2019年24時間走世界選手権の開催地が決まったことと代表選考について書きましたが、今回は私が注目する選手について紹介します。
昨年はこのように可能な限り個別紹介をしましたが、今年は別の紹介形式をとります。
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フルマラソンや100kmレースであれば、一番前を走る選手がトップ選手で後続との差も明確に分かります。また表情や走りを見れば、その後トップが変わるかもしれないと想像することもできます。
そのようなレースをイメージして神宮外苑に来て応援すると驚くでしょう。
1周1325mの周回レースなのでそもそも誰がトップなのか分からないでしょうし、後半になれば倒れてしまいそうな選手を元気な選手が抜かしていく光景をみるでしょうが、必ずしも抜いていった選手の順位が上とは限りません。
私自身、後半になり元気になった時には、上位入賞し日本代表に選出された選手を何度も抜くことはあります。
1時間ごとに順位や周回数がウエブサイトに掲載されるので、それを見ながら観戦すれば24時間走がより楽しめると思います。
また、どのような選手が走っているかを知って観戦するのと、知らないで観戦するのでは楽しみ方はまるで違うでしょう。
まず、強い選手かどうかはゼッケン番号を見ればある程度分かります。基本強い選手から番号を割り振られていると思ってください。
ただし、遅いゼッケン番号であっても、24時間走以外のウルトラマラソンで実績を残している選手は少なくありません。
今回掲載する記録はDUVウルトラマラソン統計(以下 DUVサイト)に掲載された数値などをもとにそれぞれの大会ページを確認しながら手作業で作成しているので、漏れている記録や誤っている記録などもあるかもしれません。
まず、今回のゼッケン番号がどのような順で割り振られたのか私なりの解釈をしてみました。
こちらはゼッケン1から25までの選手とDUVサイトに掲載された24時間走の自己記録を掲載します。(全て敬称略 欠場者は除く)
*リンク先は以前紹介した記事です。
1 高橋 伸幸 264.506km(前年1位)
2 高橋 浩一 243.051km(前年2位)
3 安孫子 亮 255.487km(前年3位)
4 井上 真悟 273.708km
5 小谷 修平 256.861km
6 古北 隆久 252.177km
7 大河原 斉揚 245.929km(前年4位)
8 篠原 直秀 235.706km(前年5位)
9 新井 義治 233.387km
10 木曽 哲男 259.708km(前年10位)
11 大島 康寿 252.237km(前年24位)
12 黒田 宗治 250.873km
13 鈴木 誠 244.465km
14 新井 雄一 235.675km
15 堀 竜麿 230.961km(室内247.002km)(前年25位)
16 竹内 剛博 226.756 km
17 星川 晶 224.651km(前年9位)
18 渋谷 一秀 228.755km
19 白倉 嵩大 228.068km
20 野本 浩礼 222.508km
21 神宮 浩之 226.565km(前年8位)
22 吉清 一博 219.066km(前年11位)
24 小田 克矢 216.858km(前年13位)
25 岩立 幸一 214.716km(前年16位)
まず、NO.1からNO3は昨年の1位から3位の優待選手です。NO.4からNO.9はおそらく2016年以降に公認大会で230km以上の記録を残している選手です。NO.10以降は公認大会での生涯ベスト順と思われますが、少し前後しているゼッケンもあるので正確なところは主催者でないと分かりませんが、だいたいそのような順になっていると思ってください。ちなみに私はNO.26(214.472km 前年17位)です。
今回の参加者で250kmオーバーの記録を持つ選手は8人です。歴代で日本に20人しかいない選手のうち8人も揃うのです。合わせてお読みください。
今回の上位争いという観点では、昨年の上位選手と、ここ数年間に250km以上の成績を残している選手を軸に進むでしょう。(全て敬称略です。また選手の故障や体調不良などの状態は勘案していません。)
名前をあげると、昨年TOP3の高橋 伸幸、高橋 浩一、安孫子 亮、そこに過去世界選手権優勝し、今回参加者中最上位記録を持つ井上 真悟、そこに過去250km以上走り日本代表経験のある小谷 修平、古北 隆久、木曽 哲男、大島 康寿や、昨年4位、5位の大河原 斉揚、篠原 直秀です。
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そこにウルトラマラソンで実績を残している数多くの選手が加わります。
私がもっとも注目しているのは、NO.87の赤松 亮です。赤松選手は今年の小江戸大江戸230k(232.7km) を23時間17分55秒で優勝(大会新)しましたが、同時スタートの200k(204.2km)を大会記録で優勝した高橋選手(20時間09分07秒)より、7分速く204.2kmを通過しているのです。
その小江戸大江戸230kで2位に入ったのが、NO.34 高橋 健吾(24時間49分50秒)で、3位はNO.86 森下 輝宝です。森下選手は2016、2017年と川の道フットレース(520km)で3位に入るなど超ウルトラで実績のある選手です。そして200kで高橋選手に続き2番目にゴールしたのがNO.19 白倉 嵩大、3位はNO.22 吉清 一博です。
また、今年の川の道フットレース(520km)で優勝したNO.16 竹内 剛博も注目の選手の一人で、今年台北で開催された24時間走でも優勝しています。
さらにNO.96 間宮 秀幸は、2018年野辺山ウルトラ3位、飛騨高山2位、白山白川郷2位と累積高低の大きな100kmマラソンで安定した成績を残しただけではなく、2018スパルタスロンを28時間台の好タイムで完走しています。
NO.21 神宮 浩之は昨年226.565kmの8位ですが、2005年から2013年までチャレンジ富士五湖112kmで9連覇した選手です。今年は秋田内陸リゾートカップ100kmで8時間01分30秒と調子を上げています。
スピードランナーでは、いつ24時間走を走るか注目していた2016IAU100km世界選手権 8位のNO.94 外池 快太郎がついに登場します。100kmPBは6時間40分で、100kmでも後半の落ち込みが少ない選手なので期待が高まります。また弟のNO.95 外池 翔太郎は1月開催の箱根100km×2DAYで優勝しています。
NO.45 市坪 和也は2017村岡ダブルフル120km で2位、NO.88 加藤 康男は2018北オホーツク100kmを7:54:22で走り2位、NO.93 堀越 英樹 は強豪が集まる2018チャレンジ富士五湖118k7位とスピードを持った選手です。
他にも48時間走で活躍するNO.15 堀 竜麿、川の道フットレースや小江戸大江戸などで安定した成績を出し続けているNO.18 渋谷 一秀、NO.36 梅澤 功、NO.39 長谷川 大吾、小江戸川越24時間走二連覇中のNO.25 岩立 幸一、本州縦断・青森~下関1521kmフットレース2017完走のNo.24 小田 克矢らも上位争いに絡むでしょう。
優勝争いとは別に注目する選手は、NO.12 黒田 宗治です。 黒田選手は現在69才の最年長選手ですが、55才の2005年に250.873km走り日本歴代20位です。また65才の2014年の神宮外苑で207.485km走った驚愕のウルトラランナーです。
他にも気になる選手は数多く紹介しきれません。
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今回の順位とともに注目して欲しいのは、世界ランキングです。
2016、2017年と二年連続して石川佳彦が世界ランキング1位ですが、2018年は現時点で以下のような順位になっています。(DUVウルトラマラソン統計 24時間走男子 2018.11.8時点反映)
- 273.674km Penalba Lopez, Ivan(ESP)
- 265.419km Radzikowski, Andrzej(POL)
- 263.540km Ruel, Stephane(FRA)
- 260.991km Sorokin, Aleksandr(LTU)
- 260.016km Weber, Felix(GER)
- 257.745km de las Heras Monforte, Nicolas(ESP)
- 254.264km Clavery, Erik(FRA )
- 253.432km Lawson, Daniel Alan(GBR)
- 251.720km Gerardin, Raphael(FRA )
- 251.199km Brunner, Radek(CZE)
昨年はTOP10に日本人が3人入りましたが、今年は本大会およびアジア選手権で何人の選手が上記に記載した10人の記録を超えるのか楽しみです。