走ることは生きてる証〜大阪国際女子マラソン走って感じたこと〜 

1月31日に開催された大阪国際女子マラソンは、コース変更、そして選手・大会関係者のPCR検査を行うなど異例の大会になりました。

大会には、一山選手、前田選手らトップアスリートだけではなく、2時間50分以内の資格タイムをもつ市民アスリートも参加しました。

参加者はエントリー者の約7割

リザルトを見るとエントリーはペーサーの男子選手を除いて99人でしたが、29人が棄権したため出走したのは70人です。そして完走したのは61人です。

エントリー者のうち約3割が棄権と言うのも異例の大会であったことを物語っています。

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今回は、アスリチューンやアグレッシブデザインのサポートアスリートの楠瀬祐子さんに大会のことだけではなく、昨年の緊急事態宣言の頃の話なども教えてもらいました。

昨年の緊急事態宣言時の思い

(質問)昨年の緊急事態宣言下では、走ることが悪と言うような雰囲気がありました。その中でもロング走をしたなど投稿していましたが、その頃の思いは?

(2020年5月緊急宣言下にロング走)

はじめは走って良いものなのかという葛藤もありましたが、マスクをしたり人混みを避けたりアルコール消毒液を持ち歩いたりと、できる限りの対策をした上で、単独で走っていました。

私自身、コツコツ1人で走っている人の投稿は、こんな時期でも頑張っている人がいる、私も頑張ろう!と励みになっていました。

投稿する上で人の目は気になりました。批判もあるだろうなと思ってはいました。

ただ、やってはいけないことであれば、投稿をしないのではなく、そもそもやってはいけない。

その頃、投稿はせずに公園などで集団で走っている人達もいたようですが、こっそり良くないと思うことをやるよりは、『これだけやっていれば大丈夫』と自分で思える対策をした上で練習を投稿するのは、決して悪くはないと判断して投稿していました。もちろん判断は人それぞれだと思います。

『走るならマスクしろ!』と言う声も世間では多く上がっていたため、ランナーの評価が下がらないよう、だからと言って『マスクは絶対にしないとダメ!』ではなく、『もし今後のレースがマスク必須になった時のために、マスクランに今から慣れて、周りに差をつけよう♪』と前向きな発信の仕方も心掛けていました。(その後、マスクランは危険!と言う話も出てきましたが・・・)

今できることを積み上げる

(質問)大会が中止になる中で目標を見失うこともあったかもしれませんが、さまざまな練習をしてましたね。どのようなことを目標にして練習を重ねていましたか?

(2020年11月 一人でトラック距離走)

私は毎月レースを数本入れることでパフォーマンスを保っていたので、大会中止は絶望的でした。

でも、もともと私はウルトラマラソンの世界選手権を狙い、そのためのステップアップ(中目標)としてレースをたくさん入れていたので、『大目標は変わらない』と気付けてからは、レースがなくても目標をブラさず、今できることを積み上げようと思えるようになりました。

そう思えるようになってからは、走力も上がり、スピード練はこれまでできなかったペースでできるようになりました。

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スタートラインに着くまでの思い

(質問)大阪国際女子マラソンは異例の大会となりました。棄権した選手も少なくないと聞いています。そのような状況下で楠瀬さんの気持ちも揺れ動いたと思いますが、都内にいる頃からスタートラインに着くまでの気持ちの動きを可能な範囲で教えてください。

このレースのために練習を積んできたのだし、自分で勝ち取った出場権利なので、欠場すると言うことは全く考えてはいませんでした。

でも、PCR検査必須と言うのは精神的にものすごくこたえました。

無症状であっても、感染していた場合は職場も含め、多くの方に迷惑をかけてしまいます。自分の走りたいと言う思いだけで、周りを振り回すことになるのではないか?それに、陽性だったら周りからどんな目で見られるのだろう…。当日朝の結果確定までは不安でいっぱいでした。

レースへの緊張ではなく、PCR検査への不安で、眠りの浅い日も続きました。

同じような思いだった選手は多かったようで、レース当日の朝、会場で会った知り合いの選手達とは、『陰性で良かったね』と涙目で喜び合いました。

PCR検査は精神的につらかったし、コース変更も直前でビックリはしましたが、大会開催者の、世間からは文句を言わせないほどの対策を施して、何としてもレースを成功させる!という思いが感じられたからこそ、全てを受け入れて参加したいと思えました。関係者、選手みんなで作り上げた大会と言う思いになれました。

レース中の補給

(質問)レース中の補給は周回のため取りやすかったと思いますが、アスリチューンはどのような感じで使いましたか?

今回はクエン酸含有の健康サポート飲料(メダリスト)に溶かして飲みました。 飲料でクエン酸を摂取しながら、アスリチューンでエネルギーを摂取すると言うのは理想的!と思い、味も良かったので今回はその方法を取り、中盤以降摂取しました。

いつもはスペシャルドリンクにジェルをくくりつけるのですが、私の場合レース中はいつも以上にズボラになり、ジェルをボトルから剥がす→封を開けることですら億劫になってしまうことがあります。 こうやって飲料に溶かすのもアリだなと発見しました。 アスリチューンは潰して液体と混ぜるとフニャフニャ細かいゼリーになり、口溶けも気になりません。

また主張の強くない味(なのでジェル単体でも非常に飲みやすい)なので、他の飲み物に混ぜても相性良く感じます。 今後は、汗をかきやすいレースであれば経口補水液に混ぜる等、その時必要なものと一緒に、効率よく摂取する方法も考えていきたいと思っています。

必死すぎて日差しを気にする余裕はなかった

(質問)今回テレビで見ていて日差しが徐々に強くなってきたように見えました。脱水になった選手もいたようですが、実際暑かったですか?その中でアグレッシブデザイン・ファイターをどのように活用しましたか?

今回は必死すぎて、日差しが強くなっていたか、気温はどうだったか等は気にしている余裕がありませんでしたが、脱水症状になった知り合いは数名いました。

おそらく向かい風が冷たかったため、水分をあまり摂取しなかった方が多いのかな?という印象です。

アグレッシブデザイン・ファイターは、汗を多くかいたり、水を被ったりするほど暑い時でも落ちない所が、本当に気に入っています。 日焼けによるパフォーマンスダウンを抑えられることはもちろんのこと、アグレッシブデザインを使うようになり、テーピング焼けを気にせずに、故障箇所や気になる箇所にテーピングできるようになったことも、私にとって大きいです。(以前は日焼け跡が嫌で、テーピングはできませんでした) 今回は呼吸が気になっていたため、ファイテンテープを首回り等、気になる所に貼れました。

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トップアスリートだって苦しい!

(2021年1月 大阪国際女子マラソン)

(質問)今回はトップ選手が抜いていく時のスピード感を感じることができた貴重な経験だと思いますが、一山選手らの走りをみて感じたことを教えてください。

速さもさることながら、トップ選手もハァハァきつそうに走っているのを見て、この苦しさはみんな同じなんだ!自分ももがかなきゃ!頑張らなきゃ!と思えました。

息遣いがわかるほどの近さで、本気な走りを見たり一緒に走れたりする経験なんて、まずありません。こんなに間近で走れたことは、大変貴重な経験でした。

周回遅れで外側を走っていたのは?

(質問)テレビで見ていて、周回遅れの選手はコースの外側、バイクやサイドカーの外側を遠回りして走っているのが見えましたが、中継車の近づく音が聞こえると、右側に選手が動くような流れができていたのですか?また、先頭ランナーとペーサーの横をサイドカーが一定距離をあけて並走して、その横を周回遅れの選手が走るということは、かなりサイドカーやバイクが近づいていたと思いますが、怖いと感じるほどの間隔ではありませんでしたか?

中継車が通る際は外側から1.5mのピンク線の先を走るよう、事前に指示がありました。近づいて来る時にスピーカーで言われるので、選手が中継車の音を気にしていなければならないといった必要はありません。結構早めにアナウンスされ、もう避けるの?と思った時もありましたが、もっと大人数のレースでは外側を走らざるを得ないことも多いため、そこまで不便には感じませんでした。

また、右側に避けるのは先導車のいる先頭だけで、2番手以降は避ける必要はありませんでした。

サイドカーやバイクとの距離感は、全く怖いとは思いませんでした。

走ることは生きてる証

(質問)昨年の緊急事態宣言から今回の大阪国際までの中でいろいろと思い悩んだことなどたくさんあったとおもいますが、それを通じて、楠瀬さんにとって「走る」とはなんでしょうか?

大袈裟かもしれませんが『生きている証』かなと。

緊急事態宣言が出され、『不要不急』って何だろうと考えさせられました。
走りは一般的に見て、不要かもしれない。

でも私にとって、苦しい思いをしたり、痛い思いをしたり、お金をいっぱい注ぎ込んでまで守り続けてきた『走る』と言うことと『目標』は、人生においてとてもとても大切な存在であり、不要なものでは無いと言う結論に思い至りました。

本気で叶えたい目標があり、全力投球する。それに向けて喜怒哀楽以上の感情を剥き出しにし、決して楽ではないけれど守りたい物。

これって自分にとっての『生きている証』以上の何物でもないと。

『走り』は本当に必要なのか?を問い続けた緊急事態宣言下。

これまで考えたことも無かった『自分が走ると決断したことで、(PCR検査の結果次第では)周りに多大な迷惑をかけるかもしれない』ということを考えさせられた大阪国際女子マラソン出場。

それでも『走りたい』と言う強い思い、願い。

走れるということ、走らせてもらえると言うこと、健康であると言うことが、どれだけありがたいことなのかも考えさせられ、益々走りを頑張りたいと思った時期でした。

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「やってはいけないことであれば、投稿をするしないではなく、そもそもやってはいけない。」や、『走り』は本当に必要なのか?を問い続けた緊急事態宣言下。などの言葉の一つ一つに楠瀬さんの思いが伝わってきました。また変わらず、真っ直ぐな楠瀬さんに嬉しくなりました。

(画像提供)楠瀬祐子さん

楠瀬さんのブログはこちらです。今回紹介したことなども日々書かれているので読んでみてください。

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