男女のタイム差についての考察  〜男女差は1.1倍〜

ランナー同士の会話の中で、「女性のそのタイムは、男性の○時間に相当するよ。」など男性が女性に話しているのをたまに耳にします。実際は性別だけではなく年齢など様々な要素があるのでナンセンスな話ではありますが、少し考察してました。

男女差についても諸説あって、差は15分くらいだ。という人もいれば、30分くらいだ。という人もいます。

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福岡国際マラソンと大阪国際マラソンの資格タイムで考えると35分違います。

福岡国際マラソン    2時間35分以内

(参考)福岡国際マラソンBグループ資格タイム切り上げ   

大阪国際女子マラソン    3時間10分以内
(参考)大阪国際女子マラソン参加資格変更  

また東京マラソンのエリートの基準タイムは、男子2時間21分以内、女子2時間52分以内と31分違います。

いわゆる日本代表選考会を兼ねるエリートレースに出場することを基準に考えるなら、30分違うと考えることは正しいと思います。

ただ大半のランナーには縁のないエリートレースの参加資格タイムを基準に考えて、3時間で走る男性より、3時間29分で走る女性の方が難易度が高いと考えるのはどうかと思います。

そもそもエリートレースの参加資格タイムは、参加が予定される人数により推移しています。参加するランナーが増えれば大会運営上の理由から資格タイムを引き上げます。

フルマラソンを完走した人数を比較すると、男女比は概ね8:2と男子が圧倒的に多いです。

全日本マラソンランキング  2017年集計結果

総完走者数    36万3807人

男子    28万7849人    女子    7万5958人

そして、直近の福岡国際マラソンと大阪国際女子マラソンの出走者数は同じくらいです。

福岡国際マラソン    373人

大阪国際女子マラソン    412人

男性ランナーが福岡国際マラソンの舞台に立てる割合は

373人÷287,849人≒0.13%

周りにたくさんいるから麻痺しちゃっていますが、極めて狭き門です。

女性ランナーが大阪国際女子マラソンの舞台に立てる割合は

412人÷75,958人≒0.54%

こちらもかなり狭き門ですが、男性に比べると4倍広がります。

参加資格には10kmやハーフマラソンなどもあり、また参加資格を持つランナー全員が走ることはないので目安です。

現時点では福岡国際マラソンの舞台に立つことは、大阪国際女子マラソンの舞台に立つことより難易度が高いといえるでしょう。

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両大会参加者のフィニッシュタイムを分析してみました。

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黄色のラインは上位1/4、100位のランナーが属するタイム区分です。

着目していただきたいのは、トップランナーとの差です。

福岡国際マラソンの上位1/4はトップから20分程度の遅れですが、大阪国際女子マラソンは35分程度の遅れになります。何を言いたいかと言うと、男子は日本代表を狙うタイムから20分差くらいの2時間30分前後のランナーはかなりいるけど、女子は2時間40分台のランナーが極めて少ないのです。

この辺りについての考察は別に書きます。

また、この辺りのランナーが少ないことが、100kmでサブ7.5ランナーが10年あらわれていないことにも繋がります。

100KM8時間以内で走る女性ランナー 〜8時間以内の日本の女性ウルトラランナー一覧〜

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タイトルから少し離れたので、私が思う難易度の観点から男女のタイム差を考えると○分という定数ではなくて1割です。

例えば、男子が3時間で走る難易度を女子に当てはめるなら3時間18分です。

大阪国際女子マラソンの資格タイムである3時間10分と同じ難易度の男性のタイムは2時間52分台です。

その根拠にした数値は以下の表です。

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これは世界記録と日本記録の男女差を出した表です。(数値の単位は10000mまでは秒で、ハーフマラソンからは分です。)

短距離から長距離まで、世界記録も日本記録も女子の記録は男子の記録の1.1倍なのです。

この記録は才能あるアスリートが本気で練習、努力して達成したいわば人間の限界ですが、その数値が種目問わずほぼ1.1倍というのは面白いと感じました。



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