弘前24時間走有力選手

いよいよ弘前で24時間走や48時間走などが開催されます。

コロナ禍前には年間に約40万人がフルマラソンを走っていたようですが、1回でも24時間走を走ったことがあるランナーはその1%もいないでしょう。

そのようなレアな競技ですから、24時間走の記録を聞いて、その記録がどの程度のレベルなのかイメージできる人は、走ったことがあるか、ウルトラマラソンに相当詳しい方でしょう。ランナー以外の方に東京マラソンを6時間で完走したと伝えれば、フルマラソンを走るなんて超人だね。なんて返ってくるかもしれませんが、定期的に練習をしている方なら、その完走した方がどのような属性によるかにもよりますが、少なくとも超人だねとは思わないでしょう。

なぜならレベル感を知っているからです。もちろん完走することは素晴らしいことですが、そのレベル感や相場観を掴んで置くことって結構大事なことだと思います。

そのレベル感を掴んだ上で、今回のレースの途中経過を私が発信する距離を見るといろいろ感じることがあるでしょう。

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世界記録との比較

まず、これは24時間走に限らず、私が様々な種目のレベル感を掴むために使う数字が世界記録や日本記録との比較です。もちろん世界記録を狙うわけではありませんが、世界記録は現時点の人類の限界です。その限界に対して自分の記録はその何割増なのか?を計算してみるのです。

例えば、私の今年の東京マラソンのタイムは2時間59分13秒で、世界記録は2時間1分39秒なので約1.47倍。3時間なら1.48倍とサブ3ランナーでも世界記録の1.5倍近くかかっているのです。さてウルトラマラソンの記録同様中距離の記録もやっていない方はピンとこないと思いますが、1500mの世界記録はもう24年破られていませんがヒシャム・エルゲルージ(モロッコ)の3分26秒00です。これに先ほど計算して出した1.48倍(マラソンのサブ3ランナーレベル)をかけると5分04秒88となります。

先に書いておくと、マラソンサブ3ランナーが1500mを走ると5分04秒で走れる。逆に1500m5分04秒ならマラソンでサブ3できるというわけではなく、これは人類の限界から計算したレベル感をイメージするための数値です。

ただ、マラソンでサブ3した頃の私が何度か1500mで5分切りを狙うも跳ね返されてきたことを考えるとさほど遠くないタイムだと感じています。

同様に24時間走について考えてみると、男子世界記録は2021年8月にSorokin, Aleksandr(LTU)が309.399kmを走ってウルトラマラソンを競技として取り組んでいる人たちを驚かせました。

では、この記録を今度は1.48で割ってみます。(通常種目は距離固定ですが、時間走は時間固定のため)すると209.053km

ちなみに私の記録は約214kmですし、感覚的には24時間走におけるサブ3レベルはこんな感じです。

一覧表にしてみます。1.1倍遅いとは平均ペースが遅いと考えてください。マラソンで世界記録より2倍遅いペースなら4時間03分18秒になるし、24時間走で2倍遅い距離なら半分の距離の154.699kmになります。

マラソン24時間走
世界記録2時間01分39秒309.399km
1.1倍遅い2時間13分48秒281.272km
1.2倍遅い2時間25分58秒257.832km
1.3倍遅い2時間38分08秒237.999km
1.4倍遅い2時間50分18秒220.999km
1.5倍遅い3時間02分28秒206.266km
1.6倍遅い3時間14分38秒193.374km
1.7倍遅い3時間26分48秒181.999km
1.8倍遅い3時間38分58秒171.888km
1.9倍遅い3時間51分08秒162.842km
2.0倍遅い4時間03分18秒154.699km

女子の世界記録は2019年10月の世界選手権でHerron, Camille(USA)が出した270.116kmですが、この記録は男子世界記録と比較すると1.145倍遅いペースで走ったことになります。男子マラソンの世界記録にこちらの係数をかけると2時間19分20秒となりますが、実際の世界記録は2時間14分4秒で男子世界記録の1.102倍ですから大きな乖離ではありません。

今回、このような計算を持ち出したのは、私の記事を読んでいただいている方はマラソンのレベル感は共有しやすいからです。

ざっくりですが、200kmを超えると、マラソンのレベル感だと3時間10分、210kmを超えるとサブ3、250kmを超えるとサブ2.5、200km未満だと160マイルがサブ4レベル、180kmがサブ3.5レベルです。

もちろんマラソンまでの距離しか走ったことがない3時間10分のランナーが200kmを超えることは困難でしょう。逆に250kmを超えるランナーがマラソンでサブ2.5できるかと言えばサブ2.5できるかどうかは個人差はあるけど多くの選手は2時間40分前後の力は持っています。

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日本記録は

続いて日本記録は、男子が2014年12月に原良和選手が出した285.366kmで、女子は2011年12月に工藤真美選手が出した255.303kmです。

ここまで知っている方は少ないと思いますが、24時間走はトラック、ロードは別に考えられているので、ロードの日本記録と、トラックの日本記録があります。今回はレベル感を感じてもらうために、トラック、ロード合わせた最高記録を紹介しました。

有力選手

今回出場する全ての選手の記録を分かる範囲ですが、DUVウルトラマラソン統計で調べてみました。かなり昔の記録もあるのと、現在の調子は全く分からない中で、過去の実績だけをもとに優勝争いを繰り広げそうな選手を紹介します。(敬称略)

まず、24時間走の記録でダントツなのは重見高好の269.225kmです。重見選手は神宮外苑24時間チャレンジで優勝したほか世界各地のウルトラマラソンで活躍しています。2番目の記録を持つのは古北 隆久で252.177kmです。今年のチャレンジ富士五湖118kmを9:56:28で走り3位入賞しています。多くのウルトラマラソンで上位に入っている選手です。そして240km超の記録を持つのは髙橋 健吾(246.526km)と竹内 剛博(242.008km)の2人で、両者とも200kmを超える大会で活躍しています。今回調べた中で200kmを超えているのは大内 健(210.769km)と荒井 秀次(200.000km)を加えた合計6人です。荒井選手は2021年小江戸・大江戸200kを20:42:18で走り優勝しているのだから強い選手です。また宮崎 親一は24時間走こそ198.000kmですが、起伏の激しい長崎橘湾マラニック217kmを 25:52:40で走り2019年に優勝しています。

24時間走初挑戦ながら優勝候補の一人としておそらく上記選手がマークしているのが小野 喜之で、元々100kmを中心に活躍している選手ですが、今年のJapan Trophy 200で優勝した石川佳彦選手に続き2位でフィニッシュしました。タイムは18:22:00ですから、24時間走であればまだ5時間38分残しているのです。

女子選手は参加者数が少ないのですが、24時間走で200kmを超えているのは佐藤 恵里(202.500km)一人で、199.093kmの飯塚 友紀子が続きます。佐藤選手は2018年の小江戸・大江戸200kを23:44:48で走り優勝した選手であり、飯塚選手は2021年のJapan Trophy 200を26:35:00で走り4位に入った選手です。

2人以外にも2021年の小江戸・大江戸200kを30:46:06 で走り5位に入った滝澤 美香、2016年みちのく津軽ジャーニーラン200kを31:55:45で走り5位に入った長谷川 聖子、そして、2019年さくら道国際ネイチャーラン250kmを35:30:00で走り5位に入った波多野 明翠などが優勝争いを繰り広げるでしょう。

今回紹介した選手以外にも500kmを超える川の道フットレース完走者など200kmを超えるウルトラマラソンで活躍している選手が多数参加したのでどのようなレース展開になるのか楽しみです。

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