日本のマラソン復活には選手がチャレンジできるシステム変更が必要では。

マラソン日本記録にボーナス1億円から2年経過・・・。から続く

マラソン日本記録にボーナス1億円から2年経過・・・。
2015年3月30日に日本実業団陸上競技連合が、マラソンで日本新記録を出した選手に1億円の報奨金を出す制度を創設すると発表しましたが、それから2年間が経過しようとしていますが、日本記録どころか、2時間8分が壁になっています。
陸上に関しては素人の私ですが、その原因は選手の能力よりも、システムにあるような気がして仕方がありません。
私は損害保険会社に25年勤めていましたが、人事評価システムにより社員の能力やヤル気は大きく変わってくることは経験してます。この点に関しては多くの市民ランナーはご理解いただけるでしょう。

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img_4596-1.jpg東京マラソンの設楽悠太選手は日本記録を狙いに行ったのか、自分の限界を試そうと世界記録ペースで入ったのかは分かりませんが、自身のハーフマラソンの記録に近いペースで走りました。このような走りをするランナーが増えれば、世界記録は別にしても、日本記録更新や、世界との差は詰まってくると思います。日本の黄金時代の中山選手らもこのようなレース展開をして強くなって行ったと書籍に書かれていました。

また、瀬古利彦が衝撃提言「箱根駅伝に42.195KM区間導入を」について を火曜日に書きましたが、日本記録が出た際に1億5000万円(5000万円は指導者へ)を払うのは日本実業団陸上競技連合です。本気で日本マラソン界の復活に向けて施策を講じ、その決意の表れが1億5000万円なのです。

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ただ、その日本実業団陸上競技連合が主催するニューイヤー駅伝が日本マラソン復活の足枷になっていると言う方も少なからずいます。

その理由は、マラソンにチャレンジしたい才能ある若手選手が、チーム方針でニューイヤー駅伝のための練習に特化しなければならず、マラソンにチャレンジできなかったり、その会社(チーム)方針と合わずに移籍することになったという話はよく耳にします。

もちろん大半の実業団チームの最大目標はニューイヤー駅伝ですから、それに向けて一丸となり頑張るのは当然のことで、チーム方針と合わないなら我慢するか、辞めるしかありません。

今の実業団選手にしたら、『周りはなぜマラソンにチャレンジしないのか?というけど、会社方針はニューイヤー駅伝中心であり、そこでの活躍が評価に繋がる。それに反してマラソンやって駅伝で結果が出なければ、すぐに切られてしまう。そんなリスクは犯せない。』ではないでしょうか?

また、『ケニア人ランナーに付いていかずに、日本人一位を取りに行く走りを批判する方々がいるのは分かっている。自分だって勝負したい。でも今はケニア人ランナーに付いて行って潰れるより、確実に日本人一位になるのが評価されるのだから仕方がないでしょ。』かもしれません。

さらに1億円に関しても、『そりゃ、1億円は喉から手が出るほど欲しいですよ。故障したら会社は首になるし、生活の糧はいくらでも欲しい。でも現実問題ニューイヤー駅伝を第一に考えねば、チームにも迷惑がかかる。自分1人では決められないのが現実。』かもしれません。

全部私のイメージですが、間違ってはいないと思います。

今は、そのようなシステムになっているのだから仕方がないのです。
日本陸上会が、日本国民が、本気でマラソン復活を狙うなら、選手がマラソンで結果を出し、ケニア人ランナーにも付いていきたくなるようなシステムに変えなければ変わりません。

そのための一つの案として、ニューイヤー駅伝にフルマラソン区間、少なくとも30キロを超える区間を作ればどうなるでしょう?

まず、全区間合わせて100キロレースの1/3以上の区間ができる訳ですから、その結果が総合成績に多大な影響を与えるのは明白です。

そうなると各チームともこの区間を任せられるマラソンランナーの育成に乗り出すでしょう。そうなればニューイヤー駅伝のためのトレーニングがそのままマラソンの練習になります。

元旦にマラソン区間を走った選手は、その約2ヶ月後の東京マラソンやびわ湖毎日マラソンにスムーズに移行できると思います。

現在の区間距離は以下の通りです。

1区  12.3km 県庁前⇒高崎

2区 8.3km 高崎⇒公田

3区 13.6km 公田⇒伊勢崎

4区 22.0km 伊勢崎⇒太田

5区  15.8km 太田⇒桐生

6区 12.5km 桐生⇒西久保

7区 15.5km 西久保⇒県庁前

7区間・距離100kmともに変えないなら、このような区間距離にしたら中距離ランナーも走れます、

1区 12.3km 県庁前⇒高崎

2区 8.3km 高崎⇒公田

(現3区を3区、4区に分割)

3区 10.0km 公田⇒

4区  3.6km     ⇒伊勢崎

(現4区、5区を合併)

5区 37.8km 伊勢崎⇒桐生

6区 12.5km 桐生⇒西久保

7区 15.5km 西久保⇒県庁前

新5区を42.195kmにするなら、増やせば良いだけです。新4区は1500mなど中距離ランナーの見せ場になります。そこのタイム差は新5区のタイム差に比べたら微々たるものかもしれませんが、それぞれの持ち場で1秒を削り出す気持ちがあるチームが結局は勝つと思います。

また、100キロにこだわらなければ、30キロ以上の区間をもう一つ作り、インターナショナル区間を廃止したら良いと思います。私はインターナショナル区間には反対ですが、さすがに100キロのうちで40キロ前後の区間が出来て、そこをケニア人ランナーが独占してしまったら、今回目標にしている日本マラソン復活のための距離延長の意味がなくなってしまいます。2区間出来ればその課題も緩和されます。

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ニューイヤー駅伝の距離は大きく変えられない。と言うならこんなのはどうでしょう。

現在のニューイヤー駅伝はそのまま残し、同時開催で100キロ3区間のスーパー駅伝を新設して、両種目のタイム合算か順位により総合成績を作るのです。

スーパー駅伝のスタート時間は駅伝のゴール時間に合わせて早めます。(道路規制の事情に合わせれば良いでしょう。)

そして区間はこんな感じです。

1〜3区を合併

1区 34.2km 県庁前⇒伊勢崎

4〜5区を合併

2区 37.8km 伊勢崎⇒桐生

6〜7区を合併

3区 28.0km 桐生⇒県庁前

スーパー駅伝新設と同時に外国人選手の人数制限は残したとしてもインターナショナル区間は廃止。

現在の駅伝とスーパー駅伝を合わせると短い距離から、フルマラソンに近い距離になるので、現在より選手の個性や目標に添えるようなシステムになると思います。またイメージは200キロ10区間の駅伝ながら、交通規制は100キロ駅伝相当に短縮できます。

素人考えですが、実現不可能な話ではないと思います。

瀬古氏の例え話で、箱根駅伝に42.195km区間も非常に面白いと思いますが、選手に頑張れと言う前に、頑張れる仕組み作りをすべきだと思います。仕組み・システムが変われば選手の意識も練習も変わります。



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