シューズ規制論議で感じたこと〜誰が得したか?〜


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ナイキヴェイパーフライネクスト%は規制されず〜特注シューズは規制へ〜

ナイキ厚底シューズ規制報道に思うこと

ナイキのシューズ規制に関して、これらの記事を書きました。

1月末に多くの市民ランナーも履いているヴェイパーフライネクスト%は規制されないが、キプチョゲが2時間切り非公認レースで履いていたカーボンプレート3枚入りのアルファフライのプロトタイプは禁止というニュースが流れました。

しかし、その直後にナイキは規制範囲内のアルファフライネクスト%発売を発表しました。

その世界陸連の規制を待っていたかのようなナイキのリリースについて、規制内容を知っていて開発や発売準備をしていたのか、規制される内容をシュミレーションし、どう規制されても、即座に発売できる準備をしていたのかは分かりません。

ただ、天変地異や自然現象ではなく、人間が議論して決めていくことだから、様々な意思が働いているのは間違いない。

となると、どのような結果になったのか?誰が得して、誰が損をしたのか?を考えると、アウトラインは見えてくるように感じています。
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今回の規制論議で誰が一番得をしたかと言えば、それはナイキであることは間違い無いでしょう。

それはヴェイパーフライネクスト%が発売中止にならなかったとか、他のメーカーに先駆けて、新ルール適合シューズであるアルファフライネクスト%を2月末から順次発売開始する準備が整っているというだけではありません。

最も大きいと感じるのは、ランナーの間で、ナイキのブランド価値が著しく高まったことです。

従来の常識を覆すようなシューズを作るメーカーとして広く認知されました。

現在、ナイキ以外のメーカーもカーボンプレート入りのシューズを既に販売もしくは開発していますが、それらのシューズがナイキ製品と比較して同程度の性能、もしくは少しの優位性をもったとしても、ナイキのシューズを履き慣れたランナーは早々ナイキから他のメーカーに移らないでしょう。

それとナイキショップでヴェイパーフライネクスト%を履いた方は足形など測定されたと思いますが、その足形のランナーは何cmのシューズがちょうど良いと感じているかなど、足形をデータとして取得するだけではなく様々なデータも蓄積し開発に役立てているのでしょうが、このような観点からも一歩も二歩も前に出たと感じています。

カーボンプレートの枚数やミッドソールの厚みなどルール化されることで、今後はナイキも驚くようなシューズの開発はできなくなるとは思いますが、それはナイキにとって他のメーカーが驚くようなシューズを出してくるリスクが減るというメリットでもあります。

シューズの性能が均衡してきた時にユーザーはどのような観点で選択するかは様々でしょうが、ナイキの先駆者としてのブランドイメージと、履き慣れたシューズであることは結構な強みになります。

そのような状況で他メーカーはどう出るかは分かりませんし、戦略は様々でしょうが、ヴェイパーフライネクスト%やアルファフライネクスト%と同程度のクオリティを保ちつつ購入しやすい価格帯のシューズが出してくるメーカーもあるかもしれません。それはユーザーからすると歓迎すべきことだと思いますが、価格競争になると大量生産できる規模をもつ会社が有利になりますが、その点でもナイキを上回るシューズメーカーはありません。
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さて、今回のWA発表には、ソールの厚さなどスペックについてのルールだけではなく、市販してないシューズや特注シューズを規制することも盛り込まれています。

これは、アルファフライネクスト%の試作品のようなとんでもなく性能の高いシューズを規制すると言う目的だけではないと私は感じました。

もちろんカスタムシューズを作っているメーカーや使用しているアスリートにも影響はありますが、それ以外にテレビドラマ「陸王」のようなメーカーが契約アスリートに開発したシューズを履かせ活躍したら商品を投入すると言うこともできなくなります。

また仮の話ですが、ほぼ模倣したシューズを新興メーカーが作って契約アスリートに履かせた場合、商品化する前のプロトタイプ段階では、法的な対処が難しいように感じましたが、今回の規制がされるとそもそも競技会では使えなくなるので、そのようなリスクも排除できます。

そのように考えると、ナイキにとっては、プロトタイプ禁止という決定の方が重要な決定だったのかもしれません。



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