教えるのではなく、気づいてもらう。

定期的にパーソナルレッスンをしているメンバーとは専用のグループページを作っています。練習メニューを考えてもらったり、練習の振り返りを書いてもらい、それに対して私がいろいろ伝えています。

(*記事中の画像と内容は必ずしも一致しません。)

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練習メニューについては、その方の目標に向けて、私がやって欲しいと思うメニューはあるのだけど、それを一方的に私が組んだら、やらされ感がでてしまったり、出来なかったらストレスが溜まったり、無理して故障するリスクもある。もちろんその方の性格や目標によっても異なります。

また、学生や実業団のように毎日コーチと選手が一緒に活動するなら、コーチは選手の顔色や言葉、走りを見て、心身の状態を把握できるから、負荷の高いメニューを組み込むこともできる。週に1回会うかどうかの市民ランナーとコーチの関係で一番大事なことは、まずはそのランナーの身体の状態、そして心の状態を把握することだと思っています。そのために練習メニューを作ってもらってから、いろいろ質問をして修正していきます。

テンション高い時に1週間の練習計画をつくれば、頑張りすぎるメニューになるし、テンション低い時に作れば抑えすぎたメニューになることが多い。それをみて、ちょっと詰め込み過ぎだと思えば、負荷を落としてもらうし、それはいくらなんでも足りないと思えば、そのメンバーが無理なくできるような練習を足す提案をしていく。

そして練習後にはどのような感じで走れたかを書いてもらう。

練習時のタイムやペース、気象条件と行った客観的事実だけではなく、体調や主観的強度、そして今回の練習はどのようなことを意識し、その結果どのような気づきがあったかを率直にまとめてもらいます。

それを書くことで、曖昧な記憶が、整理された記録に残るだけではなく、練習後に言語化するために、練習中に無意識下で自分を俯瞰して見る時間が増えていきます。

また、メンバーが話した言葉、書いた言葉の中に、課題を見つけるのもコーチの役割です。

参考までに、練習後にこのような投稿がありました。

6/○ 皇居ジョグ2周
雨 23° 体調○

(主観)最初3 2周目後半から4

(意識したこと)膝を前に出すことにより、着地を少し後ろにして前に倒れるように走る

(気づき考察)○さんと皇居雨ジョグしました。最初は上記を意識して走りましたが、2周目あたりからおしゃべりに夢中になってたことと、2周目後半から身体がとても重くなり、前へ走るだけで精一杯でした。流しは出来なかった。

雨が止むと思って雨対策しないで走った(ランシャツランパンのみ)ことによる身体の冷え、自分には珍しく月曜日から毎日走ったり筋トレしたりしている疲れ?からかなと思いました。

帰った後も身体がだるく、今日も疲れを感じるので、今日はストレッチします。

あなたがコーチならどんな問いかけをしますか?

もちろん正解は一つではありません。その投稿の前段や状況、その方の性格などによっても変わります。

私はこのように聞きました。

2周目後半から身体が重くなった理由を書いてみてください。

それに対してこのような回答がありました。

雨に濡れたことによって体温下がり血液循環が悪くなり、だるく身体が重くなった。水泳の後のような重さだったので。
対策としては、レインウェアをきちんと着る?(そしたら今度は暑くて走りづらいかな?) 今後雨のレースもあると思うので、対策考えます。お腹が空いていたのもあるけどそれは関係ないと思ってます。走る前にジェルを一つ食べたし。

私はこのように返信しました。

見てないから実際のところは分からないけど、話しているとペースは落ちます。ペースが落ちるとAさんのフォームはどうなりますか?
多分そこが理由だと思います。それと昨日は蒸し暑かったから体温が下がったなんてことはないと思うし、短時間ならレインウェアも要らないと思いますよ。

そうか…。いろいろ考えました。雨で足元悪かった(少し滑るところもあった)ので、無意識に滑らないように無駄な力を入れて走った=腰を丸めて体幹を使わないで脚だけで走ったから?
思い出せば、最後は身体というか脚が重かったので、このような考察になりました。どうでしょうか?

それ正解です。雪国に人は冬にフォーム悪くなります。こうやって考えるといろいろ気付きありますよね

あと、お腹が空いていたけど関係ないとする理由が走る前にジェル1個食べたからとコメントにありますが、これも多少影響あると思ってます。ジェルは食べてすぐにエネルギーに変わるわけではなく、それまでは身体のエネルギーを使って走ります。それでお腹が空いたと感じていたならガス欠気味になっていた可能性はあります。ただポイントをいくつも伝えるより、この時考えて欲しいことは何か?を吟味して伝えないと焦点がボケるので、この時は、フォーム改善中のAさんに伝えるのはフォーム関連についてにしました。

エネルギー補給については、取るタイミングなど、伝えるタイミングはいくらでもあります。

今回の短いやり取りの中でも、Aさんは「力が入ると身体(脚)が重くなる」ことを自分の体験として気づくことができました。このような気づきを重ねていけば走りは変わってきます。

もちろん、BさんにはBさんに向けた伝え方があるし、CさんにはCさんに向けた伝え方があります。また同じことを伝えるにしても伝えるタイミングがあります。

例えば、ロスの大きい腕振りのメンバーに対して、その腕振りから改善していく場合もあるし、そこよりも違う箇所の改善を進めるケースもあります。また、私自身は真っ先に腕振りから改善したいと思っているケースでも、本人がその必要性を感じないケースもあります。その場合は無理強いすることなく他の改善点を進めつつ、タイミングをみて腕振りについてアドバイスします。

パーソナルレッスンに限らず、練習会や、オンラインレッスンや、オンラインでのトレーニング後にも毎回ではないけど参加したメンバー全員と個別にメッセージのやり取りをすることがあります。そのやり取りを通じて、動きを見るだけでは分からない、そのメンバーの課題が分かったりします。本人は言葉にしているけど気づいていない、繋がっていないことをイメージしやすいように繋げていくのです。

なぜ、「そう動いているか」「それが出来ないのか」の予測は立てられるけど、その原因はその方の過去に教わったことの経験だったり、思い込みだったりします。本人はもう忘れてしまっていることであってもそれがネックになっていることもあるので、それを見つけていくのもコーチの役割だと思っています。

今回、上段で書いた専用ページでのやり取りは、毎月1回パーソナルレッスンを受けるプラン専用です。こちらは多くの人を同時にお受けすることはできません。ご希望の方はFacebookページのメッセンジャーにてお問い合わせください。

ウルプロ・サブ3.5チャレンジ、サブ4チャレンジの第1期の申込枠も徐々に埋まってきました。ご希望の方はお問い合わせください。

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