日本陸上競技選手戦10000Mには箱根駅伝選手ズラリ 〜世界記録と1周23M差の現実〜 を書いていていろいろ感じることがありました。
<スポンサーリンク>
今回の参加資格タイムで27分台は以下の7人です。
- 22 設楽 悠太 27:48.35
- 24 大石 港与 27:48.56
- 18 大迫 傑 27:50.27
- 23 市田 孝 27:53.59
- 19 大六野 秀畝 27:54.75
- 20 鎧坂 哲哉 27:57.63
- 21 浅岡 満憲 27:59.72
そして、世界記録は2005年にエチオピアのK. BEKELEが出した26:17.53です。
このタイムはトラック一周を平均63秒で走り、今回出場選手で一番速いタイムの設楽悠太選手は66.7秒です。
400mを63秒で走るには1秒で6.35m進みますが、設楽選手のタイムとの差は3.7秒ですから、1周で23mの大差がつくので、レース終盤に入る前に周回遅れにされてしまいます。
ここまでは、日本陸上競技選手戦10000Mには箱根駅伝選手ズラリ 〜世界記録と1周23M差の現実〜 で書きました。
そこで市民ランナーに置き換えた例など紹介しました。
この差は埋められない。と結論だけ書いても仕方がないので、また違った目線から考えてみます。
私がよく考えるのが、そのペースでどこまで行けるか?です。
<スポンサーリンク>
マラソンの世界記録は2時間02分57秒の半分は1時間01分28秒ですが、日本のハーフマラソン歴代記録でこのタイムをクリアしている選手は23人います。
- 佐藤敦之(中国電力)1.00.25
- 高橋健一(富士通)1.00.30
- 菊地賢人(コニカミノルタ)1.00.32
- 村山謙太(駒澤大学)1.00.50
- 宮脇千博(トヨタ自動車)1.00.53
- 茂木圭次郎(旭化成)1.00.54
- 宇賀地強(コニカミノルタ)1.00.58
- 小林雅幸(三井海上)1.01.04
- 神野大地(コニカミノルタ)1.01.04
- 高岡寿成(カネボウ)1.01.07
以下
永田宏一郎、設楽啓太、大迫傑、木原真佐人、丸山文裕、坪田智夫、星創太、設楽悠太、中谷圭佑、深津卓也、服部翔大、工藤有生、森勇気
現実的にはハーフマラソンのタイムの2倍でマラソンを走ることはできませんが、少なくとも中間点までは現在の世界記録ペースで走れる選手が過去を含めて23人いたということです。またこの23人の中にはまだまだ伸び盛りの選手も含まれています。
これらの選手はマラソン世界記録ペースで中間点までは走る力はあり、ランキング上位選手は23km、24km、25km・・・ともっと先までいけたはずです。
このような観点で10000mの世界記録ペースに日本人選手はどこまでついて行くことが出来るかを見てみるとマラソンよりかなり厳しい結果になります。
世界記録、26:17.53の半分は13:08.76ですが、これをクリアしているのは、5000m日本記録保持者の大迫傑選手(13.08.40)ただ1人なのです。
歴代5位までは以下の通りです。
②鎧坂哲哉(旭化成)13.12.63
③松宮隆行(コニカミノルタ)13.13.20
④高岡寿成(鐘紡)13.13.40
⑤佐藤悠基(日清食品グループ)13.13.60
ダントツのスピードを持つ大迫選手でも半分までしかついていけませんが、今回、日本選手権に出る選手が何mまでなら400m63秒ペースで走れるか?は興味あります。
このペースで1500mを走ると3分56秒ですから、10000m出場選手は全員クリアしているでしょう。となるとついていけるのは1500m以上5000m未満となります。
<スポンサーリンク>
実業団チームが最も力を入れているのはニューイヤー駅伝です。ニューイヤー駅伝は7区間・100kmでハーフマラソンの距離を超えてるのは4区の1区間だけで、これを除いた平均距離は約13kmです。
箱根駅伝の1区間はだいたいハーフマラソンの距離であることから考えると、ニューイヤー駅伝はその6割程度の距離になります。(なぜか距離が短くなるのです。。)
そのニューイヤー駅伝で勝つため、マラソンの練習より5000mや10000mのスピードアップが優先されていると聞きますが、世界レベルでは5000mや10000mはかなり差を付けられています。
逆に日本の大学生のハーフマラソンのレベルはかなり高いと感じました。これは箱根駅伝の効果でしょう。大学生でハーフマラソンを60分台、61分台で走った選手は歴代20人います。また、今年の日本学生ハーフマラソンでも8位までが61分台、62分台です。
ダニエルズ係数の観点で見ると、ハーフマラソンを62分で走ればマラソンを2時間9分台で走れます。
大学を卒業して、実質プロランナーとして走る実業団選手も多いですが、2時間10分を切る選手は非常に少なく、また5000m、10000mでも世界レベルと差が開いているのは残念です。
それを、考えると以前書いた、瀬古利彦が衝撃提言「箱根駅伝に42.195KM区間導入を」について に話が繋がります。
少し話が逸れましたが、高い目標に届きたいなら、そのペースでどこまでいけるか?への挑戦も必要と思います。これは市民レベルでも同じです。
とにかく今日のレースで少しでも世界との差を詰めたいという気迫のある走りを期待してます。