昨日3年ぶりにリアルなウルトラセミナーを開催しました。会場に10名+オンラインで2名の方に参加いただきました。その資料作成を行なったことから、こちらの記事を作るのが遅くなりましたが、今回神宮を走った方や、今後24時間走にチャレンジした方の参考になればと思います。
今回はデータが取得できない時間が合ったことと、時間帯によっては発表したデータが誤っているものもありましたが、その辺りを修正しつつ作成しました。しかし私の目で確認しただけなので入力ミスなどあるかもしれませんが、大体の傾向は掴めると思います。
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時間経過毎の周回数
今回も記録速報は1時間ごとに、20分ほどしてから会場に貼り出しをするとともに、速報サイトに公開されましたが、随時消去されていきます。ルール上、記録に誤りが合った場合に異議申し立てができる時間が決まっているので、その時間を経過したら削除していくということだと思います。
私は12時間走を走り、近くのホテルに宿泊し、レース終了2時間前に応援に行きましたが、睡眠している間のデータはやはり削除されていたので深夜の時間帯は4時間合算と2時間合算の数値があります。
(追記・修正)
一昨日、JUA日本ウルトラランナーズ協会のサイトに毎時速報が公開されたようなので、周回数が分からなかった時間帯のデータを打ち込み、また速報で誤っていたデータを置き換えました。
周回数だけ掲載しても、イメージが湧かないので6、7年前からこのように視覚にスッと入ってくるような資料を作っています。
赤は速く走っている時間で、色が薄くなると遅くなり、グレーはほぼ歩き、白は完全ストップです。
まず、上位選手は前半はかなり速く、後半も大きく落とすことなく走っている。中盤の選手は深夜の時間帯はほぼ歩きになっているが必死に周回を重ねていることが分かります。
今回、私が走った12時間走は24時間走と同時スタートなので、気温上昇局面など分かりますが、この気象状況の中でちょっと無理していると感じた選手は中盤から苦しい展開になっています。一方で走力的にこの選手はかなり抑えていると感じた選手は後半もしっかり走り順位を上げています。
また、ラスト1時間は途中走れなかった選手を含めてペースアップしているのは24時間走ではよくあることで、私も経験あります。
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後半頑張った選手
ほとんどスポットが当たらない部分ですが、今回後半頑張った選手を調べてみました。
200km以上の選手のみ掲載しますが、距離と周回数を前半と後半で比較してみました。
後半12時間の走行距離 TOP5
- 石川 佳彦 122.172km
- 高橋 伸幸 120.184km
- 石澤 毅士 120.183km
- 小野 喜之 116.936km
- 木曽 哲男 115.034km
後半トップは優勝した石川選手でした。上記の1時間毎の表を見ても薄い色はなく安定して24時間走り続けたことが分かります。
253.009km走り3位に入った曽宮選手は10時間で不安だった箇所に痛みが出るも前半12時間で148km以上走るポテンシャルを持ちつつ、痛めた箇所を悪化させないよう歩きを入れてレースを続け後半104km走り、253kmまで距離を伸ばした粘り強さも持っています。現在世界の強豪ランナーは300kmを超えていますが、そのレベルで戦える一人です。
今回の大会で、前半と後半の差が最も少ない男子選手は10位に入った田中選手で前半87周、後半84周は素晴らしいレースマネジメントです。
続いて6位に入った石澤選手が前後半4周差と安定した走りをしました。
石澤選手はウルプロメンバーで、レース前にも色々やりとりをしましたが、今回は相当強いランナーが集まったので順位は読めないけど、240km以上は走りたい。そしてその距離を走ればTOP10には入るだろうと考えていたので、244km走って6位は自信になる結果だと思います。
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ハンドラーなしトップは石澤選手
また、特に神宮外苑の場合は専属ハンドラーがつくかどうかは大きな差になります。
時間走を経験してないと理解しにくいと思いますが、ハンドラーがいれば、給水時もボトルに入れたドリンクをハンドラーから受け取り、走りながら飲んで次の周回で空のボトルを返すことができます。ハンドラーがいないと、走路から数m内側に入ったゼネラルエイドに置いたマイカップにドリンクを入れてもらい、それを飲んでマイカップを元の位置に戻してから走路に戻る。かなり急いでも30秒はロスします。ドリンクを注いでくれるスタッフが他の選手の対応をしていればもっと時間はかかります。これを1時間に2回行うと24時間で24分以上になります。上位選手は平均キロ6で走っているので単純計算でも24分あれば4km走れます。またジェルなど補充するために取りに行くには本部裏の荷物置き場に行く必要がありますが、それも専属ハンドラーがいればロスがありません。
その中で石澤選手は、今回初の24時間走で、また100kmの記録もハンドラーを付ける基準がなく付けることができませんでした。今回上位8選手の中でハンドラーなしは石澤選手だけです。
IAU24時間走世界選手権の日本代表選考状況
神宮外苑が終わった時点で石川選手、小野選手が内定し残すは2席。その2席は選考大会の弘前24時間走で決まります。弘前で現在ポイント3位の小野選手、4位の高橋 伸幸選手のポイントを抜く選手がいなければそのまま両選手が代表になります。ただ神宮外苑を走っていない選手で、弘前に出場する強豪選手もいるので熱いレースになりそうです。
名前 | 順位P | 距離(km) | 距離P | 合計P | 備考 |
内定 | 石川 佳彦 | 10 | 258.602 | 18 | 28 |
内定 | 小野 喜之 | 8 | 254.690 | 14 | 22 |
内定候補 | 曽宮 道 | 6 | 253.009 | 13 | 19 |
内定候補 | 高橋 伸幸 | 4 | 249.991 | 9 | 13 |
高橋 浩一 | 2 | 247.460 | 7 | 9 | |
石澤 毅士 | 1 | – | 1 |
詳細はこちらに掲載しております。あわせてお読みください。