长安福特ultra-challenge(Changan Ford Ultra-Challenge)で二連覇を狙った板垣選手は6時間58分14秒の2位に終わった。
(画像提供:石井憲さん)
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レース後、板垣選手はこう話した。
残念ながら2連覇できませんでした。今年は開催地が変わりフラットで当日が雨予報だったので記録狙いで挑みました。しかし天気が変わってしまい朝から晴れ、走り出したらアップダウンも多くタフなレースになりました。
それでも序盤の山道は積極的に3’30〜35で50kmの部の選手と走り、周回コースに入る28kmからは50kmの部トップ選手が離れ1人旅になりました。40kmからペースが一気に落ちるも50km通過は50kmの部も含めてトップの3時間8分台。70kmからはフラフラになり立て直せず80kmで抜かれて2位でゴール。
途中で倒れるかもと思ったのでとりあえず完走できてよかったです。順位を落として賞金が減った事は残念だけど攻めの走りをした事への悔いはないです。
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私も事前情報として気温が低く昨年ほどアップダウンがないコースと聞いており、板垣選手にレース前日にどのくらいのペースで走るか聞くと、3’35/kmペースで50kmまで走り世界記録を狙うと話していた。
100kmの世界記録は1998年に砂田選手が出した6時間13分33秒が長らく破られなかったが、2017年6月のサロマで板垣選手が45秒差に迫る6時間14分18秒を出し、分厚い壁にヒビをいれた。
しかし、世界記録を破ったのは板垣選手ではなく、風見選手であった。今年のサロマで6時間09分14秒と一気に4分以上更新したのである。
今年のサロマは世界選手権の日本代表選考会であり4位までの選手が代表選考されることから、スピードレースにはならず後半勝負になると事前予想されていたが、序盤から世界記録を狙うハイペースな展開となり板垣選手は集団から落ち7位に終わり、日本代表も逃した。
レース後、板垣選手はこう語っていた。
「6時間20分くらいで勝てるだろうと思い臨んでしまい、どうせ先頭はペースが落ちるだろうからと守りに入って、徐々に焦りが出て大崩れしてしまった。」
今回、この記録を超えようと板垣選手はチャレンジしたのだ。
(画像提供:石井憲さん)
以下の記事で書いたが、予想外の暑さに多くの選手は苦しめられた。
5kmごとラップは以下の通り
17:45-18:11-17:39-17:31-18:11
19:06-18:34-19:06-21:00-21:17
20:52-20:51-20:33-22:01-25:00
23:59-23:23-24:39-25:56-22:40
40km通過が2時間26分03秒で、そこからキロ4に落ちたので、フルマラソン通過は2時間34分くらいだろう。終盤フラフラになったと語っているが、それでもこのペースで走っているのだからトップ選手の強さが分かる数字だ。
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板垣選手に世界記録を狙える条件を聞くと、こう話した。
10km35分台で走ると、フルマラソン通過は2時間30分以内、50km通過は3時間以内だ。フルマラソンのベストタイムが2時間17分台の板垣選手にとってはギリギリのペースだろう。
補給について聞くと、アスリチューン・ポケットエナジーを15、40、90kmで使ったが、今回は5kmごとにスペシャルドリンクがおけるレースなのでいつもより少なめだ。アスリチューンはスタート前に腰バンドに付けるとともに、スペシャルドリンクにもいくつか巻いていた。
スポーツドリンクを主としたスペシャルドリンクは、サロマ湖の79kmでは濃くて身体が受け付けなかったので、今回は後半を薄めに作ったことで取ることができ、その辺りはしっかりとした準備ができたと語った。
(画像提供:石井憲さん)
最後に優勝した中国人選手について聞くと、「優勝した選手は80kmの給水でも少しとっただけで暑さに強い印象を受けました。しかし全般的に日本人ランナーの方がレベルが上なので意識はないです。でも来年また出場する機会があれば確実に勝ちにいく走りをします!」と力強く話した。
女子2位入賞の藤澤選手のレース展開はこちら
CHANGAN FORD ULTRA-CHALLENGE 2018④〜藤澤舞2位入賞。この1年のPB連発について 前編〜