一生懸命練習して挑んだ東京マラソンで、思い通りのレース展開で走れた方はほんの一握りだと思います。
大半のランナーが自分の思い描いたようには走れていません。ただそのランナーの大半はそのような結果や走りになることを予測していたと思います。
レース前に体調を壊したり、思うような練習が出来ていなかったり、疲労が抜け切れていないのを自覚していたり、もしくは、潰れるのを覚悟して序盤ハイペースで走ったり・・・内容は様々ですが、想定の範囲内のレースだったのではないでしょうか?
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今日書くのは練習では調子が良かったのに、その力をほとんど出せないで終わってしまったケースについてです。
そのケースにも原因はいろいろありますが、そのようなレースになったランナーはだいたいこのように答えます。
・脚が攣ってしまった。
・普段痛くならない箇所が痛くなった。
・気持ち悪くなった。
・根性がなかった。
根性の部分は別にして、足攣りや気持ち悪くなったのは直接の原因ではなく、他に原因があり結果的にそうなったのです。そこに気づかない限り何回も繰り返します。
また、失敗したことを客観的に分析しないで、“根性がなかった”で済ませてしまうと何も変わりません。
仮に根性がないことが原因と自覚しているとして、次のレースまでにどう根性をつけるのか明確になっている人は少ないでしょう。
そもそも、キツイ状況で肉体の限界を超えて頑張れるのを根性としたなら、短期間で変わるわけもありません。
私は自分自身について根性がないと思っています。
周囲の評価は分かりませんが、自分自身、頑張りどころで自分に負けることは多々あります。もちろん勝つこともありますが、圧倒的に負け越しています。
でも、そのことで大きな故障をしていないのだと思います。
また、根性がないことを認識しているからこそ、そのギリギリの状況にならないよう対策を考えています。
靴擦れで一歩ごとに激痛に襲われても根性で耐えてゴールするようなことは出来ないから、靴擦れがおこらないように対策をたてるし、起きてしまったら悪化させないように対処してます。
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今回、書きたいことから話がずれていくので、戻します。
私はウルトラプロジェクトメンバーのレース前の調子や、本人の走力や精神面からだいたいレースのタイムは分かりますが、稀に明らかに力を発揮できていない。と感じるケースもあります。
そのケースに多いことを一言でいうなら、普段と違うペースで走ったからです。
例えば、普段20キロ以上走る練習をキロ5より速いペースで余裕を持って走れているランナーが、フルマラソンの距離に不安があると、5’30/kmなどペースを落とし過ぎることがありますが、これがタイトルの『練習ではこんなことなかったのに・・・』に繋がります。
20キロ、25キロ、30キロ走などで、キロ5からペースアップして走れる方が、後半のために温存しようと序盤から5’30/kmで走ると様々な弊害が出てきます。
ペースを落とすには何をすれば良いか?
遅く走るには何をすれば良いか?
大半の方は速く走るために何をすべきかを必死に会得しようとしていますが、遅く走るにはどうすれば良いかなんて考えたこともないと思います。
まずスピード(ペース)の決まり方は
ストライド×ピッチ数 で決まります。
一歩1mで1分間に180回足をついたなら1分間に180m進みます。
このランナーが1キロ走るのに要する時間は
1000÷180=5.555・・・ですから5分33秒です。
このランナーが、それより遅く走ろうとすれば何をすれば良いか?
簡単ですよね。
1歩あたりの歩幅を小さくするか、脚の回転を落とせば良いのです。その両方すればさらに遅く走れます。
では、歩幅を小さくするにはどうしたら良いか?
いろいろ方法はありますが、
・後傾する
・尻を落とす
・上に飛ぶ
・腕振りを抑える
・骨盤を動かさない
・接地で地面を押さない。
・接地で沈み込む
他にもあるでしょう。
また、ピッチを落とす。脚の回転を減らすにはどうすれば良いか?
・腕をゆっくり振る
・上に飛んで滞空時間を長くする
・そもそも脚をゆっくり回転させる
・身体の前方でブレーキをかけるように接地する
他にもあるでしょう。
必要以上にスピードを落とすのは、こんな動きをしているのです。このような行為をしたらどうなるでしょうか?
・遅いペースが馴染んでしまう。
・普段使わない筋肉を使ってしまう。
・リズムを崩してしまう。
また、本来なら30キロを2時間30分で走れるのに3時間かけたなら、30分余計にコースに入るわけですからエネルギーを余計に消費します。
これでは効率的に走る反対の行為です。
結果的に
普段だったら楽に走れている20キロくらいで、身体のあちこちが痛くなったりしてしまうことがあります。
では、なぜ普段練習しているペースより落とし過ぎるのかと言えば、不安だからです。
30キロ以降も脚は保つのだろうか?と自分を信じられないのです。
保つか保たないかは本人の練習などにもよりますが、必要以上にペースを落としても保たないランナーは保ちません。
普段5’00/kmで距離走をしている方が30キロからペースを保てなくなるからといって、5’30/kmに落とせば30キロ以降もペースが維持できるか?と言えば多分維持できません。仮に維持できたとしても、5’00/kmで走り少しづつペースダウンした方が速くゴールできます。
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一番大事なことは、今まで一生懸命練習してきた自分を信じてあげることではないでしょうか?
これは100キロレースでも24時間走でも同じです。必要以上にスローペースで走るとフルマラソンでは痛くならない箇所が痛くなり不本意なレースになります。
フルマラソンでは痛くならないのに、ウルトラだと30キロで痛くなる理由
これは昨年ウルトラセミナーに参加した方からの質問に答えたことを記事にしたものです。
また、終盤失速してしまった方は、エネルギー補給が不足していた可能性があります。
フルマラソンにおけるジェル摂取のタイミング 〜ドクターランナー・市民トップランナーのアドバイスを追記〜
悔しい思いをした方は、記憶が鮮明なうちに、振り返ってみてください。
くれぐれも根性がなかったと簡単に漠然とした結論付けはしないでください。
原因が明確になればなるだけ、どこをどう頑張れば良いか分かってきます。
ウルトラプロジェクトメンバーが自己ベストなど目標達成したり、入会時には考えてもいなかった走りができるようになっている理由は、“効率的に走る”をキーワードにし、どう走れば効率的なのかなど考えて練習しているからです。
体験参加は随時受け付けしておりますが、参加人数が多い時はお断りすることもございます。ご希望の方はFacebookページのメッセージにてご連絡ください。
【開催日時】3月18日(土)PM20:00-PM21
【開催場所】ルナークス・ランニング・カンパニー
【定員】12名
【講習料】¥3,000
【お申込み】下のメールフォームからお願いします。詳細な内容や申し込みは下記リンク先におすすみください。