これは、私が7年くらい前から使っているキーホルダーです。
<スポンサーリンク>どんなキーホルダーなのかを説明する前に、私がランニングを始めた頃のことを書きます。
私は2007年4月の41歳になる直前に初めてフルマラソンを走りました。そのフルマラソンを走る前の1年半に10km2回とハーフマラソン1回走りました。
10kmが思った以上に走れたので、その日にハーフマラソンをエントリーしました。
そして、ハーフマラソンが思った以上に走れたので、その日にフルマラソンをエントリーしました。
そして、フルマラソンは5時間の制限時間直前にボロボロになってゴールしました。
ランニングに関する知識がほぼない中でエントリーしたので、次から次へと襲ってくるトラブルに対処する術がなく、ハーフ過ぎた辺りで収容車に一瞬乗ろうと思ったけど、まだ時間があるから行けるところまでいこうと、その時出来ることを必死に考え試行錯誤しました。
しかし、試行錯誤しようにも知識という引き出しがほぼないので、自らの身体で感じたことを糧にして、学びながらすすめていくしかありません。
両脚が攣り、歩くことは出来るけど、歩いていたら制限時間に間に合わない。走ると脚が攣って前に崩れ落ちるから歩くしかない。もう詰んでいると思うも、何か起死回生の一手がないかと何度も何度も転びながらも完走を諦めなかった。そして転ぶことで、攣る寸前の身体の反応・サインに気付き、その時止まれば脚が攣らないことを発見しました。この発見は嬉しかったです。これならギリギリ間に合いそうとそこからは走ったり歩いたりしつつ、ギリギリゴールに辿り着いたのです。
ゴールゲートに続く道にはたくさんの方々が並び応援してくれましたが、それが自分には辛かった。こんなボロボロの自分が情けない。自分はもっと速くにゴールできる力があるはずだ。なんて思っていたのでしょう。ただ、さまざまな苦境でも諦めずにゴールを目指して、ここまできた自分が誇らしくも感じていた。さまざまな感情から涙が出てきたけど、ビリに近いのに大の大人が泣いたらカッコ悪いと帽子を目深に被り直したことを今でも覚えています。
後半さまざまな試行錯誤する中で、全く知識を持ち合わせていなかったこと、そのための準備を全くしてこなかったことが悔しかった。
逆に、自分ってこんなに諦め悪かった?なんて自分の違った一面を知ることができた初フルでした。
先月走った川の道フットレース251kmのようなレースでもさまざまなトラブルが襲ってくるが、そんな時でも止まらずに歩き続ければ完走できる。初フルの時は歩いていたら間に合わなかったのだから、それと比べたらある意味楽だと思い、諦めません。その意味では初フルで経験したことは、その後のレースに繋がっています。
<スポンサーリンク>その初フルから14年経ち、200kmを超えるウルトラマラソンや、UTMFなど100マイルレース、フルマラソン、100kmレースなどさまざまなレースを走りましたが、1回だけリタイアしました。
それは2015年9月のスパルタスロンです。
リタイアした時は、今まで積み上げてきた自信が一気に崩れていくのを感じました。それまでも完走ができなくなるようなトラブルに見舞われたレースは何度もありましたが、その都度乗り越えてきたのに、ここで、「スタートしたらゴールする」自分のスタイルが途切れてしまうのかと思ったら悔しくて仕方がなかった。
そして、バスでゴール地点のスパルタの街のホテルに運ばれ、そこで寝ている時もいろいろ考えていた。その時から帰国するまでに記憶にあることを忘れぬうちに書き留めておいたのをまとめたのがこちらの記事です。
<スポンサーリンク>何が原因で思うように走れなかったのか?どんなトラブルがあったのか?何が足りなかったのか?など可能な限り、客観視して書きました。
リタイアしたのは、根性がなかった。練習が足りなかった。で終わらせては、完走出来なかった本質を掴めないまま終わってしまい、せっかくの成長のチャンスを失います。
ただ、この時は、そんなことは考えて書いたわけではなく、なぜ、こんな展開になったのだろうか?不思議で仕方がなかったのです。立て直そうとしても、悪い方へ悪い方へと引っ張りこまれてしまう。
その時、自分に起きたことを客観的しようと書いたことが、その後の自分の成長に繋がっているのです。
だから、私にとってスパルタスロンのリタイアは悔しい出来事ではあったけど、嫌な思い出ではありません。
冒頭のキーホルダーは、そのスパルタスロンの会場で販売していた公式グッズです。
スパルタスロンの悔しさを忘れないため、またチャレンジする時のために持っているのではなく、自分自身の成長のキッカケになった時のモノだから外出時に持ち歩いているのです。
初フルは苦しみながらも完走したことで色々学んだ。スパルタスロンはリタイアしたことで色々学んだ。何とかしようと試行錯誤すれば結果はどうあれ色々掴めることを走ることで学んだのです。
このキーホルダーを掴むたび無意識にそのようなことをインプットしているのかもしれません。