IAU100キロ世界選手権ラップタイムから考察 その2

IAU100キロ世界選手権ラップタイムから考察 その1

から続く

 

IAU100キロ世界選手権女子団体優勝!で紹介しましたが、女子4人のゴールタイムは100キロも走ったのに非常に僅差でした。

 

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その4人の10キロごとラップについて大会ホームページ掲載のリザルトの数値をもとに見てみます。

iau1

女子

2016iau100kw

その1で書きましたが、キロ5で走ると8時間20分です。

私のベストタイムは8時間26分と平均キロ5を数秒超えています。8時間を切るには5キロ24分、キロ4’48で走らねばなりません。

今回の女子日本代表の4人の平均ペースはほぼキロ4’40です。

10キロごとラップを見てお分かりになると思いますが、集団走をしているわけではないのです。集団走であれば4人のラップが同じようになるはずです。ただ望月選手らが話していましたが、ほぼサンライズレッドのユニフォームが見える位置で走っていたとのことです。

日本代表合宿で一緒に練習し、団体金メダルを取ろうと誓い合ったメンバ−4人がそれぞれの走りを見ながら走っていたのです。

しかし男子4人のラップと比較すると上げ下げが非常に小さい安定したラップです。

パッと見て45分、46分という数字がたくさん目に入るでしょう。

また4人合わせて、10キロラップは40回ありますが、50分を超えたのは3回だけです。一番遅いラップは50’47なのです。逆に44分台は2回しかありません。それもほぼ45分です。

4人の選手が見えない紐で繋がっているように感じました。

金メダルおめでとうございます!!

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今回の、代表選手の結果もそうですが、一般に男性より女性の方が持久力が高く後半の落ち込みが小さいと言われています。それは本当に正しいのかと疑問を持った私は2015年サロマ湖ウルトラマラソンの全出走者データを分析したところ、その通りの結果がでました。

その点については今回は触れませんが、皆さんの周りをみても、フルマラソンのタイムが同じような男女がいれば、ハーフは男性の方が速いでしょう。また100キロのタイムが同じような男女がいれば、フルマラソンは男性の方が速いケースが大半だと思います。

もちろんそれらの数値は平均なので、すべての方が当てはまるわけではありません。

大事なことは、自分自身はどのようなタイプなのかを知り、そのタイプにあった走りをすることが一番ストレスなく効率的に走るのに必要な事だということです。

11月26日と28日に開催した

ウルトラセミナー  〜チャレンジ富士五湖セミナー

でも、そのことはお伝えしました。平均値や、一般的な数値を把握することは大事なことです。ただそこで終わらずに、自分自身は平均より後半型だから、もしくは後半弱いからとレースプランを組み立てることが大事なのです。

12月27日に同様のセミナーを開催します。また、別途野辺山ウルトラ対策セミナーも開催しますので参加希望の方はご連絡ください。

11月のセミナーには8時間切り寸前のランナーや、ウルトラマラソンで総合入賞している女性ランナーから、初めて100キロを走るランナー、制限時間内完走を目指すランナーまで走力も経験も様々な参加者が集まりましたが、皆さんセミナーの内容をしっかり掴んでいただきました。

それは、すべて自分ごととして考えてもらったからです。自分はどのくらいで走れるのか、どのようなペースで走ったら良いのかを計算してもらったのです。より具体的にコースをイメージし、どのように走れば良いか考えていけば、いろいろ気づいてきます。

100キロマラソンに初めてチャレンジする参加者は、

どんなことが分からないかが分からない状態です。

とセミナー前に話していました。

それがセミナー中に、いろいろ理解できてくると、今まで考えてもいなかった様々な疑問が浮かんできたようです。そのような状態になることが大事なのです。

分からないことが分かる。

自分ができていないことが分かる。

まず、そのスタート地点に立つことです。

100キロマラソンにエントリーしたけど、どう走れば良いか、どんな練習をすれば良いか全く分からないけど、なんとかなる。結局最後は根性だから。と、なんの準備もしなければレース中にしっかり準備をしておけばよかったと後悔するでしょう。もしくは努力もしていないから悔しいとも思わないかもしれません。

根性や精神力、自分に負けない気持ちなどはもちろん必要ですが、それはしっかり準備してレースに挑むことが前提です。なんの準備もしないで半分も行かないうちにボロボロになり絶望的な状況に歯を食いしばり脚をひきづりながらゴールを目指すのと、半分くらいまでは笑顔で周囲の応援にこたえたり、綺麗な景色を見ながら軽快に走り、そこから徐々にきつくなるのだったりどちらがよいですか?

また、終盤のキツイ時に踏ん張れるかどうかは、結局そのレースのためにどれだけ準備をし、その目標達成のために努力をしたかです。ほとんど努力をしていなければ早く諦めます。

せっかく走るのですから、しっかり準備をして自分の力を試し、自分の可能性を広げたら楽しいと思います。


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