自己ベストを出し続けるために必要なこと②〜要因を分解する〜

上の記事は1月末に書きましたが、今回はその続きです。

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今回は自己ベストを出すための要因を分解してみました。レース後に漠然と練習不足だったとか、暑くて失速したでは繰り返してしまうからです。

これから書くことは私の考え方ですが、可能な限り客観的に書きます。

『内的要因』『外的要因』『固定要因』『変動要因』

自己ベストを出す条件を分解すると、『内的要因』と『外的要因』があり、それぞれに『固定要因』と『変動要因』があります。

内的要因・・・自分自身でコントロール出来ること

外的要因・・・自分自身ではコントロール出来ないこと

(*もちろんその間もあります。)

そして、固定要因と変動要因は1年など長期的観点と、レース直前など短期的観点でも変わってきます。

例えばレース1週間前であれば

  • 内的要因・固定要因→走力
  • 内的要因・変動要因→心身の状態、レース運び
  • 外的要因・固定要因→コース
  • 外的要因・変動要因→気象条件、突発的アクシデント

そして長期的に見ると、走力は固定要因ではなく変動要因になります。

また、走力を決める要因のうち心肺能力や筋力などは1週間では変わりませんが、前に進むのを阻害するようなフォームだったのならそこを改善することで、その瞬間からランニングエコノミーは変わることもあります。

これら要因から大会当日のタイムは以下のような計算式で決まると私は考えています。

走力(内的・固定)×心身の状態(内的・変動)×気象条件(外的・変動)×コース(外的・固定)× レース運び(内的・変動)×突発的アクシデント(主に外的・変動)

このように考えると、自己ベストを出すためには、『走力』を高めて、記録が出やすい『コース』を選んでエントリーする。その上で大会当日に向けて『心身の状態』を整える。そこまでは自分次第です。

そこまで完璧に揃えたとしても、『気象条件』が悪ければ自己ベストを出すことは難しくなります。気象条件は変えようもありませんが、その影響を可能な限り小さくすることで阻害要因を減らすことはできます。

走力を高めるために練習して、タイムを出しやすいコースにエントリーして、心身の状態を整えて、最高の気象条件になったとしても、周りのランナーと接触・転倒したら自己ベストは難しくなるし、そもそも大会が中止になれば自己ベストを出すことはできません。

大会中止はランナーにとってはコントロールできないことですが、大会が開催されることを信じて走力を高め、コンディションを整えることができるかどうかは、今のご時世では大事なことです。

できない。やらない。理由なんていくらでもあります。

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また、上記計算式に書いた要因がすべてプラスに働いた時に出した自己ベストをその後更新するのはかなり難しくなります。

身体のコンディションがよく、絶好の気象コンディションの中で、タイムを出しやすいコースを、完璧と思えるようなレース運びをして出したタイムを、気象コンディションが良くない時に破るには、ベースになる走力を高める以外ありません。

私の場合は中距離からフルマラソンまでは自己ベスト更新が続いているし、今の走力が変わらなくても、まだ伸ばせる余地は残っています。

なぜなら気象コンディションが悪い時に出した自己ベストもありますし、体調がイマイチの時に出した自己ベストもあるからです。

ただ、2015年サロマ湖ウルトラマラソンで出した100kmPB(8時間26分)はそれらが揃ったタイムであり、その後サロマ湖を4回走りましたが更新できていません。

多少気象コンディションが悪くても自己ベストを更新するには、自分でコントロールできる走力の底上げが必要になってきます。そのため短い距離から積み上げているのです。

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この記事を書いた一番の理由

今回、この記事を書いた一番の理由は、自己ベストを目指し頑張って練習し、力がついている実感はあるのに、東京マラソンや名古屋ウィメンズマラソンで思うような結果にならずガッカリしている方々に読んで欲しいと思ったからです。

東京マラソンで考えると私はこんな感じでした。

  • 走力(内的・固定)→向上している
  • 心身の状態(内的・変動)→普通
  • 気象条件(外的・変動)→悪くはないが良くもない
  • コース(外的・固定)→タイムを出しやすいコースであるが、待機時間が長く、荷物を持って走るなどマイナス面があった
  • レース運び(内的・変動)→上手く走れた
  • 突発的アクシデント(主に外的・変動)→なし

それでも公認大会PB更新できたのだから、現在の走力のままでもタイムが伸ばせる余地はそれなりにあると感じてますし、ベースになる走力を高める試行錯誤は続きます。

今回、東京マラソンに向けて走力を高め、心身の状態を整えた方でも、乾燥した気象コンディションへの準備や対処ができず脚攣りなど失速に繋がった方は少なくありません。

その場合、脚攣りするのは練習が足りなかった。フォームが悪かった。終盤の失速は根性が足りなかった。と自分を責めて、無理な練習を始めたら故障リスクが高まるし、せっかく良いフォームなのに変えなければと過度に意識してリズムを崩したりするケースもあるでしょう。

今の状態でも、ただ『塩分補給補給』『エネルギー補給』を十分にしていたら自己ベストだったかもしれないのです。

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また、久々の大会だから、現時点の自分の力が分からずオーバーペースだった方もいるでしょうが、走ったことで現状把握はできたと思います。

今回東京マラソンを走ったウルプロメンバーのうち、私が把握しているだけで8人が自己ベスト(公認大会)更新しましたが、走力が高まっただけではなく、気象コンディションにうまく対処できたメンバーが多かったのも理由です。

来シーズンに向けての練習

大会後にこのように分解して考えると、来シーズンに向けての課題が見えてきます。

例えば、ベースになるスピードは十分に足りているけど、後半脚が保たないなら、ロング走を増やしたらよいし、脚は大丈夫だったけど、前半から心拍数が高く苦しくてペースを保てなくなったならインターバル走やLT走を増やすメニューの比重を増やしたら良いでしょう。

練習できる時間は限られているし、練習できる時間はあっても、やりたい練習を全てやったらオーバートレーニングのリスクも生じます。練習量を増やすなら、従来以上に身体のメンテナンスに時間をかける必要があります。

それらから現実的に全体の練習量を変えることができないのであれば、苦手な練習を増やすことで変化は出てきます。大半の方にとって好きな練習は得意な練習ですからそこに伸び代は少ないけど、嫌いな練習はそもそもあまりやっていないのだから伸び代はたっぷりあります。

自己ベスト出ているならフォームは変えない

また、フォームに関しては自己ベストが出ているなら、変えようと思わない方が良いです。さらに良くしていこうと思って、細かい部分にまで意識しがちになると、フォームがおかしくなってしまう方もいます。

フォームは、部分最適ではなく全体最適を目指しましょう。

そして、フォームは気付かぬうちに徐々に崩れていくので、動画撮影で客観的に自分がどう走っているのかを把握したり、コーチからアドバイスを受けるなど微調整ですむうちに修正していくことをオススメします。

一人一人骨格や筋肉量なども異なるので、このフォームにしなければならないなんてフォームはありません。

私が練習会やパーソナルレッスンでフォームを見るときのポイントは、地面に力が伝わっているかどうか。努力度とペースの関係。滑らかに動けているかなどです。そこに違和感があれば、それはどの動きが問題なのか?なぜそのような動きをしているのか?など考察・予測し、それを会話をすることで確認し原因を探ります。

また、自己ベストが出せなくなった理由が身体の痛みにあるなら、なぜ痛みが出るのかを考えたり、信頼できるスポーツマッサージのトレーナーや、コーチからアドバイスを受けて身体の使い方に問題があるかどうか把握するのがスタートです。原因が分かれば前に進めます。スポーツマッサージなどで身体を整え、フォーム改善をすることで痛みが出にくい動かし方を身につけていく。

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大会後は要注意

大会後には課題がいろいろ見えてきますから、すぐに負荷の高い練習などしがちですが、フルマラソンは高負荷なトレーニングですから、走ったあと筋肉を休めることで超回復していくのに、そのタイミングで負荷をかけ過ぎたら消耗するだけです。また内臓疲労などにより体調不良になるケースも多々あります。次のレースに繋げたいなら休むこともトレーニングです。故障しがちな方は、このリカバリーが足りないのです。

年齢によっても変わる

以前はこのくらいの疲労度であれば、リカバリーはこのくらいの期間で回復できたとしても、年齢を重ねるごとに回復が少しづつ遅くなってきます。例えば以前はレース2週間前に30km走をするとちょうど良い状態に仕上がったとしても、今では3週間は必要になっているかもしれません。もし今回レース当日に疲労が抜けていないと感じたのであれば従来までの自分の感覚と変わってきているということです。

また、ランニングフォームにしても、以前は大きく全身を大きく使って走れていたとしても、筋力が落ちてくれば、同じようなフォームでは走れなくなってきます。そのためには筋トレが必要になってきますし、フォームを見直す必要も出てきます。

その辺りの試行錯誤を楽しみながら目標達成を目指していきましょう。

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