男子長距離低迷の元凶は?

 

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今回のオリンピックも、前回の世界陸上も男子長距離は残念な結果に終わりました。

走った選手や関係者も悔しいでしょうが、テレビ観戦をしていた多くの方も、なんで日本人選手は自分の走りが出来ないのかと歯痒い思いをしたのではないでしょうか?

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アフリカ勢の激しい上げ下げにスタミナを削られたなんてアナウンサーも話しているけど、そもそもなぜ強い選手が得意とするレース展開に、力で劣っている日本選手が合わせる必要があるのかと、Facebookにも多くの書き込みがされています。

長距離選手にとって厳しいのは、昔に比べ競技としてマラソンをライフワークにする市民ランナーが増えたことから、目の肥えた視聴者が増えたことです。例えばやり投げやハンマー投げなどの投擲種目や、跳躍種目で力を発揮できずに終わった選手がいたとしても、詳しい視聴者は少ないでしょうから特にコメントのしようもないでしょう。

さて、タイトルについて書きます。実際は様々な原因があるのでしょうが、私が感じていることも、低迷の一端になっていると思います。

それが原因で、ケニア人選手を中心としたアフリカ勢には勝てるはずがないと意識の底に埋め込まれているように感じるのです。

それは外国人留学生の参加ルールです。

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まず高校駅伝は、2008年大会から外国人留学生の1区起用は禁止されています。しかも1人しか走れない。ちなみに1区は花の1区と呼ばれ、42.195kmのほぼ1/4を占める最長の10km区間です。なぜ留学生が1区を走れないかといえば速すぎてレースが決まってしまうから・・・。日本人が勝てないから留学生を1区から排除したのです。このことが原因で高校時代から留学生は別格だから勝てなくても仕方がないという意識が刷り込まれた選手も少なからずいると思います。今や日本人高校生のレベルは非常に高くなっているので、高校生のうちからレベルの高い留学生と真っ向勝負することでさらに強くなるのではないでしょうか。

次に箱根駅伝は、留学生禁止区間はありませんが、区間エントリー10名のうち留学生が走れるのは1名だけです。

さらに実業団チームの多くがマラソンなど個人種目より力を入れているニューイヤー駅伝においても、外国人が走れるのは「インターナショナル区間」の2区だけです。その他の区間は走ることができません。

才能ある中学生が、高校駅伝強豪校に入り、全国高校駅伝で活躍し、箱根駅伝強豪校に入り、箱根駅伝で活躍し、強豪実業団に入社し、ニューイヤー駅伝で活躍し、日本を代表するランナーになっても世界と戦えないのは、実力がないのではなく、高校時代からいずれ世界のトップ選手になるかもしれない留学生と切磋琢磨する機会を遮断されているからかもしれません。

また、福岡国際マラソンなどでも、日本人1位という言葉が飛び交っていますが、選手も優勝を狙うのではなく、日本人1位を狙って走っているようにも感じることがある。瀬古選手や中山選手が活躍した日本長距離黄金期にはどんなレースでも優勝目指して頑張っていたと思います。

もちろん、これだけが原因ではないでしょうが、男子長距離が復活するには、これらの仕組みを変更するのも一つだと思います。

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