トラブルが起きたら、まず受け入れる。〜ウルプロメンバー野辺山ウルトラ完走〜

半月前に開催された野辺山ウルトラマラソンでは、ウルプロメンバーや、ウルトラセミナー参加者が素晴らしい走りをしました。

野辺山ウルトラマラソン〜ウルトラセミナー、ウルプロメンバーの完走率は約90%〜

一人一人にさまざまなドラマがあり、全て紹介したいのですが、読者の方に参考になりそうなエピソードがある方を中心に紹介させていただきます。

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今回紹介するのは今年1月に入会した木村さんです。野辺山ウルトラマラソンに完走したいと調べた結果、ウルトラプロジェクトの存在を知ったトライアスリートです。

(画像は全て木村さんからお借りしました。)

紹介する理由は、そもそも制限時間の厳しい野辺山ウルトラマラソンなのに、寝坊してスタートに遅れるという痛恨のミスをしたのに、落ち着いて危なげなく完走したからです。

私はウルトラマラソンで寝坊をしたことはありませんが、誰にでも起こりうることなので、結構怖いトラブルです。

今回、私はメンバーの通過タイムなど応援ナビで確認していましたが、なぜか木村さんは5時スタートのはずなのに5時15分スタートのメンバーと一緒に走っているから、ウェーブを間違えたのではないか?と心配していましたが、レース後に寝坊と聞いて驚きました 笑

木村さんにその時、どう対処したかを含めていくつか質問をしたので紹介します。

【野辺山ウルトラに出た理由】

「今年、完走率が49%しかなかった日本でも有数の辛さのウルトラマラソンがあるらしいんだけど出てみない?」

昨年末の忘年会での先輩の一言。

これがきっかけでした。

トライアスロンの世界選手権に出場したこともあり、今後の目標を見失っていた時期だったので、頑張る目標が欲しいと思いエントリーを決意しました。

【ウルプロ入会】

野辺山に出場するからには絶対に完走したい。

週に一度以上はしっかりと練習会を開催していて尚且つレベルが高く、目標や手本となる人達がいる所に行ってみよう。

そう思って探しあてたのがウルプロでした。

1月にはじめて参加した皇居練習会では、1番低いクラスのスタートでしたが最下位のゴールで、物凄く火が点きました。

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【完走に向けての練習、計画】

野辺山ウルトラ対策セミナーで、目標タイム設定や、コース状況、坂道対策と暑さ対策など学び、自分自身が完走するイメージをしていきました。

また、週に一度は必ずウルプロの練習に参加して走力アップをはかりました。

ただ、野辺山の一カ月前に開催される宮古島トライアスロンの出場も決まっていたため、スイム、バイク、ランを効率よく練習しなければなりません。そこで、宮古島前は、平日の朝スイム練習を週2回行い、ランはウルプロ練習会以外に、赤坂御所を10kmから15km走り、週末はバイク100km + ランをしました。

宮古島終了後は、1週間30kmから50km走り、GWに最後の練習として、奥武蔵から秩父まで約42km起伏のあるコースを走りました。

【野辺山ウルトラのレース展開】

前半は想定よりもやや早めのペースで走りました。前半のトレイル区間で足が消耗すると思っていましたが、思いのほかダメージは小さく、また下りは気持ちよく走れました。40kmから50kmの10kmを55分で走れるとは思ってもいませんでした。

また、暑さが増す中、10kmをいかに集中して刻んでいくかを意識して、エイドでは絶対に長居しないで走りました。

そしてセミナーで学んだように、65kmからの斜度が急になる上り坂はほぼ歩きました。走る力は残っていましたが、走りたい気持ちを必死に我慢して頑張るところはここでないと言い聞かせました。

70kmから80kmは80分掛けて登りましたが、時計とにらめっこしながら、下りは気持ちよく走ってやる!との思いを馳せました。

下り切り、平坦な道を走ればラスト10kmでした。

最後の10kmは早く終わって楽になりたい気持ちと、もう終わってしまうという気持ちが入り混じりながらのランとなりました。

長い長い最後の登り坂を上がりゴールして時計を見ると、12時間14分と2年前のサロマ湖ウルトラのタイムを更新する自己ベストでした。

今までのウルトラマラソンはゴールの瞬間、感極まって泣いたりしていたのですが、あまりのコースの厳しさに妙に冷静になってしまい今回は涙も出ませんでした。

ゴールした時の気持ちは、完走出来てホッとしている気持ちが9割で、もっと出来たかもと思う気持ちが1割でした。

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【スタート前の大失態】

5時のスタートから逆算し普段ではあり得ない時間に起きるため、よく眠れるように飲んだ安定剤が効き過ぎて、4時50分に友人の電話で飛び起きました。

3時に起きて、ゆっくり朝食を取り、朝風呂で気持ちを整える…という全てのプランが崩れました。

急いでホテルを出て会場まで5分、5時スタートは無理なので、5時15分スタートの人たちと一緒にスタートするべく気持ちを切り替えました。

朝ごはんは食べる時間がなかったので、モルテンを急いで水に溶かして、車の中とスタート前にゆっくり飲みました。

会場に到着したのは5時8分。

仲間と少し話しをして、準備体操をしたらあっという間のスタート。

筆者注)

画像を見るとまだ起きていません。。木村さんは朝飯も食べずにモルテンドリンクだけでスタートし、ドロップバッグにもモルテンドリンクを置き、飲んだらガス欠にならず気持ちよく走れたと話しています。

結果論ですが、朝食を食べすぎに胃腸に負担をかけずにスタートしたことがプラスに働いた可能性はあります。

モルテンドリンクは500ccで320kcalも摂取できます。また使用したことのあるウルプロメンバーに話を聞くと、吸収がかなりよく飲みやすいと話しています。

【想定外のことが起こった時は】

木村さんを取り上げた理由は、今回の寝坊だけではありません。寝坊は本人の責任ですが、1ヶ月前の宮古島トライアスロンでは本人の責任ではないトラブルに巻き込まれたのです。

苦手種目で課題のスイム3kmを珍しく58分台でスイムUPし、これは過去最高のスタートだ!と意気込んでいたら、スイムのあとにバイクで使う服や靴などを入れておく袋が、自分のゼッケン番号のラックに…ない。

確実に、朝かけたはずの袋が、そこにないのです。

ボランティアの方々に訴えるも状況がよくわかっておらずウェットスーツを下だけ履いた半裸の状態であちこち探しまわる羽目に。

選手の方から、全く違う100番台のところにかけてありましたよ、と見つかった時には、すでに30分が経過していました。

バイクスタート時は、正直、完全にやる気を失っていましたが、沿道の声援に励まされ、起きた事を引きずっていても仕方がない。と気持ちを切り替えて、応援にも笑顔で応えていると自分の中のプラスの感情が高まり、宮古島の人の温かさに触れ、とても清々しい気持ちでレースを楽しむ事が出来ました。

トラブルが起きたらまず、

起きた事を受け入れる。

気持ちを切り替える。

ゴールまでを逆算して考える。

今何をすべきなのかを瞬時に判断する。

そして、

レースに出ている事に感謝しながら走る。

非日常を思いっきり楽しむ!

これが、二度のトラブルから僕が学んだことです。

この完走記が、これからウルトラにチャレンジする方にとって少しでも参考になれば幸いです。

最後に

ウルトラマラソンは距離も長ければ、時間も長いので予期せぬトラブルが次から次へと襲ってきます。そのトラブルにやる気を失ったりネガティブな感情になってしまうと負のスパイラルに巻き込まれます。木村さんの素晴らしいのは、トラブル発生時に気持ちを切り替えることが出来たことです。

あと大事なことが記事に書かれています。

それは、友人の電話で飛び起きてから18分という極めて短時間で着替えてスタート地点についていますが、それは寝る前にしっかり準備をしていたからこそ出来たのです。前日に準備をしておくことで忘れ物のリスクも減少します。

仮に起きてから準備をしたなら、スタート制限時間の5時30分に間に合わなかったかもしれません。寝坊が失敗ですが、前日の準備がスタートできないという最悪の自体を防いだのです。

ウルトラセミナーは不定期開催ですが、現在募集中のセミナーはこちらです。

6/11 第34回ウルトラセミナー 〜サロマ湖ウルトラ直前対策セミナー〜

また、ウルトラプロジェクト練習会の開催日程はこちらです。参加ご希望の方はFacebookページのメッセージにてお問い合わせください。



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