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灼熱のみちのく津軽ジャーニーラン その3〜股擦れとの静かな戦い〜 はこんな風に終わりました。
ここにランニングパンツを普通に下ろしても、肌と直接接しないから擦れはなくなりました。右脚内腿も多少擦れていたので、ザッグからネックウォーマーを出して同様に対処しました。これでようやく走れる。
と思いましたが一難去ってまた一難というべき事象が出てきてしまいました。
試行錯誤のすえ股擦れを克服し、気温も徐々に下がってきたのでようやく走れると思ったら別のトラブルに襲われました。
それまで股擦れの痛みに気づかなかったのか、股擦れを庇って変な走りになってしまったのか左足首のスネがズキズキと痛み出してきたのです。
歩けば痛くはないけど走ると痛い。スタートから80kmで起こるとは思わなかった予期せぬ出来事でした。
股擦れは高温多湿なので、相当な確率で発生すると思っていましたが、脛の痛みはショックでした。
100kmマラソンは、もっと速いペースで走りますが、この部位が痛くなった記憶はありません。なぜ今回痛くなったのか?答えが見つかりませんでした。
なぜ発生したのか原因が分からないと、その原因を取り除くことは難しいです。
また経験のある痛みなら原因や対処、そしてどの程度の無理をして良いのか分かりますが、経験のない箇所なので多少無理して良いのか、無理をしてはいけないのか分からないのです。
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今回も、痛み止めや胃薬、下痢止めなど一通りの準備はしていますが、これらは最後の手段と考え、特に痛み止めは基本使わないと決めていました。
なぜなら痛みは身体からのサインであり、それを薬で誤魔化したら悪化してしまう可能性が高く、また胃を荒らしてしまうリスクもあり、そこまで問題のなかった胃までおかしくなってしまうかもしれない。
まだ早歩きは出来るから、完走の望みは残っていますが、胃までおかしくしたら完走できなくなるかもしれません。
「痛みに負けたくない。」「薬に頼りたくない。」といったことから痛み止めを使わないというより、使うことにより発生するデメリットを避けたかったのです。
所持している理由は、収容バスのないこの大会は、リタイアしても自分でゴール地点に帰らねばなりません。その時に交通機関に乗るのも困難な痛みは避けたいと思ったのです。
結局、走行中に痛み止めや胃薬など使わずにゴールできましたが、足首の痛みはだんだん悪化し、また足首が痛くなった直後から左右の足底も痛くなってきました。
足底に関しては、濡れたことによる靴擦れと思っていました。
スネという経験のない痛みが、なぜ発生したのかレース中は分からなかったけど、レース後の身体の状態を確認することでいろいろ分かってきました。
原因は複合的なものだと思いますが、最大の理由は足の浮腫みだと考えています。
普段、浮腫むことがなく、214km走った昨年の24時間走でも浮腫みはありませんでした。
今回浮腫んだ理由は、やはり暑かったので、体内の電解質バランスが崩れたのでしょう。
ではなぜ右足首は大丈夫だったのか?
当初、私自身も左側だけなので、股擦れを庇って走る際に変なフォームになったのだと思っていましたが、左が痛くて右は大丈夫な理由は浮腫みと考えると説明がつくのです。
今回のシューズは鰊御殿まで25.5cmのズームフライを履いていました。このシューズは脛に負担がかかりやすいのでそれが原因と走りながら考えていましたが、単純に浮腫みによりシューズがキツくなったのです。
私の足の実寸は左より右が0.5cm小さいことから、左足はキツくなった時でも、右足は少し余裕があったので大丈夫だったのでしょう。
足が浮腫んだことで、小さなキツイシューズを長時間履いたら血行は悪くなるし、スネが痛くなるのも説明がつきます。
途中で足首がキツくてソックスをめくったりしていた記憶もあるので間違いありません。
では今後どのように対処したらよいか考えると、足の浮腫みの発生メカニズムを調べ、浮腫みが発生しないように準備をしつつ、浮腫むことを想定してシューズを選ぶ必要性を感じました。
もちろんゆるゆるではなく、シューレースをしっかり締めればフィットし、少し緩めればゆったりするようなシューズを、蒸し暑く浮腫みが発生しやすい時期の超ウルトラでは履こうと思います。具体的にはサイズを0.5cm上げるとかワイドモデルを選ぶとか、素材が柔らかいアッパー素材を選ぶとか選択肢はいろいろあります。フルマラソンや、序盤はキロ5切って走るような100kmマラソンなら比較的フィットしたサイズを選びますが、超ウルトラマラソンの場合はタイト感はマイナスに働くこともあります。
これが正解かどうかは分かりませんが、試行錯誤することで正解に近づいて行くと思います。
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今回、CP4辺りから全て歩いてCP5の鰊御殿を目指しました。全て歩くと中々辿りつきません。ただこんなに歩いたのにCP5到着は総合16位(男子14位)とそれほど落ちませんでした。
CP5に着くまでは、そこで対処することを頭に浮かべて、それらをすることで痛みがスーッと消えることを期待しましたが、何も変わりませんでした。。
ただ、食欲はあるし胃腸トラブルはなく、ゴールまで歩き続ければ十分間に合うことは分かっていたので、初めて訪れた此の地をしっかり感じながらゴールを目指すことにしました。
もちろん、スネの痛みが出た時に、痛みを我慢して走ることはできましたが、まだ100km以上残っている時点で我慢し続けることはまず無理で、大きな故障に繋がる可能性もあります。当然リタイアになる可能性も大きくなります。
その時点で迷わず完走するために歩きに切り替えた判断は間違っていないと思います。
その5に続く