なぜ今回ランナーは大阪マラソン中止報道に怒ったのか?

現時点では実行委員会からの発表はないので、どのような形になるかは分かりません。

大阪府知事や大阪市長の囲み会見で、大阪マラソンは、市民ランナーには参加を遠慮いただいてエリート選手300人でやる方向だとの発言があり、SNSやYahoo!ニュースなどでランナーから困惑や怒りの言葉が上がっています。

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今までは、このような感染状況だから仕方がないよね。とか、主催者も懸命に試行錯誤していたのだから。と擁護する言葉が多かったのが、今回は潮目が変わったように感じます。

また、大会直前にワクチン・検査パッケージ導入を発表したのに、結局縮小となった別大マラソンと、流れ的にはほぼ変わらないのに、別大マラソンより明らかに大きな批判の声が上がっているのは何故か?私なりに考えてみました。

参考までに、私は別大マラソンはカテゴリー3(3時間以内)でエントリーし、大阪マラソンはエントリーしてません。また東京マラソンはエントリーしてます。

思い当たることを思いつくまま書いてみます。

主催者発表の前に知事・市長が発表してしまった

大会の開催や中止を決めるのは実行委員会で、そこには主催者、共催者が入りますが、その実行委員会の決定を待たずにエリートのみの方向とか、参加費は来年に繰り越すとか、一旦返す(キャンセルって言葉使ってます)とか言っちゃダメだと思う。

主催者

(公財)日本陸上競技連盟、大阪府、大阪市、(公財)大阪陸上競技協会

共催

読売新聞社、毎日新聞社、NHK

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吉村知事の「参加者を守るという観点」に違和感

参加者を守るという観点であれば、エリート選手も参加者です。またエリート選手だけの開催でもボランティアスタッフは必要です。そのように考えると、「感染を抑えていく、参加者を守るという観点から、」ではなく、「感染を抑えていく観点から、」と発言しないと色々辻褄が合わなくなってきます。

そもそも開催しても走るか走らないかを決めるのは参加者本人であり、危ないと感じたり、そもそもPCR検査など受けたくないと思えば参加しません。

2月7日に全員検査を行なって開催と発表していた。

2022.02.07【重要】参加案内等のお知らせ・全員検査について

関係するすべての方の安全・安心を確保するため、政府の「対象者に対する全員検査」を行うこととしました。ランナーのみなさんには、検査による陰性を確認させていただきます。

なぜ、この発表をしてから1週間後にいきなり一般ランナーは参加できなくなったのか?そもそもこの1週間に何か大きな変化が起きたのか?

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別大マラソンと違って、大阪マラソンは市民マラソン

別大マラソンは純粋なエリートレースではないが、持ちタイムによって整列順だけではなく、更衣室や待機場所、アップ場所も違う実力主義の大会です。その意味からカテゴリー1になったことはある意味仕方がないと考えるランナーは多かった。(ただ考え方は色々あると思うが、大分県民はOKというのは別大らしくないと思った。仮にエリート1以外に300人走れるなら、カットされたカテゴリー2のタイム順に300人を選定すれば納得感があった。)

それに対して大阪マラソンは元々市民マラソンです。開催費用の問題から消滅したびわ湖毎日マラソンが吸収されたが、あくまでベースは市民マラソンです。庇を貸して・・・じゃないけど、これでは市民ランナーが納得行かない。

競技性が高いと開催できるのか?

上と同じことだが、吉村知事は、エリート部門は競技性も非常に高くオリンピックの選考レースにもなっている大会であり開催する方向と話しているが、ここにも市民ランナーの違和感はあるようです。

1月30日に大阪で6,000人規模のハーフマラソンが開催されている

1月30日に大阪国際女子マラソンと同時に開催された大阪ハーフマラソンは6,000人規模です。この大会が開催されたことで参加予定者の期待は膨らんだ。屋外スポーツで6,000人と20,000人でどれだけ感染拡大リスクは違うのでしょうか?また大阪国際女子マラソンや大阪ハーフマラソンでクラスターが発生したという話は聞こえてきません。

開催のために参加費大幅値上げ

大阪マラソンは、このような時期でも開催できるように募集定員を35,000人から20,000人に削減しました。そのため参加者負担が増大し、14,000円から23,000円と大幅値上げをして募集を開始した。(参加者はそれ以外に550円の事務手数料や1,000円以上のチャリティーを負担している。)この値上げも開催するために必要な参加者削減だから仕方がないと今回走る予定のランナーは払い込んでいる。

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そうは言っても、自治体のOKが出来ないと開催できないのも事実で、現時点では大阪が全国で一番医療が逼迫している地域です。

それでも20,000人では開催できないが、300人なら開催できる。ではなく、大阪ハーフマラソン同等の6,000人ならどうか?その半分の3,000人ならどうか?と検討できないのか?(実際、実行委員会ではそのような議論があったかもしれません。)

仮に6,000人なら開催可能なら、全参加者に「参加」「来年にスライド」の意向を確認して、6,000人を超えたら抽選にするなど、ただエリートだけに縮小とかにしないで開催できる方向で試行錯誤して欲しい。

実際、PCR検査、抗原検査の義務化で出走見送りを決めたランナーも少なくないし、そもそも感染拡大が続く大阪はキャンセルしようと考えているランナーもいる。

市民ランナーは「遊び」で走っているんだから、生活や人生かけているトップアスリートとは違うって考えの方もいます。もちろんトップアスリートとは違いますが、市民ランナーの中にも「本気」で取り組んでいる人は少なくないし、この時期にエントリーしている人は「本気度」はかなり高いということは、少なくても陸連関係者には理解してほしい。

そう言えば、松井一郎市長は2020年10月の記者会見で、中高年の世界的なスポーツ大会「ワールドマスターズゲームズ」(WMG)について、「シニア層が一生懸命走るのを見ても、一般の人はうれしくないもんね」と話している。

「シニア層が走るの見てもうれしくない」大阪・松井市長「シニア層が走るの見てもうれしくない」大阪・松井市長

今回の市民ランナーには参加を遠慮してもらう発言には、繋がっているようにも感じます。

まだ、大会ページにアップされていないところを見ると、日本陸連など主催者は何らかの調整をしていると期待してます。

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