今日の日経新聞にこのような記事が掲載されていました。
東京マラソン、23年から「連続落選者枠」
参加料値上げ 都内在住者枠も導入へ
一部引用して紹介します。
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記事の中の主たる内容ではないが、年代別の基準タイムに応じた優先枠導入は待ち望んでいた制度です。
ニューヨークシティマラソンやボストンマラソンなどワールドマラソンメジャーズ(World Marathon Majors 以下 WMM)で導入している制度で、市民ランナーのモチベーションアップに繋げている制度です。
現在、大阪マラソンでも、年齢・性別の基準タイムを設けた市民アスリート枠はありますが、参加枠と基準タイムのバランスが悪く、先着順であることから、中々繋がらないなど不満の声が上がっています。
これは昨年エントリーしようとした際のものですが、久々にありえない酷さでした。
今回、東京マラソンの年齢別基準タイムによる優先枠がどのようなモノになるかは、まだ公表されていませんが、大阪マラソンのような緩い基準タイムにすると、結局は先着順や抽選になり、基準タイムが上のAさんが走れずBさんが走れるといった仕組みにはしないで欲しいと願っています。
基準タイムは厳しくなったとしても、基準タイムをクリアしている人は全員走れるような仕組みにするのか、ボストンマラソンのように自分のタイムが基準タイム(BQ)を大きく上回っている人からエントリーが開始して、定員になったら終了という仕組みのどちらかを希望します。東京マラソンもWMM大会であるからそのような仕組みを検討していると思われます。
参考までにニューヨークシティマラソンやボストンマラソンの基準タイムを掲載します。また対象大会などの規定などいろいろあるようですので、そのタイムを出していれば、これらの大会を走れるわけではありません。このような目安があるくらいに考えてください。
ニューヨークシティマラソン
男子
18-34 2:53:00
35-39 2:55:00
40-44 2:58:00
45-49 3:05:00
50-54 3:14:00
55-60 3:23:00
60-64 3:34:00
65-69 3:45:00
70-74 4:10:00
75-79 4:30:00
80+ 4:55:00
女子
18-34 3:13:00
35-39 3:15:00
40-44 3:26:00
45-49 3:38:00
50-54 3:51:00
55-60 4:10:00
60-64 4:27:00
65-69 4:50:00
70-74 5:30:00
75-79 6:00:00
80+ 6:35:00
*ハーフマラソンによる資格もあり
ボストンマラソン
男子
18-34 3:00:00
35-39 3:05:00
40-44 3:10:00
45-49 3:20:00
50-54 3:25:00
55-60 3:35:00
60-64 3:50:00
65-69 4:05:00
70-74 4:20:00
75-79 4:35:00
80+ 4:50:00
女子
18-34 3:30:00
35-39 3:35:00
40-44 3:40:00
45-49 3:50:00
50-54 3:55:00
55-60 4:05:00
60-64 4:20:00
65-69 4:35:00
70-74 4:50:00
75-79 5:05:00
80+ 5:20:00
ボストンマラソンに関しては、このタイムをBQと呼び、BQより20分以上余裕のあるランナーからエントリーが始まります。定員に達したらBQをクリアしても参加できません。
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東京マラソンがどのくらいの基準タイムを設定するかを考えるときに重要な要素になるのは、どのくらいの人数を想定しているかです。
2018年東京マラソン参加者の内訳はおおよそこのような感じでした。
- 一般抽選 26,370人
- プレミアムメンバー先行 3,000人
- チャリティランナー 4,000人
- 準エリート 2,000人
- エリート 100人
合わせて35,500人前後です。定員を増やせないなら、この内訳を変える以外方法はありません。私の勝手な思いですが、イメージするために書いてみました。
- エリート 100人
- 準エリート→縮小して各県陸協からの推薦500人
- チャリティー 5,000人
- プレミアムメンバー 3,000人
- 参加標準(東京マラソンクオリファイ→以下TQ) 7,000人
- 一般抽選(都内枠、落選者枠含む)20,000人
現実的には、TQ枠はこのくらいが限度のように感じます。
するとTQをどのくらいに設定するか?
ニューヨークやボストンを参考にしても良いのですが、アメリカと日本のランナー人口分布は同じではないのだから、例えばランナーズの年齢別ランキングの数値を利用して決めたら良いです。
まず、完走者数は37万人だとして、TQ枠を7,000人にするなら、上位2%程度です。
しかし上位2%の方が全員東京マラソンに出るわけではないので3%に設定します。
次に、年齢区分はニューヨーク、ボストンと同じにするとしたなら、34歳までと80歳以上を除いて5歳刻みになるので、例えば私の年齢区分であれば、50-54歳の5歳分の完走者数を計算して、その上位3%のタイムを仮TQとします。
その上で、逆転現象が発生していないかなど確認し、年齢が上がるごとに緩やかにTQが下がるように調整しTQを決めたら良いと思います。
例えば30歳男子5367人の上位3%は161位です。100位が2:43:25ですから多分2:45:00くらいでしょう。
40歳男子の完走者は8,598人。この上位3%は257位。100位が2:49:12なので2:55:00くらいか?
50歳男子の完走者数は9,176人。この上位3%は275位。100位は2:56:13なので3:05:00くらいか?
60歳男子の完走者数は3353人。この上位3%は100位。このタイムは3:23:22です。
70歳男子の完走者数は932人。この上位3%は27位。このタイムは3:43:01です。
同様に女子は以下の通りです。
30歳 1,543人→46位 3:23:04
40歳 2,256人→67位 3:26:20
50歳 2,501人→75位 3:35:01
60歳 694人→20位 3:38:52
70歳 129人→3位 3:53:44
女子の60歳以降は母数も少なくなっているので1歳刻みだと、速いランナーがたまたま固まっている年齢だと凄い記録になってしまいますが5歳でくくればもう少し現実的な数値になると思います。
また日本のレースでは39歳までをあまり区分することはないので、ここは一本化して多少厳しめのタイムにして、男女とも60歳を超えると完走者数は急激に減ってくるので、この年代以降の資格タイムは上位3%ではなく少しゆるくするなどしていけばある程度納得感のある基準は作れると思います。
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今回はイメージなので5歳ごとで計算はしませんが、上記の数値を元にするとこのような感じになります。
男子
18-39 2:50:00
40-44 2:55:00
45-49 3:00:00
50-54 3:05:00
55-60 3:15:00
60-64 3:25:00
65-69 3:40:00
70-74 3:55:00
75-79 4:15:00
80+ 4:30:00
女子
18-39 3:15:00
40-44 3:25:00
45-49 3:35:00
50-54 3:40:00
55-60 3:50:00
60-64 4:00:00
65-69 4:15:00
70-74 4:30:00
75-79 4:45:00
80+ 5:00:00
ニューヨークやボストンに比べ厳しい基準タイムになりますが、これは7,000人ほどの枠をイメージしたからです。もう少し枠が拡大できるのであれば、もっと緩くなるし、枠がもっと小さいのであれば、もっと厳しい基準タイムになるでしょう。
仮に3,000人程度になるなら、上記タイムより10分ほど厳しくするようなタイムになると思われます。
また、基準タイムは多少緩めにしておいて、その基準をクリアした方が申し込みをして、その方のタイムと基準タイムとの差が大きい順に一覧表にして、仮に枠が+7,000人であるなら7,000人まで参加通知を出したら良いと思います。
事務処理的には難しいことではありません。
実際、どのような仕組みになるか分かりませんが、現在は、50代以上のランナーが実力でエリート、準エリートを取るのは現実的にはかなり厳しく、抽選という運に任せるか、チャリティーで走るしかありません。
それが頑張れば実力で参加できるかもしれないという基準になれば、モチベーションがまるで変わってきます。
特に、自己ベストを更新するのが厳しくなってきたランナーであっても、TQを取り続けるのをモチベーションにすることもできますし、世代を超えて年代別表彰ではなくTQで競い合う大会ができてくるかもしれません。
新聞に1行程度書かれただけですが、今日のウルプロ練習会でもメンバーの多くが関心を寄せていました。
年齢に関わらず頑張ろうと思えるような仕組み作りは大事なことだと思います。
それが、日本陸連などが現在構想を発表したランナー人口を増やすために必要だと思います。
*その他の計算などした結果や、追加情報などはこちらに追記していきます。