ランニングシューズの高反発化について思うこと   その2

 

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今回の2時間00分25秒にしても、今回のプロジェクトで、シューズだけを変更し、アスリートは従来から履き慣れたNIKEのシューズで走ったとしたらどんな結果になったでしょう?

もしかしたらサブ2出来たかもしれませんし、それは分かりませんから、ここでは、トップアスリートにも、市民ランナーにも非常に効果のある構造だとして話を進めます。

その前提で危惧すべきことがあります。

それは各メーカーの高反発化競争です。

今回発売するNIKE製品が注目を浴びて売れれば、他のメーカーも黙っているはずはなく、もっと高反発で速く走れるシューズを市場に出していくでしょう。

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そこで、ルールはどうなっているか?を見てみます。

シューズの反発力に関しての規則は、日本陸上競技連盟競技規則/第二部 競技会一般規則 第143条 にこのように定められています。これは国際陸連規則に準拠した内容です。抜粋します。

競技用靴

2. 競技者は、裸足でも、また片足あるいは両足に靴を履いて競技をしてもよい。競技の時靴を履く目的は、足の保護安定とグランドをしっかり踏みつけるためである。しかしながら、そのような靴は、使用者に不正な利益を与えるようないかなる技術的結合も含めて、競技者に不正な付加的助力を与えるものであってはならない。足の甲の上の部分を絞める構造の靴は使ってもよい。

〔国際〕 全てのタイプの競技用靴は、IAAF によって承認されたものでなければならない。

靴底と踵

5. 靴底または踵には、うね、ぎざぎざ、突起物などがあってもよいが、これらは、靴底本体と同一もしくは類似の材料で作られている場合に限る。
走高跳と走幅跳における靴底の厚さは 13 mm以内、走高跳の踵 は 19 mm以内でなければならない。その他の種目における靴底と踵はどのような厚さでもさしつかえない。

〔注意〕 靴底と踵の厚さは、靴の内部にある靴底の最上部と靴の外部にある靴底の最下部で計測され、これには前述の構造、または取り外し可能な中敷も含まれる。

競技用靴への仕掛け

6. 競技者は、靴の内側、外側を問わず、靴底の規定の厚さを増すような効果があったり、前項で述べたタイプの靴からは得られない利益を与えたりするような仕掛けをしてはならない。

 

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結局は、『競技者に不正な付加的助力を与えるものであってはならない』とは何か?  に行きつくと思います。

普通に考えれば、素足で走る以上に反発するシューズは付加的助力だと言えるでしょう。ただそこに不正なと書かれている理由は、『足の保護安定とグランドをしっかり踏みつけるため』に設計された結果、一定の反発は仕方がないということでしょう。

逆に足の保護安定やグラウンドをしっかり踏みつけるために必要な機能を超えた反発力をうむ構造は認めない。と読み取れます。

『全てのタイプの競技用靴は、IAAF によって承認されたものでなければならない。』とありますが、これだけ発売しているランニングシューズに対して一点一点申請の受付をして、検査をして承認をしているとは思えませんが実際はどうなのかは私は知りません。

また、この規則からすると、アウトかセーフかは最終的にIAAFが判断するのでしょう。

今でも、反発プレートを使ったシューズはたくさんありますが、あまりにも反発力競争が進めば、反発係数を規制するような動きは出てくると思います。

この記事を書きながら感じるのは、2008年のゴルフクラブ 高反発ドライバー規制です。



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