諏訪選手 いわて銀河ウルトラ50キロ 6位 〜失敗に学ぶ〜

アスリチューンサポートランナー

アスリチューンサポートランナーで、ドクターランナーの諏訪選手が、初挑戦のいわて銀河ウルトラマラソン(50キロ)で、途中激しい脱水症状に陥りながらも6位入賞を果たしました。


タイム 3:51:09  6位


大会全結果は、"いわて銀河ウルトラマラソン大会ウエブサイト"よりご参照ください。


今回は、大会結果やアスリチューンの使用法以外に、熱中症になってしまった失敗を振り返り、どうすればよかったのかなども紹介します。そしてレースを振り返ることの重要性など、私自身がいつも感じていることをこの記事の中に加えました。

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レース展開について

野辺山ウルトラ42キロ 2位の諏訪選手がレース対策を語るで紹介しましたが、野辺山ウルトラマラソンの42キロは思い通りのレース展開で2位入賞を果たした諏訪選手は、本大会は優勝目指して出場しました。

以下、諏訪選手がレース後にFacebookにアップしたレース展開です。

一歩間違えるとリタイアだった。

『人生初の50kmレースに参加しました。富士登山競走の練習レースとしてアップダウンのあるコースを選びました。スタートからかなり暑かったですが、ハーフまでは余裕を残しつつトップで通過しました。30kmで急に脚が動かなくなり水分も受け付けなくなり、両脚が痙攣し、そこからは自分との戦いとなりました。無理をしないペースで走ったり、歩いたりを繰り返し、40km時点で持っていたポケットエナジー(通称 黒)を補給。水分は摂れませんでしたがジェルは大丈夫でした(去年のサロマ湖ウルトラマラソン同様に助けられました)。残りの10kmはあまり記憶がなく、本能でゴールに辿り着いたという感じです。

結果的には6位入賞しましたが、一歩間違えるとリタイアでした。

コース特徴を把握していなかったのが反省点

『スタートから10kmと25〜38kmの間は給水が無いというコース特徴を把握しておらず、熱中症になったのは大きな反省点です(喉が渇く前に積極的に摂ろうと心掛けてはいましたが、走りながらなので量的に不十分だったのだと思います)。』

『ゴール直後にスピードキュア(通称 青)を補給し、アイシングしていたら体調も回復してきました。心肺も筋力も残っていたので残念な結果ではありますが、気持ちを切り替えて、メインレースに向けてしっかりとピークを合わせたいと思います!』

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強くなる選手とは

少し話が逸れるようですが・・・。

思い通りのレースができなかった時には、必ずできなかった理由があります。そのことを分かっていなければ同じ失敗を繰り返します。強い選手はなぜそのような失敗をしたのかを分析して同じ状況にならないよう努力しています。

『終わったことは忘れて次のレース頑張ろう!』 では何度も同じことを繰り返すでしょう。また思うようなレース展開ができなかったランナーが、自分なりに同じことを繰り返さないようレースを振り返ると、言い訳がましいと良く思わない方もいます。

考え方は様々ですし、『男は黙って結果を出す』 生き方がカッコ良いと思う方もいるでしょうが、私は有言実行で、できたことも、できなかったこともオープンにできる方が好きです。

できなかったことをオープンにするのは苦しいことです。私自身思うような走りができなかった時でも、記憶が鮮明なうちにレース中における身体の状態だけではなく、気持ちの推移も言葉に変えていきます。これは言い訳に思われそうと、自分自身感じることもありますが、それはそれで良いと思っています。なぜなら人の成功話より、失敗話の方が参考になることも少なからずあるからです。私の失敗談を読んだランナーが同じ過ちを繰り返さなければそれはそれで嬉しいことです。


少し話が逸れてきましたが、陸上経験がない諏訪選手が、なぜびわ湖ランナーになれたかが、今回分かった気がします。

諏訪選手から、Facebookにアップした文章以外に、なぜそのような状態になったのか?どうすれば良かったのか?を私に連絡してくれたのです。

状況把握(現象)→原因究明(仮説)→再発防止(対策)→実践というフローは、ビジネスでもスポーツでも大事なことですが、多くの市民ランナーはできていないと思います。特になぜそのトラブルが起こったのかの原因究明がされていない。もしくは表面上の問題だけに留まり、根本原因にまで踏み込めていないケースが多いです。

実際にあった例として、フルマラソンの30キロ過ぎに急に走れなくなり、ほとんど歩いてゴールするを数回繰り返したランナーが、走れなくなった理由を自分の根性のなさや、30キロ走の回数が少なかったと原因分析したです。そして、それを克服するために次の大会に向けて30キロ走をもっと取り入れて根性をつけると話していました。もちろんそれらも原因の一つだったとは思いますが、走れなくなった時の状況を本人から聞いたら原因は明らかにガス欠だったのです。その彼は次のレースで私がいう補給をしたところ体調不良な状態であったにも関わらず2時間50分を切る自己ベストを更新しました。

このランナーに私がガス欠が原因という本人にとっては新たな仮説を聞くことがなければ、30キロ走を繰り返し、それでも同じ状況になれば、まだ練習が足りない、根性が足りないと練習を増やして故障していたかもしれません。

そのランナーの経験により、自分では気付かないことはあります。そのためにも周りに発信することは大事なのです。発信すればこんな原因も考えられるのではないかと新たな視線も加わります。そして再発防止のアドバイスがもらえるかもしれません。

その点、諏訪選手はそのあたりのフローをきっちり行っているのです。それができる人は他人の経験も取り入れやすいので強くなります。

諏訪選手のメッセージ

諏訪選手からいただいた箇条書きの文章を、状況把握(現象)→原因究明(仮説)→再発防止(対策)→実践 というフローに私なりに落とし込んでみました。

状況把握(何が起こったのか?)

スタート時からかなり暑かったのでスタート前にしっかり給水をしたが、熱中症になった。

原因究明(なぜそうなったのか?)

①給水が10km以上空いた区間があった。

②熱中症になった後のエイドで身体が欲するがままにたくさんの水を飲んでしまった。

③上記②により、胃液とともに嘔吐し、結果的に多量の水分を失うこととなり、脱水を助長してしまった。

再発防止(どうすれば良かったか?)

①ウルトラマラソンなど長時間のレースではウォーターローディングとともにレース中の給水が重要

②水分は身体が欲する時には遅いので、先手を打つことが大切。エイドにあるはずの補給食やドリンクが無かったりすることも稀にあるので、常に最悪の状況を考え、回避できるように事前準備しておく。余分にゼリーを持ったり、空のボトルを携帯するなど。精神的にも余裕度が増す効果がある。水無しで飲めるポケットエナジー(通称 黒)は特にオススメである。

③少量のスポーツドリンクを複数回に分けて飲むことで、胃腸への負担を減らすことができる。

実践

アスリチューンサポートランナー

諏訪選手がいわて銀河を走ったのは富士登山競走で結果を出すためであり、心身ともに負ったダメージをリカバリーしつつ、準備を始めた。

『いわて銀河50kmは6位入賞できたものの、カラダはかなりのダメージを受けた。1週間後に負荷のかかる富士登山競走の試走をしたが、予定通りのペースで走れた。』

(行ったこと1)目に見えにくい内蔵疲労のリカバリーをしっかりとした。

→レースや負荷の高い練習後のスピードキュア(通称 青)や、30分以内の食事(普段よりやや少なめの消化の良い食事)が理想であるが、それが難しい場合には軽量でかさばらず手軽に補給できるゼリーがオススメ。カラダの疲労抜きにはゆっくりjogやサイクリングがオススメ。

(行ったこと2)富士登山競走の馬返し以降のトレイル区間では、ウルトラプロジェクト主催の”第二回アスリチューンを体験できるトレラン スキルアップ練習会”で講師をした星野さん(アスリチューンサポートランナー)に教わったスピードハイクが有効であった。→頭・胸・膝の軸を意識し、カラダの中心である骨盤で登る。

富士登山競走試走について

アスリチューンサポートランナー

『富士吉田市役所〜5合目佐藤小屋までノンストップで走りました!コース確認と高度順応が目的でしたが、最高の試走日和で目標としていた1:45をクリアできました。』



中の茶屋 33:40→ 馬返し 53:20 → 佐藤小屋 1:38:54

補給

『スタート20分前に赤(エナゲイン)、馬返しで黒(ポケットエナジー)、佐藤小屋で青(スピードキュア)を補給しました。』

試走後の感想

『まだまだ余裕もあり、脚も残っており、来月の山頂試走が楽しみです。』

富士登山競走について

アスリチューンサポートランナー

諏訪選手が初めてチャレンジする山頂コースのゼッケン番号は画像の通りです。


今年も八合目辺りで応援する予定ですが、諏訪選手の活躍を願っています。


下記記事は、昨年の富士登山競走後に書いたものですが、トップを走る選手がどれだけ必死で走っているかが伝わると思います。

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