年齢・性別を超えて競い合うためのウルプロ®︎係数を作ってみた。

トップアスリートが競い合う大会は基本男女別に走り、もちろん結果は男女別です。それは筋力など男女差が大きいからです。

マスターズ陸上は、性別・5歳刻みで競い合います。例えば私は男子50歳から54歳までの選手が競い合うM50というカテゴリーで今年走る予定でした。

なぜ年齢別カテゴリーがあるのか?それは一般に40歳、50歳と年齢が上がると筋力など落ちるからです。

市民ランナー対象のマラソン大会などには、マスターズ陸上ほど細分化はされてないけど、40代や50代といった年代別表彰制度を用意している大会は少なくありません。

なぜ、そのような表彰制度を用意するかと言えば、若い世代と一緒だと優勝や上位争いなどするのが難しくなるからです。年代別だろうが上位表彰されたらやっぱり嬉しいしモチベーションも上がります。私は2018年のさのマラソン10kmで年代別優勝しましたが嬉しかったのは言うまでもありません。

もちろん、50代でも経験を生かして20代、30代と同じ土俵でガチンコ勝負しているランナーもいますが、短い距離になればなるほど厳しくなってきます。

その意味では年代別表彰と言うのは良い仕組みだと思っています。

ただ、以前から、性別や年齢を超えて競い合う仕組みを作りたいと思っていて、そのアイデアはあったので、今回はそれを形にしてみました。

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例えば10kmレースで、以下の3人のタイムを見ると、それぞれの年齢・性別では結構速いタイムだと思いますが、あなたから見て、どれが一番難しく見えますか?

29歳男子 35分00秒

54歳男子 40分36秒

48歳女子 44分27秒

そう質問されてもよく分からないと思いますが、私が作ったウルプロ®︎係数ではこの3つのタイムは同水準のタイムになります。

上記の54歳男性のケースだと40分36秒÷1.16=35分になります。

60代ではかなり速いランナーであっても、30代の同じく速いランナーには勝てるはずがありませんが、このような係数を使うことで、カテゴリー分けをしなくても競い合うことができるのです。

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この係数はなに?どんな根拠?

ウルプロ®︎係数は適当に数字を並べたのではありません。やはりある程度の根拠は必要です。

今回どのように作ったかと言うと、年齢によりタイムがどのように変わるのか?と言う視点と、男女の差はどのくらいか?を調べたのです。

①フルマラソンの年齢別タイムを調べた

まず、月間ランナーズ付録の1歳刻みランキングの直近分ではなく、1つ前の冊子の数字を調べました。具体的には全ての年齢の上位1%のタイムを調べたのです。1万人を超える年齢がいくつかありましたが、ほぼ1万人なので、そこは100位のタイムを使用しました。なぜ上位1%にしたかというと、どの年齢であっても上位1%に入るのは大変な努力をしたランナーです。それでも30歳の上位1%と、40歳の上位1%のタイムは違います。その差は何かといえば年齢による体力の衰えなどです。各年齢の100位とかで比較してしまうと年齢によって総数が違うのでここで使うデータとしては適さない数値となってしまいます。

②年齢カテゴリー別の平均タイムを算出した

そして今回のカテゴリーである29歳までは20歳から29歳までの10のタイムの平均タイムを算出、そこからは5つのタイムの平均タイムを算出、75歳以上は79歳までの平均タイムを算出しました。20代を一括りにしたのは、20歳、21歳・・・29歳と上位1%のタイムを見ると凸凹があるのと大きな差はないので一緒にしました。

③男子29才以下のタイムと比較した

この作業を男女それぞれ行った後に、各年齢区分のタイムを男子29歳以下のタイムと比較して何倍になっているのかを確認しました。

④男女差の係数を検証し修正した。

本来はここまでで良いのですが、以前作った男女差は1.1倍という数値になっているのかを検証してみました。

*上記画像は2019年に作成したものなので10000mやハーフマラソンの記録は変わっていますが比率が大きく崩れることはありません。

この記事は、短距離も長距離も、世界記録や日本記録を調べると男女差はほぼ1.1倍だという考察です。

検証すると、フルマラソン完走者数が少ない年代に1.15倍を超える男女差があったので係数を微調整しました。

⑤高齢者の係数を少し緩めた

また、70歳以上になるとフルマラソンを走るランナー自体が少なくなります。その年代でフルマラソンを完走するランナーは、他の年代と比較すると初心者はほぼいなくなるので、その数値に基づいて係数を出すと若い年代と比較して相対的に厳しい係数になってしまうので、係数を高めるように少し調整しました。

先程の例だと、男子70歳の50分05秒が29歳男子の35分と同水準となります。ちなみにM70の10km日本記録は40分34秒です。

私のページの読者の方の年代は40代から60代で9割以上になりますが、その年代の方にとっては違和感のない係数だと思います。

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過去の自分に挑んで欲しい

今回、このウルプロ®︎係数を使ったバーチャル大会を開催しますが、周りのランナーと競い合うだけではなく、過去の自分に挑んで欲しいのです。

若い頃から走っているランナー、特に学生時代に陸上競技をしていた方が、40歳、50歳になってから自己ベストを更新することは現実味がないと思います。そのようなランナーは、若い頃に出した自己ベストにウルプロ®︎係数をかけて、そのタイムを目指してみたらいかがでしょう。

例えば自己ベストが20代の頃10km30分だったとして、現在45歳男子なら33分54秒、50歳男子なら34分48秒です。55歳男子なら36分18秒です。

逆に55歳の方が36分台を出すことが出来れば、34歳以下の30分台の選手と同水準となるのです。

まずはバーチャルの10kmレース

今回はバーチャルで10kmレースを開催しますが、近い将来、実際の大会と、バーチャルの大会を組み合わせた大会や、他の距離も開催したいと考えていますが、まずは継続して開催できるように、参加者目線に立った大会にしていきます。

コロナ禍で、私自身バーチャルレースをしたことありますが、その大会は、私が使っているSUUNTOでは計測できないので専用アプリを使って計測しましたが、ちゃんと動いているかなど不安でしたし、距離も違ったりして気持ち良いものではありませんでした。特定のアプリや時計を使わなくても参加できるのが一番ストレスがありません。

走り出すキッカケにして欲しい

そして、目標がない10kmレースはダラダラになりかねませんので、どのような目標設定をするかなど含めて、参加者向けにアドバイスしていこうと思ってます。またレース前にはどのようなサプリメントをとると効果を感じやすいかなど専門家にオンラインレッスンでアドバイスをしてもらう場を作る予定です。

コロナ禍で走る習慣がなくなってしまい、走りだすキッカケを失ってしまった方は、まずは今回走ってみて現在の自分自身の力を客観的に把握する。そして、そのタイムを基準にして、次回はそのタイムより速く走るにはどうしたら試行錯誤していく。それを繰り返すと少しづつ走れるようになって行くでしょう。

また、大会があれば大会を利用しても良いし、仲間との練習で10km走ってもいいし、もちろん一人で決めた目標タイム目指して走っても良いです。そのような走り方全てに対応できるような仕組みにします。

走り始めるキッカケを求めていたランナーが、これを機会に走り始め、走ることの楽しさや苦しさなどを感じてくれたらよいと思ってます。

明後日には、詳細発表とエントリーができるようにします。

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