5月5日 AFPは2005年以前に樹立された陸上競技の世界記録を抹消するという提案についてこのように報じています。全文は上のリンクをお読みください。
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とありますが、私は当然だと思います。
欧州陸上競技連盟のこの提案は、相次ぐドーピング発覚により世界記録が抹消されている事態が背景にあるのは分かりますが、アスリートにとって自身の記録は血と汗の結晶であり財産です。
不正をした記録なら抹消すべきでしょうが、不正でない記録を一律抹消するというのはかなり乱暴です。
和訳すると、ひきょうという言葉になるのでしょうが、日本人からすると少し違う言葉の方がピンとくるような気がします。
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今回は世界記録について議論がなされていますが、これが施行されたらしい日本記録にも影響が出るかもしれません。
2005年以前に出された日本記録はたくさんありますが、これらが全て日本記録でなくなったならどうでしょう。
例えばこのような記録が2005年以前の日本記録です。
男子
100m 伊東浩司 10秒00 1998年
200m 末續慎吾 20秒03 2003年
400m 高野 進 44秒78 1991年
1500m 小林史和 3分37秒42 2004年
110mハードル 谷川聡 13秒39 2004年
400mハードル 為末大 47秒89 2001年
3000mSC 岩水嘉孝 8分18秒93 2003年
マラソン 高岡寿成 2時間06分16秒 2002年
フィールド競技に至っては、ハンマー投げの室伏選手の記録や、棒高跳、走幅跳、三段跳、円盤投、やり投は2005年以前でそれ以降の記録は走高跳と砲丸投くらいです。
女子も福士選手の5000mや、野口選手のマラソンを含めて非常に多くの日本記録は2005年以前です。
これらを白紙化するって議論が出たらどうでしょう?
世界記録が白紙化されるのに日本記録は白紙化しないというのはおかしな話です。
また、砂田さんの100km世界記録だって2005年以前です。
延々と作り上げてきた歴史をオールクリアにする提案だと私は思います。
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もう少し身近な話に置き換えると、こんな例えはいかがでしょう。
資産家・富裕層には脱税した人、不正した人が多いと、ある国家が国民の資産について、2005年以前に蓄えた資産を一律没収する。
と決めたらどうでしょう??
かなりの暴挙だと思います。
トップアスリートとして全てを注ぎ込んできた選手にとっては、そのくらいの重みのあることだと私は感じます。
この世界記録白紙案は8月に開催されるIAAFの理事会に提出される予定で、最終決定が下される時期は未定となっています。