ウルトラプロジェクトメンバー 野辺山ウルトラ100kmも完走  〜レース前に暑さ対策したから周りが話すほど暑くはなかった〜 その1

今年のチャレンジ富士五湖118kmで、ウルトラマラソンデビューを飾ったKさんは野辺山ウルトラ100kmを12時間15分台の好タイムで完走しました。

Kさんは今年1月にウルトラプロジェクトに入会した時は、フルマラソン3時間41分38秒でしたが、東京マラソンで目標にしていた3時間20分切りを達成するなど伸び盛りのランナーです。

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今回、Kさんを取り上げたのは、ゴール後にこんな発言があったからです。

『レース前に暑さ対策したから、周りが話すほど暑くはなかった。』

Kさんにどのような準備をして、どのように走ったかをインタビューしました。

■なぜ野辺山に出ようと思ったか?

・ウルトラマラソンの中でも、屈指の難コースを言われているので、そこをクリアして強さと自信を手に入れたかった。
・6月のサロマ湖で良い結果を出すためにも、同じ100キロの経験を積んでおきたかった。

■レース前にどのような準備をしましたか?

<数週間前>

腸脛靱帯を痛めていたので、ケガのケア(ケッズトレーナー)

実際の野辺山のレースの映像を見る

仮想・野辺山を意識した峠走

砂利道に対応できるシューズ探し

練習よりも疲労抜き

 

→Kさんは入会時より頑張って力を付けてきましたが、チャレンジ富士五湖完走後も十分な疲労抜きをせず、負荷をかけた練習を続けたことから故障寸前になりました。悪化しないうちにケッズトレーナーでしっかりケアしたことが今回の結果に結びつきました。またケアの重要性を肌身で感じたことは今後にも繋がります。

<数日〜前日>

日焼け止め対策(アグレッシブデザイン)

体内に水をためる(スマッシュウオーターでウオーターローディング)

当日の天気に関する情報収集

 

→今年の野辺山ウルトラは暑かったから完走できなくても仕方がない。とは私自身そう思います。ただ、天気予報に反して急に暑くなったわけではなく、昨年より厳しいレースになるのは分かっていたのですから準備をしたかどうかで結果は大きく変わったと思います。特に日焼け対策はレース前に水や汗に落ちない日焼け止めを首筋やウエアの下の肩や背中に塗るだけでも全く変わります。

■どのくらいで走れると思いましたか?

事前の野辺山のセミナーに出た際には11時間を切れる持ちタイムでしたが、今回はレース当日の気温が27℃を超えること・野辺山に向けた練習をあまり積むことができなかったことを鑑みて、12時間を一つの目安に置いていました。後は、富士五湖で118キロ走った際の完走者上位25%以内だったので、今回は上位20%ぐらいを達成できれば良いぐらいの目標を設定していました。

→Kさんは上位20%どころか、男子100Kの出走者1,958人中286位の上位14.6%で完走しました。

■気温がかなり上がると知ってから対策を考えましたか?それとも前もって考えていましたか?それはどのような対策ですか?

3日前から天気予報で大会当日が27℃という情報が入ってきていましたので、事前準備として「水分を身体にためる」ことを行いました。2日前から500mlのペットボトルの水にスマッシュウォーターを入れて、1日2本を飲んでいました。レース当日は宿泊施設からバスで移動だったので、会場に到着する間もとにかく水分を取ることを心がけてました。

→スマッシュウオーターの使用感については スカイランナー星野和昭選手に『凌駕スマッシュウォーターの使い方』を聞いた。 をご参照ください。

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■レース展開はどのような感じでしたか?

<スタート〜42km>

10キロ過ぎから、高度が高い影響か、心拍が上がり、呼吸が異様に苦しくなってきたので、登りは積極的に歩くことを選択。

あと、砂利道には相当苦戦しました。事前から分かっていたことですが、走ってみると砂利道より小岩道な感覚。呼吸を整えることと、砂利道への対応として足下をしっかりとみながら走ることを同時にしなければならなかったので、対応が難しかったです。更には、下りは登りより大きな岩が転がっており、何度もつまづきそうになりました。片足が着いた時にバランスを崩すこともしばしば。すいすいと走る方も周りにいましたが、レース全体を考えて、まだまだ無理をする場所ではなく、転ばないこと・足を挫かないことを最優先として、慎重に下っていきました。

登りは積極的に歩くことを決めて愚直に実行していたので、37キロ過ぎの下りは久々に走れる爽快感を感じながら、気持ち良く走ることができました。あっという間に、42キロのドロップバック地点に到着。正確は時間は覚えていませんが、到着タイムは4時間20分ぐらいだと思うので、暑い中のレースの割には順調かなと思いました。

<42km〜71km>

59キロの折り返し地点までに向かう道が、時間的に10時頃となり、日差しが厳しく、気温があがり、レース全体でも一番苦しい時間でした。喉だけでなく、身体全体が水を欲している感覚になりました。疲労感を感じるコース・時間ではありましたが、先を走る方ともすれ違う場所でもあるので、同じチームウェアを着たメンバーを見た時は不思議と力がわいてきました。コース全体で見た時には比較的フラットな区間なので、短い距離でも登りは歩き、下りは走るというリズムを守り、2箇所目のドロップバック地点である71キロまで何とか辿り着くことを考えていました。振り返りをしながらも、あまり覚えていないのは暑さの影響かなと思います。

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<71km〜フィニッシュ>

71キロで新澤さんからエールをもらい、エネルギーチャージをして再出発。すぐに坂だったので、これが馬越峠の入り口かぁと思っていたのですが、それは勘違いで馬越峠に行く坂道でした。馬越峠に入る道を曲がった時には「これを登っていくのか」と思わず絶句。最初から歩くことは決めていたのですが、想像以上に傾度がすごく、どこまで登るのか不安でいっぱいでした。4キロを登るだけにも関わらず、先が見えない不安と、この後一気に下る不安を感じていました。

更には、天気予報通りにパラパラ雨から本格的な雨が降り出して、これから馬越峠を登る人たちは大変だろうなぁと思いつつ、坂を下っていました。坂を下るには、雨は好都合でした。下った先にあるエイドで、足の強い痛みを感じながらも、下手にダラダラ歩くより、キロ6分30〜7分ぐらいでジョグする方が良いという富士五湖の経験則を実行。

何とか、89キロ地点まで下りが終わり、残り11キロの最後の登りにさしかかります。この時には残り全部を歩いても余裕でゴールできると分かっていたので、気持ち的にはだいぶラクでした。89キロ過ぎの坂道では、初参加のランナーや何度も野辺山を走っている方とおしゃべりをして歩いていたら、きつい箇所は無事クリア。おしゃべりをする中で、残り5キロのコースを教えていただきたので、最後は走ってゴールしようと思い、久々に上り坂を走りました。

残り3キロ地点からはフラットという情報に基づき、ラストスパートを開始。この時点で12時間切りは無理だったので、上位20%に入るために、1人でも多くの方に「ファイトです」「頑張りましょう」と声をかけながら、抜いていきました。最後の3キロで20人ぐらい追い抜くことが出来たのは、走っていて気持ち良かったです。フィニッシュ時には「どんなポーズでゴールしよう?」と無駄なこと考えつつ、「富士五湖はガッツポーズだったので、今回は万歳ポースでゴールしょう」と考えていたら、あっという間にゴールでした。

 





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