失敗しない補給術〜オーバーナイトラン〜

今年2回のウルプロ®︎オーバナイトランを開催しましたが、夜間とは言え真夏に半日走るのだから結構大変です。ペースは遅く頻繁に休憩をとり、また距離は調整できるのですが、特に初めて走ったメンバーが戸惑うのは蒸し暑さです。

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暑いので大量の汗をかくので、水分補給も日常生活では考えられないくらいとります。結果、低ナトリウム血症など胃腸障害を起こし気持ち悪くなり、補給できずガス欠に陥り走れなくなる。本格的に気持ち悪くなってからでは中々回復しないので、そうなる前に気づき対処することが求められます。

終電がある時間帯ならまだ良いけど、終電がなくなった時間にその状態になると途方に暮れます。ですから、終電がある時間帯にちょっと無理そうなら、そこで離脱することをオススメします。もちろん走れなくなっても歩き続けることができるならメンバーと分かれて一人で行けるとこまで行くか、ターミナル駅の近くで始発を待つのも選択肢ですが、女性にはオススメできません。

気持ち悪くなる原因については以前、内科医の佐藤さんにアドバイスいただき記事にしたので合わせてお読みください。

ランニング中に”気持ち悪くなる”原因と対策

さて、その蒸し暑さの中でも気持ち悪くならないようにするために私がしていることををいくつか紹介しますが、個人差が大きいので試行錯誤するしかありません。これらは暑い時期のウルトラマラソンやジャーニーランにも言えることです。

水分を取りすぎない

大量に汗をかくわけですから水分摂取は必要ですが、意識して欲しいのは本能のまま飲まないことです。計算して1時間に○ccと目安を立ててください。私は1時間に500ccまでにしていますが、個人差が大きいので試行錯誤して自分の目安を見つけてください。その目安が掴めない時であれば少しづつ飲みましょう。コンビニが使えるオーバナイトランの場合であれば一気に500ccなど飲み干さないといけなくなる紙パックや缶のドリンクではなく、何回かに分けて飲めるペットボトルか、200cc程度のドリンクを選んでください。

塩分補給を忘れな

5、6kmに1回程度コンビニに寄っていれば、水分補給が足りなくなることは、ほぼないと思います。それより意識して欲しいのは塩分です。スポーツドリンクの塩分では全然足りないし、水やお茶などだとさらに足りなくなります。また塩飴や塩タブレットなども成分表示をみると塩分が非常に少ないものもあります。かと言って塩を直接舐めると胃が荒れることもあります。私は主に経口補水パウダーで塩分補給を行い、固形物なども塩分が多いモノを選びます。うどんやカップラーメンなど塩分の多い汁が入ったモノもオススメです。

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消化をサポートするサプリメント

また、エネルギー補給や塩分補給のために固形物を食べるのは良いのですが、そもそも暑さや疲労により胃腸の働きが悪い中で無理に食べると気持ち悪さを後押ししてしまいます。今回私だけではなく多くのメンバーが使ったのは酵素サプリメントのCAE(Catalyst Athlete Enzyme)です。

スタート前に飲んでおき、後は3、4時間に1回のタイミングで摂取すると胃に入った食物が消化吸収するのをサポートしてくれるサプリメントです。胃の働きが悪くなると消化されないまま食物が残ってしまうことも気持ち悪くなる原因の一つなので、その原因を予防する目的です。

エネルギーはこまめに摂取

長時間動き続けるにはエネルギーが必要です。胃腸の強さ(消化吸収能力)は個人差が大きく食べてすぐに走っても大丈夫な方がいる一方で、気持ち悪くなる方もいます。胃腸の強い方は、コンビニで食べたいものを食べたらよいのですが、胃腸の弱い方は消化吸収しやすい食べ物を選んで少量づつ摂取しましょう。また食べたらすぐに走らずに少し歩いてください。アスリチューン・ポケットエナジーなどエナジージェルは固形物に比べて消化吸収しやすく、すぐにエネルギーに変わります。固形物を食べると気持ち悪くなりやすい方は、飲みやすいエナジージェルを見つけてください。ポケットエナジーにはオレンジ味とグレープ味、またカフェイン入りのコーヒーゼリー味があり、どれも飲みやすいですが、私はオレンジ味をベースに、カフェインを取りたいときにはコーヒーゼリー味を飲んでいます。

体温を下げる

暑いと冷たいドリンクをたくさん飲みたくなりますが、本能のまま飲んでしまうと気持ち悪くなります。そこで冷たいドリンクで内側から身体を冷やすとともに、冷水を頭や肩、背中にかけることで体温を下げてみてください。氷を握ったり脇や首に当てることでも効果を感じますが、一気に体表面を広い範囲で冷やすには冷水がよいです。また2リットルのミネラルウォーターは100円弱で買えますが、これ1本で10人くらいの身体を冷やせるのでコスパもよいです。

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メンバーの気づき

ウルプロメンバーがしたことを何人か紹介します。

Iさん  走った翌日、内臓疲労はほぼなかった

1週間前~前日までに備えたこと。
CAE(Catalyst Athlete Enzyme)CC(Catalyst Conditioning)の摂取
→マラソン中、食べることが苦手の為(食べると気持ち悪くなるのもあります)、消化器系と普段の身体の疲れを残さない準備をしました。
・モストバスキュラ(スマッシュウオーターと同じ効果)の摂取
→人より発汗が多い方だと思います。オーバーナイトランに参加することを決めてから日常から飲み物に混ぜてました。

当日は、アスリチューン 赤3白4青2と、CAE(Catalyst Athlete Enzyme)、そして塩を持ってスタートしました。道中摂取したのは、CAE(3カプセルくらいを3回)、アスリチューン、お茶や水、レッドブル2本、バナナのエナジージェルです。
ずっと身体が火照っている状態だったので、北鎌倉駅の前後から休憩の度に水をかけて身体を冷やすようにしました。

オーバーナイトランから2日が経ち、以前との身体の状況の違いがありましたので、追記致します。
フルマラソン・ウルトラマラソンに参加した翌日は階段の上り下りがつらかったり、ダメージがそれなりにありました。
今回のオーバーナイトランは歩きもあったことを考慮しても、内臓疲労、脚の疲労ともに楽に感じています。
疲労が楽だった理由として、内臓疲労の面では脱水の予防をしたこと、CAEを数日前から当日まで摂取したことが考えられます。脚や身体の疲労が少ないのは、OTSを通じて体幹が安定してきたこと、脚の使い方、身体の使い方は練習会を通して、正しい使い方が身についてきて、負担が少ない走り方になってきているからではないかと思っています。

現在までに95回開催したウルプロ®︎OTSはこちらです。

Nさん  塩分補給を忘れていた

前回、熱中症気味になったので水分補給(スポドリ)とかぶり水を頻繁にしていましたが塩分の補給が足りておらず低ナトリウム血症のような状態になりました。飲んだ水分は2.5〜3リットル。頭痛、軽い脚攣り、激しい手のむくみなど身体に変化はあったのですが、かぶり水をしたり冷たい水分を摂ると気分が改善していたので自分ではコントロールができていると思っていました。私の体調が悪い事をメンバーの方々が気づいてくださり、新澤さんに経口補水パウダーを摂取するよう言われパウダーを摂ったら5分とたたずに頭がシャッキリとして状態が良くなりました。補給した水分量に合わせ、カリカリ梅や塩、経口補水パウダーなどで塩分を補給する重要性を身をもって知りました。
また、今まで暑い日やハードなレースの時、頭痛がしたり手がむくんだりする事が多く、その事に慣れっこになっていて、深刻に受け止めていなかった事も反省しています今まで正しい補給ができないまま走っていたため身体が緊急サインを出していたのだと思います。
これからは栄養面でも事前に調整をし快調に走れる状態を自分自身で導き出せるようにしていきたいです。途中つらくてたまりませんでしたが振り返ってみると
「また走りたい!」としか思えません。

Sさん  あっという間の23kmだった

最近10km以上走ったことがなかったので、江ノ島離脱も想定しながら参加しました。やはり一人では、この暑さの中気持ちが切れてしまいなかなか距離が伸びずにいましたが、皆と一緒に走っていると距離はあっという間、ペースがゆっくりなこともあり、余力を残して約23km、大船駅近くで途中離脱しました。最大30kmくらいの予定でおりましたので、補食はなし、アスリチューン白を7kmのところ、カフェイン入りを15kmで、スマッシュウォーター約1000ccのみ。心身ともに最後まで特に変化ありませんでした。

Aさん  夏の疲労の蓄積で苦戦したが気持ち悪さはなし

前回同様、数日前から睡眠・食事に気を付けて体調を整えて臨みましたが、今回は食欲が全く無く、最初から水分・固形物ともに余り取れませんでした。おにぎり1個、カット・パイナップル1袋、カリカリ梅数粒、チョコレート数粒。前回より涼しく感じていて発汗量が少なく、水分もおそらく1.5L程度。休憩時にトイレに行く様にして、もっと水分を取れる様にしようとしましたが、上手く行きませんでした。途中何度か眠気を感じることがあり、頭から水を掛けてもらいました。おそらくひと月続いた猛暑で、夏の疲れが思った以上に溜まっていて、代謝が上手く回らくなったのだと思います。幸い脚は全く元気で、気持ち悪いとかお腹が痛いとかは無く、70km走り切れない不安は感じていませんでした。多摩川を越えて馬込辺りで、残りの距離で身体の中のエネルギーがギリギリだなーと感じ始めました。少し走り方を変えて、体重移動だけの超省エネにし、後方から自分のペースでゆっくり走ったり歩いたりしました。今回のオーバーナイトランは、自分の身体の変化を観察し続けた12時間となり、余裕をもってのゴールとはなりませんでしたが、色々と興味深い経験になりました。

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私自身、オーバーナイトランやレースでの失敗などを経て現在に至りますが、今でも試行錯誤してます。Aさんのように前回はほぼ問題なく食べれたのに、今回は夏の疲労の蓄積から食べれなくなったというように、スタート時の体調によっても変わってきます。

その時々で、体調に応じて、今日はどのように走るか?対処するか?などを積み重ねることで、大きく体調を崩すことはなくなってきました。

特に暑い時期に長時間走る場合の補給で気をつけることは、水分補給は忘れないので、取り過ぎに気をつけ少量づつ摂取する。塩分補給はスポット摂取ではなく、摂取ポイントやタイミングを決めておく。そして気持ち悪くならないよう少量づつエネルギー補給をすること。そのために消化サポートとして酵素サプリメントを取ったり、眠気防止のためにカフェインを取ったりします。様々な効果を狙ったサプリメントはありますが、あれこれ準備すると、肝心なモノを取らなくなったりするので、絶対に必要なモノは何かを決めておき、それらは取り出しやすい場所に入れて、使うかもしれないモノは少し取り出しにくい場所に入れておいたら良いでしょう。

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