低酸素トレーニングの効果とメカニズム その3〜低酸素トレーニングでスピードも持久力も向上〜

低酸素トレーニングの効果とメカニズム その2〜低酸素トレーニングをどう使うか?〜

低酸素トレーニングの効果とメカニズム その2〜低酸素トレーニングをどう使うか?〜 から続く

<スポンサーリンク>


□小江戸大江戸200Kに向けての練習

2017年秋はフルマラソンを中心に走ろうと思っていましたが、家庭と仕事の事情で遠征ができなくなり、予定していたレースのほとんどをキャンセルすることになってしまいました。気分も落ち込み、仕事も忙しく、走ることに集中できませんでした。まとまった練習や、負荷の強い練習ができない中で、低酸素トレーニングは非常に役に立ちました。

秋から、すみだケッズスポーツマッサージ内にあるハイアルチリカバリーに通いました。こちらでは個々の利用者に合わせて負荷を調整させて頂けます。私が低酸素トレーニングに慣れていたことから、2コマ継続し60分の負荷をかけていくことを許可していただきました。最初の40分は1㎞7分程度のゆっくりした負荷から始めますが、それでも私の場合SPO2は85%くらいまで低下します。そのあとショートインターバル(40秒ダッシュ、80秒レスト)を5本行い、あとはまたジョグです。

私は心拍が上がりやすいのでインターバルをすると心拍が190くらいまで上昇してしまい、短時間で効率の良い負荷をかけることができました。

自宅からすみだケッズ・ハイアルチリカバリーまでは4.5㎞と近く、少しでも走る時間を捻出したかったので、トレーニングの前後も必ず走って移動しました。小江戸大江戸200Kは必要な荷物をリュックに入れて走るので、荷物を背負って走ることに慣れる狙いもありました。

2017年11月から2018年1月にかけては低酸素トレーニングと、短いジョグを毎日繰り返すような細切れの練習しかできませんでした。

1月後半から少しまとまった時間が取れるようになり、1日で50㎞~90㎞走るロング走を全部で6回施行できましたが、どの練習においても最後まで疲れ切ることなく走りきることができました。それまでの低酸素トレーニング+細切れジョグでも十分持久力を高める効果があったのだと思います。

自分一人で走るときはなるべく空腹で街を走り、おなかがすいたとき、ペースを保てなくなった時に「何を食べたら自分は回復するのか?」ということを実験していきました。無理に空腹状態を維持して走るのではなく、その時々の状況で、今必要なのは水分やナトリウムなのか?糖質、脂質などエネルギーなのか?などと自分の体と向き合いながら自分に合った補給を探して行く過程は楽しく、本番に繋がりました。

レースの3週間前に小江戸コース91㎞の試走をする機会があり、休憩を除くとほぼ1㎞6分のペースで走りきれ、大きな自信になりました。

それまではタイムを狙って走るつもりはなかったのですが、友人からのアドバイスで当日は25時間台で走りきれるペース設定を考えて走ることにしました。

レース2週間前からは疲れるような練習はせず、疲労回復に努め週1回は低酸素トレーニングを継続。最終調整はレースの2日前に60分、その時は脚を温存したかったのでインターバルはせず全部ゆっくりジョグでした。

小江戸大江戸のコースはすみだケッズ・ハイアルチリカバリーの近くを通過するのですが、当日は深夜にも関わらずスタッフの方が応援に来てくれて嬉しく思いました。

本番は予想以上に疲労を感じず最後まで走りきることができました。途中たくさんの友人からの応援をもらい、一人では決して出せない結果を出すことができて感謝しています。

 

第8回小江戸大江戸200K記録集に掲載の通り、佐藤さんは2位に1時間30分以上の差をつけて23時間44分47秒で女子優勝(大会新記録)しました。390人が出走した大会で男性含めて6番目にゴールという素晴らしいタイムです。

低酸素トレーニングをスタートし効果を実感し始めた頃に優勝したみちのく津軽ジャーニーラン(200km)のタイムは29時間58分でした。今回の距離は4km長い204kmですが6時間短縮したのです。

佐藤さんは、『みちのく津軽ジャーニーランは7月開催で暑く難しいレースでだったと振り返っていますが、今回6時間縮めたのは、天気のせいだけではなく、低酸素トレーニングの効果が大きい』と話しています。

<スポンサーリンク>


□スピード能力も向上

私のやり方はゆっくり走っているだけで強い負荷をかけていないため、スピード能力はあまり改善せず、フルマラソン以下のレースでは全く記録が伸びていないと考えていました。ただやり方を変えて強い負荷をかけるようなトレーニングをするのであれば、フルマラソンなどの短い距離のレースにも有効ではないかと考えていました。

そして今月開催の新潟ハーフマラソンを1時間34分26秒で走り、2年9か月振りに自己ベストを更新することができました。95分切りは一生できないと思っていたのでホント嬉しかったです。それは短時間でも低酸素インターバルで心拍を190くらいにまで上げていた事が効果的だったと思います。今まで私はキロ4分半で走るとすぐに190になり苦しくなり失速していたのですが、今回は序盤を180以下で走ることができたので苦しさに耐えられたことで最後まで持ちました。

 

(補足)佐藤さんも書いていますが、心拍数が限界域に入ってしまえば長い時間耐えることはできません。私も低酸素ルームで同じように40秒ペースアップ(リカバリー80秒)を5セット行なっていますが、このくらい短時間であれば心拍数が上がっても耐えることができます。それを繰り返すことで徐々に心肺能力は高まっていきます。私自身も低酸素トレーニングを行なってからスピードレースの10kmでも、214km走った24時間走でも自己ベストを更新することができました。

<スポンサーリンク>


□これから低酸素トレーニングを始める方へ

低酸素への適性には個人差が大きいことを理解することが大事です。

他の人があれだけのペースで走れているから、と真似をすることは良くありません。まずはゆっくり歩いたり走ったりして、SPO2を測定しながら状態を確認してください。

低酸素に強い方は速いペースで走るような負荷をかけられますが、私のように低酸素も心肺機能も弱い人はゆっくり走るだけでも負荷になります。今はそれがかえって良かったのではないかと思っています。すみだケッズ・ハイアルチリカバリーではスタッフの方が傍について相談をしながら低酸素トレーニングをしてくれるので、個々にあった負荷をかけることができます。

また、トレーニングをしたいが時間がない、故障中で走れない方、貧血の方に特に勧められるトレーニングだと考えています。

 

佐藤さんありがとうございました。私自身も効果とメカニズムを復習することができました。補足ですが、足首を捻挫したウルプロメンバーもすみだケッズ・ハイアルチリカバリーで、足首を動かさなくてもトレーニングできるバイクなどを低酸素ルームで行うことで心肺能力が高まり、回復後自己ベスト更新しました。同じ施設に接骨院・スポーツマッサージがあるので治療をしながら故障箇所に注意しながら安全にトレーニングをすることができます。

ハイアルチリカバリーでバイクトレーニング〜心肺機能向上を目指して〜

ハイアルチリカバリーが併設された錦糸町のケッズスポーツマッサージの場所や予約方法についてはこちらをご参照ください。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA