトラマラソンは早朝スタートし暑い日中も走る長時間のレースであることから、気象変化の影響を受けやすいので参考値でしかありませんが、走った感覚からも概ね富士五湖のタイムに93%をかけることでサロマ湖のタイムがぼんやりの見えてくると思います。
少し計算してみます。
富士五湖 07:30:00→サロマ 06:58:30
富士五湖 08:00:00→サロマ 07:26:24
富士五湖 09:00:00→サロマ 08:22:12
富士五湖 10:00:00→サロマ 09:18:00
富士五湖 11:00:00→サロマ 10:13:48
富士五湖 12:00:00→サロマ 11:09:36
富士五湖 13:00:00→サロマ 12:05:24
富士五湖 14:00:00→サロマ 13:01:12
速い友人を思い浮かべても大きく乖離してはいません。ほぼこのくらいのタイムになると思います。関門時間の問題もありますが富士五湖をギリギリ完走した方はサロマ湖も制限時間ギリギリの際どいレースになりそうです。またサロマ湖でサブ10を狙う方は多いと思いますがこの係数で計算すると富士五湖を10時間45分9秒となります。もちろん参考値ですが富士五湖を11時間以内で走ったランナーには気象条件次第ですがサブ10のチャンスは十分あると思います。またサブ9を狙うには9時間40分38秒というタイムが出ましたが、こんな感じだと思います。
目標設定の目安 その3【累積標高から予測する】
上記で紹介した方法だと私が走ったレースしか紹介できないので、走ったことがないレースでも累積標高が分かっていればある程度ゴールタイムが予想できる方法を紹介したいと思います。ただ累積標高を発表していない大会もありますので、その際はガーミンで測ったデータや、WEB検索して調べてみてください。
まず結論からお話ししてから、その理由等を説明していこうと思います。
①まず過去に走った大会の累積標高を調べます。
②その累積標高を10倍します。1000mなら10倍して10キロです。
③その数値を100キロに加算します。累積標高1000mなら110キロになります。・・・これをAとしまう。
④目標大会についても同様に計算します。サロマ湖の累積標高はだいたい200mなので102キロです。
⑤A÷102=1.0784という数値が出ます。
⑥計算根拠になった大会のタイムに1.0784をかけた数値がサロマ湖の目標タイム目安となります。
計算過程で60進法は面倒臭いので、私は一旦タイムを秒に換算してから計算していますが、どちらでも構わないと思います。目安ですのでそれほど精緻な数字を取る必要はないと思います。
この計算式の意図を簡単に記載しますと、一般的にはアップダウンがあるコースはフラットなコースより厳しいし、タイムも遅くなるのは感覚的にも理解できると思います。あとはどの程度厳しくなるのか?どのくらい遅くなるのか?を数値化してみたのです。ドフラットな100キロのコースと比べたら累積標高が1000mあるコースは実質10キロ長いくらいキツイという感じに考えて実際のタイムで確認してみました。またトレイルレースでは距離と累積標高を合わせてコースのきつさを判断する指標が使われています。
実際にチャレンジ富士五湖で計算してみます。この大会の累積標高は今年ガーミン920XTJで計測したところ845mでした。1000m以上あるという方もいますが、感覚的にも850m程度だと思います。上記計算式に当てはめてみると出てきた数値は1.0632です。
計算式は (100km+0.845km×10)÷ (100km+0.2km×10)です。
例えば富士五湖を9時間30分で完走した方なら9.5時間を1.0632で割って出てきた8.935時間がサロマ湖の目標タイム目安になります。これは約8時間56分ですから、私が2012年のチャレンジ富士五湖を9時間29分で走った直後のサロマ湖ウルトラのタイムが8時間56分であることを考えるとおかしくない数値だと思います。
*当時のチャレンジ富士五湖の累積標高は若干少ないと思います。
この計算式を使って私の今年のサロマ湖の目標タイムを計算してみました。
まずは4月のチャレンジ富士五湖のタイムで比較します。タイムは8時間54分45秒でしたので、同様の計算をしていくと8時間22分56秒となりました。
同じく5月の野辺山ウルトラマラソンで比較しました。野辺山の累積標高はガーミン920xtj計測によると2037mでした。そしてタイムは9時間57分35秒です。同様に計算していくと8時間26分23秒という数値が出ました。
もちろん今年このタイムで走れるというわけではありませんが、このタイムで走る力はあるということです。私が考えていたタイムは8時間20分ですから、ほぼ同じ水準です。当然ながら登りが得意な方と苦手な方では異なってきます。私はこのタイムで走るランナーの中では得意でも苦手でもない平均的なランナーだと思いますので、登りが得意な方はこの計算式で出たタイムよりサロマ湖のタイムを少し落として、登りが苦手な方は少し上げたらよいでしょう。
計算が面倒な方のためにこの2大会の係数を書いておきます。
チャレンジ富士五湖 1.0632
野辺山ウルトラ 1.1801
上記計算式で算出した目標タイムの目安は絶対ではありませんし、タイムにはその他の要素も入ってきます。例えば東京・柴又ウルトラマラソンはフラットなコースですからサロマ湖より累積標高は少ないと思いますが、あの暑さの中を走るのは厳しいです。信号待ちが多いレースもあります。またコース以外にもレース時の体調によっても大きく変わってきます。ただ目安になるタイムがあったほうがレースプランは立てやすいのでまずは計算してみてください。
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