100km男子世界記録更新6時間05分35秒

24時間走で圧倒的な世界記録を更新したリトアニアのソロキン選手が、100kmでも世界記録を更新しました。タイムは6時間5分35秒で従来の世界記録は風見尚選手の6分09秒14秒です。

ソロキン選手や、国際ウルトラランナー協会(IAU)のFacebookページなどで今回の記録は知っていましたが、国際陸連公認コースで開催されたのかなど「いわゆる」世界記録なのかどうかを調べたところ、国際陸連(WA)のページにアップされていたのでまず間違いないでしょう。

これから、各種手続きを経て正式に世界記録として認定されるのでしょう。

こちらが、世界陸連にアップされた記事です。

Sorokin breaks world 100km record

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記録詳細の和訳

www.DeepL.com/やChat GPTで翻訳した文章を修正してアップします。

リトアニアのアレクサンドル・ソロキンは、14日(日)にヴィリニュスで開催されたNord Security World’s Fastest Runで100km世界記録を更新しました。

承認待ちの彼の優勝タイム6:05:35は、日本の風見尚選手が2018年に記録したこれまでの公式世界記録6:09:14を3分39秒更新するものです。ソロキンは昨年、トラックの10万mレースで6分05秒41を記録していたが、100kmの世界記録として批准されなかった。

リトアニアの首都である1.644kmのサーキットで30人の国際的なウルトラランナーと競った中で、ソロキン選手は世界記録を狙って自分のペースで走りました。彼はマラソンの距離を約2時間32分30秒で通過し、今年のセビリアでの自己ベストからわずか7分遅れでしたが、そのリズムを維持して前半を3時間2分で走り抜け、風見選手の記録を破ることに成功しました。気温が19℃になった後も、彼のペースはほとんど変わらず、6時間5分35秒でゴールに到達しました。

「世界記録を破ることができたこと、そしてそれを私の故郷で成し遂げたことに、非常に幸せを感じています。ビリニュスは私がランニングを始めた街であり、ここで歴史を作ることで感謝することができました」と、41歳のソロキン選手はコメントしました。

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昨年のタイムが非公認の理由

まず、ソロキン選手は2022年4月に100kmの距離(400mトラックを250周)を6:05:41で走っているので、タイム的には今回とほぼ同じです。

昨年の記録も、風見選手の記録を破っていますが、なぜ世界記録となっていないかというと理由はシンプルで、世界陸連の公認対象以外の大会で出した記録だからです。

陸上競技は大きく分けると、トラック競技とロード競技があります。そしてトラック競技ではオリンピックや世界陸上の種目の10000mが最も長い距離になりますが、20000m、25000m、30000mといった種目も世界陸連公認競技となります。またロードレースではオリンピック種目はマラソンだけですが、世界陸連公認競技として10km、15km、ハーフマラソン、25kmや30kmなどマラソンより短い距離もあれば、50km、100kmもあります。

ソロキン選手がトラックで100km世界記録を更新する走りをしても公認されなかったのは、公認競技としては100kmはロードレースのみなのです。

参考までに、12時間走や24時間走という種目も世界陸連・日本陸連両方の公認競技にはありません。12時間走や24時間走の世界記録というのは世界陸連が公認した記録ではなく、IAU(国際ウルトラランナーズ協会)が認定した記録ということです。

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アレクサンドル・ソロキンの記録

今回、ソロキン選手は公認されたロードレースを走って世界記録を更新したわけですが、ソロキン選手は昔から強い選手ですが、特にコロナ禍以降突出して力をつけてきた選手です。主な記録をDUVウルトラマラソン統計で調べるとこのような記録を出しています。

種目記録開催年世界記録
50km2:53:512022年2:39:04
100km6:05:352023年世界記録
2位は6分09秒14
12時間走177.410km2022年世界記録
2位は168.792km
24時間走319.614km2022年世界記録
2位は303.506km

実は2018年に中国武漢で開催された1st Changan Ford Ultra Challenge 100kmには、私も招待参加し100kmを走りましたが、その時ソロキン選手も同じ種目を走りました。コースもハードで気温も高くキツイレースでしたが、1位は中国人選手でタイムは6:46:45、2位が板垣選手(6:58:14)、そして3位がソロキン選手(7:11:46)、4位は神宮外苑24時間で2位に入った小野選手(7:21:15)でした。

また2019年のIAU24時間走世界選手権で278.972km走り優勝していますが、この年の世界ランキング1位は石川佳彦選手の279.427kmです。

当時から世界的に強い選手ではありましたが、ここ数年はずば抜けた記録を出し続けています。現在41歳のソロキン選手は40歳前後からグングン強くなっているのも凄いと思うし、多くのランナーに希望を与えています。

今回の100kmの記録に関しては、近い将来、日本人選手が破る可能性が十分ある記録ですし、破るポテンシャルを持つ選手は何人もイメージできますが、12時間走177.410kmと24時間走319.614kmは現時点でライバルがいないくらい突出しすぎた記録なのです。

市民ランナーでフルマラソンを3時間で走れば相当なものですが、そのペースで4回続けて走っても12時間で168.78kmまでしか行きません。177.410kmの平均時速は14.7842kmで、このペースでフルマラソンを走ると2時間51分14秒になります。

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100km6時間20分以内のランナー

こちらは、現時点で100kmを6時間20分以内で走った選手です。トラックの100000mの記録は除きました。このように一覧にすると25年前に世界記録を作った砂田選手の凄さが分かります。また昨年の世界選手権で優勝した岡山選手ら、この表にランキングされている日本人選手以外にも世界記録更新を明言している選手はいます。

今週開催される、柴又100kmや、来月開催のサロマ湖ウルトラマラソンで、今回の6時間5分35秒を更新する選手が現れるのを期待しています。

また、100km6時間切りもそう遠くないタイミングで達成されると私は考えています。ソロキン選手のフルマラソンのタイムがWAの記事からは2時間25分前後と思われますが、それはしっかり調整してフルマラソンを走っていないのでしょう。現時点の力を考えると少なくとも2時間15分前後の力はあると思われます。

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サブ6は出るのか?

今後6時間切りが出るかどうかについては出ると思います。

世界記録を狙うレベルの選手何人かに聞いたところ、フルマラソンで2時間10分前後の走力を持ちつつ100kmでタイムを狙う練習をしていれば可能だと話しています。

日本には現在2時間10分を切る選手はたくさんいますし、2時間12分くらいまで広げたら凄い人数になります。ただこのレベルになると大半は実業団選手になるのでニューイヤー駅伝などがメインになるので、100kmにチャレンジするのは余程、指導者や所属会社の理解がないと難しいと思われます。

極論になってしまいますが、100kmで世界記録を更新すれば1億円くらいの賞金が出るのであれば、エリウド・キプチョゲクラスは走らなくても、2時間5分レベルのケニア、エチオピア選手はチャレンジするかもしれません。またオリンピック種目になれば、一気に凄いタイムが出ると思います。

ただ現実的に競技時間が長い100kmは放映権の関係などからオリンピック種目になることはないでしょう。

そうなると、100km世界記録や6時間切りをすることで大きなメリットを自ら創出することができる選手が現れるかどうかが鍵になってきます。

知らない人は多いと思いますが、オリンピック種目であれ、メディアの露出が少ないスポーツは選手の海外遠征など自費になることがあるようです。昨年の100km世界選手権は自費参加です。

努力して日本代表になって、世界選手権を走るために、自分でお金を用意しないとスタートラインに立てないのが現状なのです。

もう一つ重要な視点として、12時間走や24時間走は、エリウド・キプチョゲ選手らマラソンのエリートランナーが走れば世界記録を更新できるかといえば、全く分かりません。理由は競技時間が2時間のマラソンの6倍も12倍も走るのだから、必要な能力がかなり変わってくるのです。その意味でソロキン選手の12時間走や24時間走の記録は凄い記録なのです。

フルマラソン2時間15分前後のスピードを持ちながら、24時間走にチャレンジする選手が日本でも現れているので、今後楽しみです。

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