ナイキズームXテンポネクスト%を昨年11月に購入した後、このような記事を書きました。
重量はメンズ25.5cmで236gだけど、履いてみるとそこまでの重量感はありません。
当時はよく履きましたが、最近はほとんど履かないシューズになっていました。理由は遅めの練習は、ブルックスハイペリオンテンポ、少し速めの練習はHOKAロケットX、速い練習はアルファフライを履くことが多く出番がなくなったという感じです。
昨日久々に履いた理由は、月曜日にシューズ選びのオンラインセミナーをルナークス・ランニングカンパニーの佐藤店長にも入ってもらい開催しました。
その中でテンポネクストを愛用しているウルプロメンバーから、そろそろヴェイパーフライネクスト%2履けるだろうと思い購入したが、テンポネクスト%の方が反発を感じるくらいで、ガッカリした的な質問がありました。
そもそも反発を感じるとはどのような状態なのか?どのような効果を感じるのか?は一人一人違うと思いますが、そのメンバーの場合は、同じ力で走ってもグングン前に進むということを期待したのでしょう。
シューズを選ぶ目的は様々で、自分の感覚通りのスピードで走れるシューズが良いと感じる方もいれば、感覚よりスピードが出るシューズの方が良いと感じる方もいます。そして感覚は徐々に適応してしますので、最初は自分の感覚より前に進みやすいシューズと感じても、それを履いているうちにそれが当たり前になり、それまで履いていたシューズはスピードの乗りにくいシューズになってしまったりします。
私が、跳ね返るような反発もなく、前傾姿勢を作ってくれるドロップもないアルトラを履いて走る理由は、感覚がズレすぎないようにしているのです。
そのメンバーの質問に対して、私と、佐藤さん双方から感じたことを伝えましたが、そう言えば、最後にテンポネクストを履いてから随分時間が経過しているので、シューズの感覚も忘れていたので久々に靴箱から出して走ってみました。
まず、テンポネクスト%が発売した時のメーカー戦略は、同時期に発売したアルファフライの練習用シューズの位置付けだったと記憶してます。
アルファフライは前足部にエアポッドという独特のクッション・反発部品があるので、その感覚に慣れるために練習ではテンポネクスト%を使ってください。と、アルファフライを買うユーザーに同時にもう1足買ってもらう戦略だったのでしょう。
テンポネクスト%はすぐに値崩れを起こしましたが、定価は24,200円とアルファフライ33,000円と一緒に買うと57,200円とお高い買い物になりました。
私は、アルファフライ購入時に、テンポフライは買いませんでした。理由は練習用として使うシューズに24,200円は高過ぎるし、アルファフライに慣れるためなら、アルファフライを履いた方が練習になると思っていました。当時アルファフライは品薄で入手困難でしたが、販売初日に買ったアルファフライがダメになる前には品薄も解消されていると思っていました。
その後、テンポネクストを試し履きできるランステでレンタルしてみたところ、これはアルファフライの練習用と言うより、良くも悪くも全く別のシューズだと感じました。
そのテンポネクストを買った理由は、上に貼ったリンクを読んでいただければ分かりますが、購入したいと思える価格帯になったからです。
さて、久しぶりに走ってみて、私は中距離を走るような速いスピードでも、キロ5を超えるようなスピードでも、テンポネクストより、アルファフライの方が走りやすいと感じました。
理由は、接地後の反発がアルファフライよりコントロールしにくいのです。アルファフライは低速なら反発は弱くスピードをコントロールできますが、テンポネクストは低速でも反発が強いのです。
キロ4分30秒より遅いスピードなら間違いなくテンポネクストの方が反発は強くスピードはでると感じる方が多いでしょう。
また、ソールをみれば分かりますが、アルファフライの踵部には強化されたアウトソールは貼られていません。踵をついて走るランナーが使用する前提にはないシューズなのです。対してテンポネクストは踵にもしっかり黒いゴムのアウトソールが貼られています。
アルファフライ
テンポネクスト%
昨日、あえてテンポネクストをヒール気味で走ってみたらそれなりに走れました。接地の瞬間に前足部のエアポッドをつかずに踵からついてエアポッドに乗るような走りでも問題なく走れます。
思い切り踵を地面に突き刺すかのような走りだと柔らかいズームX素材は潰れてグニャグニャして安定感がないように感じると思いますが、このような走りをする方以外は、多少踵接地でも走れるシューズです。
また、カーボンプレートは入ってないけど、前足部にエアポッドがあり、全体に分厚いズームX素材をふんだんに使っているので、ヴェイパーフライネクスト%やアルファフライより速く走れると感じる方は少なくないと感じました。
カーボンプレート入りのシューズは少なくとも接地時には前足部もしくは足裏全体で地面を押すことが出来ないとカーボンプレートは曲がらず推進力に繋がりません。そのような走りならカーボンプレートなしのテンポネクストの方が反発を受けやすいと感じました。
テンポネクストを履いていて、アルファフライやヴェイパーフライネクスト%も試してみたいと言う方は、まずは試したら良いのですが、高いシューズなので買ったけど使えないとガッカリします。
そうならないために、履いているテンポネクストのソールの減りをチェックしてみてください。絶対ではありませんが、エアポッド部より、踵の黒い部分の方が摩耗している方、特に踵がガッツリ削れている方は、多分ガッカリするような気がします。
逆に、踵部の摩耗はほとんどなく、エアポッド部の摩耗が大きい方なら、アルファフライを気持ちよく履けると思います。踵部も多少摩耗しているけど、前足部の摩耗が大きいなら、ヴェイパーフライネクスト%が良いかもしれません。
もちろん、走ってみないと分からない部分は多々ありますが、少なくとも踵がガッツリ摩耗しているなら、無理にアルファフライなど履く必要はないと思います。
私のテンポネクスト%は、それほど長い距離履いているわけではないので、前足部も踵部も磨耗はほぼありません。
1年以上、そこそこの頻度で履いているアルファフライと、ほぼ新品のアルファフライを比較すると、エアポッドの磨耗が激しく、踵部の磨耗はほとんどないのが分かります。現在履いているテンポネクスト%のソールをそのような観点でチェックしてみてください。
念のために書いておくと、踵から接地するのが悪いわけではなく、踵から乗り込んでいき力を伝えるような走りが出来ている方が、無理に踵をつかないように走れば脛を中心に負担がかかります。負担がかかるということは故障リスクが高まるということです。個人差が大きく身体の強さや、どのような頻度で身体のケアをしているかによっても変わってきますが、ここで一番言いたいことは
接地だけ変えようとしないでください。
フォアフットやフォアフット気味に走りたいなら、接地を変えるのではなく、上半身を含めた身体全体の動きを変えることで、結果的に接地が変わってくるようなのが良いと思ってます。
また、フォアフットもしくは、フォアフット気味の接地をするには、上体の姿勢は、適度な前傾をキープする必要がありますが、その姿勢を保つためには、体幹部の筋力も必要になってきます。
カーボンプレート入りシューズも、以前のようにナイキ1強ではなく、アシックスはじめ、各社さまざまなシューズを販売しているので、まずは足入れして、フィット感のよいシューズを選んでください。アルファフライやヴェイパーフライネクスト%が合わない方が、アシックスメタスピードスカイを履くと非常に走りやすいと感じるケースもあります。
オンラインセミナーでの質問に対して、テンポネクスト%が走りやすいのであれば、無理にヴェイパーフライネクスト%2を履く必要はないと答えましたが、改めて履いてみて、テンポネクスト%の反発の仕方は独特だと感じました。もし、アルファフライを履くための練習として使うのであれば、踵部は付かないでエアポッドのみで無理なく走れるようなフォームを模索したら良いと感じています。またアルファフライやヴェイパーフライネクスト%よりテンポネクスト%の方が速く走れるランナーもたくさんいます。
シューズの性能やキャッチコピーなどに目を奪われがちですが、実際に足を入れて走った時に、特定部位が当たるようだと走行中にトラブルになるし、シューズの中で足が動いてしまうようでは、接地で地面に効率よく力を伝えることもできず、ぶれることから故障リスクにも繋がります。特に履く時間の長い練習用シューズはストレスのないシューズを選んでください。ルナークス・ランニングカンパニーは川口駅から10分ほどの場所にあります。大型店舗のようにたくさんの銘柄を扱っているわけではありませんが、佐藤店長が考える「良いシューズ」だけを取り扱っているそうです。
まず、ランニングで使える基本的な構造があるかどうか?ランニングシューズとして販売しているけど、ランニングシューズに求められる基本的な構造が欠けた単なるスニーカーだとか、ブームに乗っただけ(例えば厚底)のシューズは取り扱わないと話していました。そしてランニングシューズで最低限何が必要かという私からの質問に対しては、「甲のフィット感が非常に重要」と話しました。「踵のフィット感も大事だけどシューズによっては軽量化のためにそこは多少犠牲にせざるを得ないシューズもあるが、甲がフィットしないシューズは顧客に薦めることができないとのこと。
シューズに悩んでいる方は、現在履いているシューズを持っていき相談してみてください。顧客によってはぴったりくるシューズがない場合もあるのでその場合は無理に薦めることはありません。ウルプロにもお世話になっているメンバーがいて、最初はフィットしていたけど、数ヶ月履くうちに少し感覚が悪くなったので持ち込んだところ、ソールなどを微調整してくれたと話しています。