オンラインでのパーソナルレッスン〜言葉のみだからこそできることもある〜

水曜日はKさんとのパーソナルレッスンを予定していました。

雨天時にはお互いの健康管理のため延期することにしていましたが、Kさんからの申し出によりオンラインで行うことにしました。

過去にブラインドランナーのAさんからパーソナルレッスンの依頼がありましたが、私の動きをみていただいたり、Aさんの走りを動画撮影して見てもらうことが出来ないのでどれだけ伝えることができるか分からない。と回答すると、新澤さんなら大丈夫です。とメッセージが届いたので開催しましたが、健常者に伝えるのと同程度のことを伝えることが出来ました。

その時のことをこちらに書いていますが、普段は視覚を活用できることから、けっこう言葉を省略していると感じました。

ブランイドランナーとのパーソナルレッスン〜言語化の重要性〜

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その経験があること。そしてウルプロPBチャレンジでは毎月(もしくは2ヶ月に1回)のパーソナルレッスンの間は、専用のページを使って練習計画を確認したりアドバイスをしています。また疑問点などある場合にどのような言葉にしたら伝わるかを確認しながら行っています。

そのような経験から、オンラインでのパーソナルレッスンでも伝える自信はありました。

Kさんが事前に撮影した動画を準備してもらってから1時間を少し超えるくらいの時間、メッセンジャーで言葉のやり取りをしました。

おそらくKさんは先に動画を送って、私が動画を見た上で問題点とその改善策をアドバイスすると思っていたでしょうが、実際に動画を送ってもらったのは60分後の終了直前です。と言うことは私はKさんのフォームを見ないでアドバイスをしていたわけですが、それには理由があります。

ちなみにKさんは2月前半のウルプロ練習会に体験参加して入会しましたが、入会後は一度も練習会に参加していません。その後も多くのメンバーへアドバイスやパーソナルレッスンをしているので数週間前に体験参加した方のフォームはほぼ覚えていません。

もちろん動画を先に送ってもらってから、アドバイスをした方が私も簡単ですが、それではKさんが中々改善できない動きを修正することができないと思ったからです。実際のパーソナルレッスンでは私の動きを見てもらったり、その場で走ってもらい細かく動きをアドバイスできますが、今回は私の動きも見せない環境で、言葉の力のみに頼ることにしました。

ブラインドランナーとのパーソナルレッスンでは私の身体の動きを触ってもらったり、私が動きをサポートしたりすることができたので、その時より伝えるハードルは高くなります。

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今回、私が一番こだわったのは普段のパーソナルレッスン同様、その方が自分の動きを立体的にイメージし、そのイメージしたことを自分の言葉にしてもらうことです。

私が動画を見てしまうと、相手は私が動画を見ている前提で言語化を怠ります。それをできないようにしたのです。ではKさんのフォームをどう把握したかと言うと、Kさんがメッセンジャーで送ってくる文章です。

例えば「腕の振り方にまとまりがない感じもしている。」と送られてきても、本人はイメージできるかもしれませんが、私は何のことか全く分かりません。それを私に伝わるように言葉にしてもらうのです。ウルプロには入会後大きく伸びるメンバーが少なくありませんが、このような言語化ができるようになっているのです。

今回は、文章のみで相手に伝えると言う事で、Kさんは最初こそ苦戦しましたが、徐々に回答のスピードが早くなり、また的確な内容になってきました。

自分のフォームを立体的にイメージできるようになってきたのです。

Kさんが送ってくるコメントに対して、少しづつ深掘りしていきます。例えば「その動きをするのはなぜですか?何のためにするのですか?」とか「その動きを始めるきっかけはどのような事でしたか?」とか。そうするとKさん自身が忘れていた記憶の蓋が開くことがあるのです。そこに現在の課題の根本原因があったりします。

Kさんにも伝えましたが、私の役目は、なぜそのような動きをするのか、するようになったのか現在では無意識化で行われる動きの裏にある意識を見つけることです。

また、書籍やネット記事、動画サイトなど、フォーム改善の参考になりそうなことはたくさんありますが、ここで注意しないといけないのは、それらが全て正しい情報だったとしても、受け取る側が誤った理解をしていることが結構あるのです。発信する側はそのような理解をされるとは思ってもいない受け取り方をする方は少なくありません。私はウルプロ練習会でのグループレッスンで動き作りをしながら、メンバーに質問し答えてもらいますが、10人いたらそれぞれ受け取り方が違うと思うような回答がきます。

間違った理解をすることで、それまでスムーズに動けていた動きが変わってしまうこともあるのです。ですからアドバイスをした後の動きを見て、このメンバーは間違って理解していないか?を注視して誤っていると感じたら伝え方を変えます。

今回のKさんも誤って理解していたことがあり、それが現在の動きになってしまう原因になっていたのです。それを理解してもらうためにはまずは言葉で理解してもらえるように伝える努力をしました。その返信を読んで本当に理解しているかを確認し、また新たな質問をしました。動きがイメージできた段階で、実際に動いてもらいました。お互い室内ですから室内でできる軽い動作です。その動作を行ったところどのような感覚があったかをまた言葉にしてもらいます。その言葉を読んで、言葉によっては私が伝えた動きになっていないので、どこを変えたら良いのか言葉で伝えました。

そのような地道なやり取りですが、メッセンジャーで言葉のみで行うことで、最初の方でやり取りした内容を忘れてしまっていても読み返すことができます。

そして、Kさんに自分の動きの中の問題点、そしてそれはなぜ発生するのか?どう改善したら良いのか?を聞くと、ほとんど考えることなく明確な回答が返ってきます。

その時点で、動画を送ってもらって答え合わせをしたわけです。

動画で確認すると、私のイメージよりも綺麗なフォームでしたが、問題点や課題の動きはイメージ通りでした。

最後にKさんに伝わったかを確認すると、このような返信がきました。最後のやり取りだけ紹介します。その理由は途中のやり取りはKさんだからそのようにアドバイスしたのであって、その意識を持たない方が良い方もいるからです。

いろいろなメカニズムがイメージできるようになったので、伝わったのだと思っています。早く試してみたい気分です。オンラインでも伝えられるコーチの凄さを感じました。継続的にお願いできればと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

「私の伝えたい気持ちだけでは伝わりません。Kさんの掴み取りたい気持ちがあってこそです。」

そういっていただけるのはうれしいです。はからずもシーズンオフになってしまいましたが、しっかり頑張れそうです。

「人それぞれたくさん課題があるように感じてますが、結構一つの認識誤りだったりします。それは、過去仲間からのアドバイスだったり、本の知識が原因だったりします。それがなんなのかを探し出すのが私の仕事だったりします。大会はなくても、モチベーションは自分の意識次第でいくらでもあげられます。目標を明確にして足りないことを足していきましょう!」

はい!一歩ずつでも成長できるようにがんばります。

Kさんは目標にしていた大会が中止になりガッカリしたそうですが、今回オンラインでもパーソナルレッスンを受けたいと言った理由は、効率的なフォームにすることを新たなモチベーションにしようとしたからです。その気持ちに答えることができたのは私自身嬉しいです。

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昨日、Kさんにオンラインレッスンで自分の掴みたいことを私が伝えられると思ったか?そしてその理由など質問したところこのように教えてくれました。

はい、そのように考えたのでオンラインでレッスンをお願いをしました。 理由は、いろいろあるのですが、大きなポイントは以下の点です。 私は企業研修で講師をしており、一方的に言いたいことを言っても学びは深まらず、 問いかけて、考えてもらい、言語化しながら気づいてもらう、というやり方をしているので、 ブログ等で拝見していた新澤さんの手法に類似性を感じたことが大きいと思います。 ただ、映像でも音声でもなく、テキストでやり取りする、というのは多少、不安がありました。 乗り越えるべき難しさとも感じていましたが、自分で撮影した動画があるのでなんとかなるだろう、 と思っていたのも正直なところでした。 (動画の確認が最後になるとは全く思っていませんでした。。。)

そして、オンラインレッスン終了時のレッスン前の期待値と比べてどのくらい課題解決に繋がったかを質問しました。

期待値は十分に超えていました。 もともと3月に参加予定のレースに向けてアドバイスをいただければ という感じで申し込みをしたのですが、大会は中止に。。。 目標を見失いかけましたが、来季に向けてフォームをしっかり見直し レベルアップするチャンスと捉えて、まずは目的を「問題点の明確化」と考え直しました。 レッスンでは、いくつかあった問題点を整理するだけでなく、 重要な問題は何か?、 なぜその問題が起きるのか?、 を新澤さんの問いかけに答えていくことでイメージの解像度を上げていくことができました。 ここまででイメージが掴めたので、何に気をつけて練習したらよいか?を納得感を持って受け入れることができました。 これは個々の課題を解決できた、というより、全体の動きをメカニズムとして理解できたことが 一番の収穫だったと思います。 着地以外にも誤解しているポイントがいくつかありましたが、 メカニズムのおかげで芋づる式につながってきた感覚があり、 すぐにでも試したい、と感じることができました。

今朝、Kさんからそのイメージで走った動画のキャプチャーを送っていただきましたが、よく動けていました。そしてKさんに楽に進む感覚はあったかを確認するとこのようなメッセージが届きました。

はい、楽に進む感覚がはっきり感じられました。すぐに元に戻ってしまいそうなので定着化が必要とも感じています。しばらくは動き作りとフォーム確認を地道にやっていこうと思います。

その楽に進む感覚を感じることができたとの連絡をいただき安心しました。次のステップはありますが、それは、無意識でこの動きができるようになってからです。

雑誌(など)に書いてあった動きは本当に正しいのだろうか?自分は誤って理解しているのではないか?と不安を感じながらだと定着しにくいのは確かです。実際のパーソナルレッスンで意識しているのは、「自分の場合はこう動いたら楽に進むことができるんだ。」と感じてもらうことです。そしてその動きをするために必要な意識を理解してもらう。いつもと違ってどの筋肉を使っているかを感じてもらう。現在の体力・筋力から考えて筋力トレーニングが必要な場合はそのアドバイス。いつもと違う部位に負担がかかるのでケアについてのアドバイスや注意点などを理解してもらいます。

例えばの話ですが、ランニングには体幹トレーニングが必要とトレーニングを始めても、そのトレーニングをすることで自分の走りがどう変わるかイメージできないと中々続きません。そもそも腹筋を使わない腰が落ちたフォームの方が腹筋を鍛えてもさほどフォームは変わるとは思いません。今までパーソナルレッスンしてきた方の多くはフォームを維持するために必要な筋力はあるのにその使い方を意識できていないだけです。維持する筋力が足りない方にはもちろんトレーニングをアドバイスしますが、それも本人に必要だと体感してもらうからこそ続けるモチベーションが湧くのです。

最後にメッセンジャーによるパーソナルレッスンは私自身も結構大変なので多くの方には対応できませんが、エントリーしていた大会が全て中止になってしまった。また参加している練習会も中止になってしまった。などモチベーションを維持しようと思っても維持できないような状況の方はFacebookページのメッセージにてお問い合わせください。レッスン料金は通常レッスンと同額です。

また毎年開催している野辺山ウルトラマラソンや、サロマ湖ウルトラマラソンなど参加する大会に応じた事前準備やレースマネジメントなどをお伝えするウルトラセミナーは会議室で行っていますので現在は休止していますが、オンラインによるパーソナルレッスンは可能です。こちらは資料を送った上で、その方の状況に合わせてアドバイスしていきます。このような時期だからこそ従来積極的にしていなかった部分に入っていくことも大事だと感じています。

最後に、自分のフォームについて、自分の言葉で言語化することは非常に大事なことです。動画撮影してみて、その動画に映ったフォームの特徴を見ていない人に伝わるような言葉にする。そして自分自身のイメージしている理想のフォームとどこが違うのか?近づけるためには何を変えたら良いのだろうか?と考えていくだけでも変化は出てくると思います。そのような意識を持った上で、書籍やウエブサイトの記事を読むと今までと違う受け取り方をしている自分に気づくかもしれません。



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