石川佳彦 100マイルトレイルでも優勝〜COLD WATER RUMBLE100〜

今や世界最強のウルトラランナーを名乗っても文句が出てこないほどの実績を積み上げてきた石川佳彦を知っていますか?

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隔年開催の2017年IAU24時間走世界選手権、2018年IAU24時間走アジア・オセアニア選手権、そして2018年スパルタスロン優勝者であり、過去4回走った24時間走では負け知らずのウルトラランナーです。

その石川は今年から100マイルのウルトラトレイルへのチャレンジを決め、初挑戦となったCOLD WATER RUMBLE100で優勝しました。

100 mile men

    1. Yoshihiko Ishikawa (石川佳彦)18:39:27
    2. Uli Stuwe 19:07:04
    3. Carsen Kidwell 19:45:08

今回のレースについて石川はこう語っている。

■COLD WATER RUMBLE100について

100マイルトレイル初挑戦

そもそもアメリカに行くのは初めて。Youtubeで大会の様子を見て海外トレイルレース特有の盛り上がりやコースの雰囲気を楽しめればと思っていました。アリゾナ州フェニックスで開催されたCOLD WATER RUMBLEはいわゆる”走れるトレイル”と聞いていて、24時間走やスパルタスロンに比べれば距離も時間も短く、ガレ場やアップダウンさえ対応出来れば、優勝争いに加われるのではないかと考えていました。ただ、初挑戦の100マイルトレイルレースでありトラブルやケガで完走できないという事だけは避けたいと慎重に入りました。

*石川は、中国・ゴビ砂漠で開催されたゴビ国際100kmトレイルへ出場し3位入賞した経験はあります。

走れるコース


1周約32 kmの国立公園内のトレイルコースを5周。適度にアップダウンがあり、ほぼ歩く事なく走り切れました。足下はガレ場がほとんどで一部気持ち良くスピードを上げられる土や足を取られる砂場の区間がありました。コースマーキングもしっかりされていて、よっぽどの事がない限りロストの心配もありません。夜間が不安でしたが、ヘッドライトを点けていると、マーキングが光って昼間より分かりやすいくらいでした。1・3・5周目は右回り、2・4周目は左回りに走る設定になっており、同じコースを走ると言っても朝、昼、夜で見える景色も変わり、アメリカのトレイルの雰囲気を肌で味わえました。

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■レース展開

朝7時の薄暗い中のスタート。序盤はアメリカ人選手が先頭を引っ張り、二番手でレースを進めました。ただ、上り下りを物凄い勢いで走ってフラットになると極端にペースが落ち、走りづらさを感じていました。1周目は様子を見て、2周目から三番手の選手が前に出たので、それに合わせる形で二人がトップになりました。

この選手はフラットと下りは速いですが、上りになると歩いてしまい、どうも走りづらさを感じてしまいました。結局、2周目の半分くらいでペースを上げて、そこから独走になります。3周目終了時点で、かなり後ろを引き離せたと思っていましたが、最終的に2位に入った選手が3分差まで迫っていた時は、ロードのウルトラとは違うレース展開の難しさを感じました。

しかし、不安要素だった夜間に入る4周目、5周目のトレイルは寒いくらいに気温が下がった事もあり予想以上に走れ、リードを保ったまま勝つ事が出来ました。

■補給物など

昼夜の寒暖差激しいアリゾナ

昼間は20度以上に上がり、夜間は5度付近まで気温が下がります。約8kmに1回給水や軽食のエイドがあり、スタート地点に戻る32kmに1回個人サポートが受けられ、そこでヘッドライトやウェア、メインの補給物を受けとる形です。

基本的に330mlの腰に差せるタイプの給水ボトルとアスリチューン3個を持ってスタート。給水はエイドごと、アスリチューンは1周終わるごとに補充という流れにしていました。

ただ、トレイルは頭(脳)が疲れる印象でロードよりもエネルギーの消費が激しく、エイドではオレンジやチョコなど普段より多めに取りました。アスリチューンとの併用で内臓トラブルなどなかったのは良かったと思います。また、アリゾナは日差しが強く、太陽が近くでずっと照らされていましたが、アグレッシブデザインの日焼け止めをたっぷり使い、肌が赤くなる事もありませんでした。

■シューズについて

過去走ったゴビ国際100kmトレイルでシューズの重要性を感じており、今回はOnのトレイルシューズ「Cloudventure」以外履く予定はありませんでした。

ガレ場ではクッションがサポートしてくれ、下りではグリップの効いたソールが威力を発揮。軽さもあるトレイルシューズで全く問題なく走れました。普通のランニングシューズでは完走出来ていなかったと思います。

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■今後について

今回初めて100マイルトレイルを走らせていただいて運良く勝つ事ができましたが、もっと高低差の激しいテクニカルなレースに対応できる自信があるのかと言われれば、今は正直ありません。ただ今後、やり方次第ではアメリカのレジェンドランナーのスコット・ジュレクのようにロード、トレイルの両方で活躍できるような方向性に持っていけるのではないかという手応えも感じました。

色々なレースを走りたいですし、COLD WATER RUMBLEでは「スパルタスロンチャンピオンの日本人だろ?」や「YOSHI!!」と選手やエイドのスタッフの方に声を掛けていただき、走る事でこんなにも世界が広がっていっているという充実感がありました。もっと充実感を感じて走りたいですし、そう在り続ける為にはトレイルランニングというカテゴリーは自分の中に必要なコンテンツになるだろうなと思えました。本当に良い経験が出来た今回の初めてのアメリカ遠征、初めての100マイルトレイル。もっと強くなってもっと多くの景色と自分に出会ってみたいと思います。

 

*画像は石川さんとサポートの松島さんから提供いただきました。

冒頭紹介した大会について書いた記事も合わせてお読みください。

石川佳彦選手 スパルタスロン優勝〜本当の強さとは何か?と自問自答し続ける〜

調子が上がらない時どう戦うか。〜24時間走チャンピオン石川佳彦の言葉にヒントあり〜

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