速く走るために考えて欲しいこと  〜スピードはピッチ×ストライドで決まる〜

東京マラソン速報 〜日本の長距離復活にはネガティブスプリットではなく、設楽悠太選手のような果敢な走りが必要〜

東京マラソン後にこの記事を書き、そして思うようなレースができなかったランナーのために、こんな記事を書きました。

練習ではこんなことなかったのに・・・なレースだった方へ

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その中でこのようなことを書きました。

ペースを落とすには何をすれば良いか?

遅く走るには何をすれば良いか?

大半の方は速く走るために何をすべきかを必死に会得しようとしていますが、遅く走るにはどうすれば良いかなんて考えたこともないと思います。


まずスピード(ペース)の決まり方は

ストライド×ピッチ数  で決まります。

一歩1mで1分間に180回足をついたなら1分間に180m進みます。

このランナーが1キロ走るのに要する時間は

1000÷180=5.555・・・ですから5分33秒です。

このランナーが、それより遅く走ろうとすれば何をすれば良いか?

簡単ですよね。

1歩あたりの歩幅を小さくするか、脚の回転を落とせば良いのです。その両方すればさらに遅く走れます。

では、歩幅を小さくするにはどうしたら良いか?

いろいろ方法はありますが、

・後傾する

・尻を落とす

・上に飛ぶ

・腕振りを抑える

・骨盤を動かさない

・接地で地面を押さない。

・接地で沈み込む

他にもあるでしょう。

また、ピッチを落とす。脚の回転を減らすにはどうすれば良いか?

・腕をゆっくり振る

・上に飛んで滞空時間を長くする

・そもそも脚をゆっくり回転させる

・身体の前方でブレーキをかけるように接地する

他にもあるでしょう。

必要以上にスピードを落とすのは、こんな動きをしているのです。このような行為をしたらどうなるでしょうか?

・遅いペースが馴染んでしまう。

・普段使わない筋肉を使ってしまう。

・リズムを崩してしまう。

また、本来なら30キロを2時間30分で走れるのに3時間かけたなら、30分余計にコースに入るわけですからエネルギーを余計に消費します。

これでは効率的に走る反対の行為です。

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凄く当たり前のことですが、スピードはピッチ(1分間の回転数or接地数)とストライド(1歩の長さ)で決まります。

そんなこと分かってる!

と思った方、

自分のピッチ数を知っていますか?

自分のストライドの長さを知っていますか?

結構、知らない人、意識してない人はいます。

でも、今より速く走りたいと思うなら、世界記録を狙うランナーでも、完走ギリギリのランナーでも、ピッチ数を上げるか、ストライドを伸ばすしかないのです。

例えば、私のピッチ数を188とした場合に1キロを4’15で走った時のストライドはこのように計算できます。

まず

4’15/kmは1キロを4’15(255秒)で走るスピードです。

このスピードで走ると1分間に何m進むかというと

60÷255≒0.2353km ・・・ 235.3mです。

そして、1分間(60秒)のピッチ数は188ですから、

1歩あたりの距離は

235.3m÷188≒1.25・・・だいたい125cmになります。

その私が4’00/kmペースで走るならこうなります。

ピッチは変えない→ストライドを伸ばす

計算は一緒なので省略しますが、133cmです。→8cm伸ばす必要があります。

またストライドを変えない→ピッチ数を上げる

ピッチ数は200です・・・。

女性にはピッチ200を超えるランナーはいますが、一般に180〜195が良いと言われています。

となると、ピッチはほぼ適正な私が速く走ろうと思えば、ストライドを伸ばすような取り組みが必要になります。

逆にストライドを伸ばそうという意識が強く接地で上体が遅れがちになるランナーは、ピッチを保つことが出来ない傾向にあります。

例えばストライドが130cmでピッチが165なら、1分間に214.5m進みます。これは4’40/kmペースです。

このランナーが、接地で上体が遅れないように例えばストライドを10cm短くして120cmすると、地面を押しやすくなるのでピッチも上がります。例えば180まで上がったとします。

すると1分間に216m進みます。これは4’38/kmペースです。

このピッチを保ったまま、元のストライドより5cm短くするなら、1分間に225m進み、4’27/kmペースになります。

1kmで13秒速くなれば、フルマラソンで9分タイムが縮まります。

ウルトラプロジェクトメンバーにもこのタイプは多いです。

そのために何をしたらよいか?

それはウルトラプロジェクト午後練の過去記事を読んでみてください。ヒントがたくさんあります。

午後練ではストライドを伸ばすための練習や、ピッチを高めるための練習メニューを組み込んでいます。そして最も大事なことですが、早く走るためにはどうするば良いかを自分自身で可能な限りシンプルに考える練習をしているのです。

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参考までに、トップランナーの走りについて少し説明します。

優勝したキプサングの走りを正面からみると非常にゆったりしてます。日本人上位選手もゆったりはしてますが、ケニア人ランナーよりは少し速いです。

録画を見ながらキプサングのピッチを測ったところ180でした。



これが一歩です。。

ここは35キロ辺りですから3’00/kmくらいに落ちていますが、1分間に333.3m走ります。そのピッチは180ですからストライドは185cmです。確かにそのくらい進んでますね。

井上選手はこんな感じです。



井上選手もピッチはケニア人選手とあまり変わらず182くらいでした。このあたりは3’05/kmペースでしたから324mです。よってストライドは176cmです。そんな感じですね。

設楽悠太選手のピッチは185くらいありましたから、ストライドは少し狭目です。

しかし自分の身長よりも長いストライドでフルマラソンを走り切るのですから驚きです。

市民ランナーはこのような走りはできませんが、真似できる部分は色々あります。その辺りについては別に書きます。



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