トラックレースで厚底シューズが使えなくなる

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コロナ禍前の時期にランナー以外の一般の方含めて話題になったのが、ナイキをターゲットにしたであろう厚底カーボンシューズの規制でした。何も知らないコメンテーターが厚底についてあれやこれや好き勝手なことを言っていた。

このテレビ報道などを見てイライラしたランナーは少なくないと思うけど、ずっと好き勝手なことを煽り続けているコロナ報道に対して感染症や医療の専門家の方々も同じような気持ちかもしれません。

コロナ報道は人の生死や人生にかかわることなので、この報道姿勢はなんとかして欲しい。こちらはダイヤモンドの記事で、数ヶ月前から自分で情報をとりに行けば得られる目新しい内容ではありませんが、大手メディアにもようやくこのような論調の記事を掲載したことに意味はあると思います。

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話は逸れたけど、厚底カーボンシューズ騒動はカーボンプレートなどは1枚まででミッドソールの厚さは40mm未満、そして競技会で使うシューズは4ヶ月以上市販されているシューズに限られ、プロトタイプや特注は使用不可といった具合に決まりました。

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そして、東京オリンピックの4ヶ月前に間に合うようにナイキアルファフライが発売されたが、東京オリンピック自体が2021年に延期された。まだ半年も経っていない出来事だけど、随分前の出来事に感じる。

その後、大会開催どころか、走るのにも世間の目を気にしなければならない雰囲気になったが、そんな中、7月に開催されたホクレンディスタンス(日本陸連公認競技会)では日本記録含めて素晴らしい記録が続出した。

その直後にトラック競技ではアルファフライやヴェイパーフライなど厚底シューズが使えなくなる。というWAのルールが発表されたのです。

私もページで紹介していますが、この時はいつから適用されるのか分からないと書いていますが、これが即日実施だったのです。

ルール改正で特に市民ランナーへの影響が大きい部分は、800m以上の種目はソールの最大の厚さが25mmまでと変更されたことです。

WA規則第143条(TR5:シューズ)のルール再改定について(通知)

この決定により、ナイキアルファフライやヴェイパーフライだけではなく、多くのシューズが使用禁止になった。

こちらのリストに全てのシューズが網羅されているわけではありませんが、ランナー間では大丈夫と思われていたミズノWave Duel NeoもNGとなっています。

WAが承認したシューズのリスト(2020年8月12日現在)

今回のWAの決定について唐突さを感じます。上でリンクを貼った記事の中に「主要なシューズメーカーと幅広い合意をしている」と書いてあるが、シューズメーカーとの合意よりアスリートへの事前告知が必要だと私は思います。

今年は世界選手権やオリンピックなど世界的なレースはありませんが、いきなりそのシューズで競技会に出ることはできません。と言われて戸惑うアスリートは少なくないでしょう。これは世界的なレースだけではなく小さな公認競技会も含めての規則なのです。

日本のトップ選手でも5000mや10000mでスパイクを履かずに、ナイキヴェイパーフライなど履く選手は少なくありません。市民レベルではスパイクを履く選手はほとんどいません。

年内のフルマラソンは相次ぎ中止になり、今年はトラックレースを頑張ろうと思っていた市民ランナーには頭の痛いことでしょう。

公認競技会以外の非公認のトラックレースでは規制はありませんが、昔の高反発ドライバー規制の時のように、履くのを控えるランナーは増えるように感じます。ただロードレースをメインにしているランナーがその調整のために非公認のトラックレースに出る際には、ロードで履くヴァイパーフライなどをそのままトラックで履くケースは残るでしょう。

非公認の大会主催者にお願いしたいのは、シューズについて主催者の考えを募集要項に書いて欲しい。周りからこいつ違反シューズで走っていると思われたり、周りのランナー見て、こいつ違反シューズ履いてると思ったり、ってあまり気分良いものではありません。

例えば厚底OK、厚底NGと募集要項に書いてあれば、ランナーは自分で選択でき無用なストレスを感じることがなくなります。

さて、上記日本陸連の通知を読むと、世界記録や世界ランキングの対象外にはなるが、日本の競技会については、このような移行期間を設けると掲載している。

(3)WA規則改正後の移行期間中(2020年7月28日~11月30日)に開催された競技会で“規定外”シューズで出された記録について、下記、すべてで公認記録として認める。
  ①日本記録 ②日本ランキング ③日本陸連主催競技会の参加標準記録
 ただし、(1)にあるよう未記載の場合、WAのデータでは「Uncertified(非公認)」として扱われるため、主催者としてWA規則を適用しない場合は、シューズの計測体制を取らなくてはならない。計測体制が取れないのであればWA規則を適用し、規定外のシューズでは競技できないことを明言すべきである。ただし、WA規則適用であっても必要に応じた厚さチェックは必要である。

そうなると世界ランキングに無関係の市民ランナーにとっては、公認競技会で主催者がシューズの計測体制を取れるのであれば実質的に11月末までは厚底シューズが使用できる。

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さて、今回の規制を受けてトラックではスパイクやスパイクに近いランニングシューズを履くランナーが増えると思います。

私は先月、ナイキが発売したドラゴンフライという中・長距離用スパイクを買いましたが、これは今回の規制に対応するためではなく、ランニングフォームを作るために練習で履こうと思ったからです。

スパイクはほとんど履いたことがないので、モデルによりどのような違いがあるのかは分かりませんが、10年ほど前に買ったスパイクや今年買った短距離用スパイクと比べるとドラゴンフライはランニングシューズから履き替えても大きな違和感はありません。400mくらいであればアルファフライより速く走れます。ただ脚への負担はそれなりにあるので現在はお試し的に短い距離しか履いていません。

もしこれからスパイクを履くのであれば、最初は緩めに物足りないくらいの負荷と時間から始めて下さい。特に膝下を振りだし気味の方や、ストライドが長めの方で足が上下より前後に動いていると接地位置が前になりますが、そのようなフォームだとタータンにスパイクを引っ掛けて引き付ける動きになり大きな負担になります。

ドラゴンフライは現在品薄なようですが、ナイキズーム マトゥンボ3や、ズーム ヴィクトリー3は定価よりだいぶ安く販売しています。また特にメーカーなどこだわらないのであれば、B&Dやステップスポーツなどに行けばサイズが少なくなったスパイクが驚くような価格で販売していることがあります。そんな掘り出し物を探すのも結構楽しいと思います。

そう言えば5000m世界記録を出したチェプテゲイはドラゴンフライを履いていたようです。

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