エントリーした大会は、残って欲しい大会。

私が初めてお金を払ってマラソン大会に出たのは2005年のことです。お金を払ってというのは、中学、高校でも校内マラソン大会は走っているからです。

その16年間で、数えてはいませんが300回くらいは大会に出ています。当然ながらお金を払ってエントリーして走っています。(ごく稀に招待参加あり)

エントリーした理由はさまざまです。サブ3などタイムを狙いたい。上位入賞を狙いたい。未知の距離に挑みたい。素晴らしい景色を楽しみたい。レースの緊張感を味わいたい。人によっては、目標レースに出るための資格タイムを出したいとか完走ポイントをとりたい。というのもあるかもしれませんが、どちらにしても自分が走りたいと思ってエントリーしています。

私が走った中で、このレースはもう走りたくないと思ったレースはいくつもありますが、そのレースがなくなって欲しいと思ったレースはありません。なくなってしまうと自分が走った事実さえ消えてしまうようにも感じてしまいます。

最近、よく思うのは、自分自身がエントリーした大会は、自分自身が走りたいと思った大会なんだから、これから先も続けて欲しいと言うことです。

大会を続けられない理由は様々でしょうが、運営者の経済的な理由は大きいでしょう。地方自治体など公的な主催者であっても、企業や個人事業主などが主催者の場合であっても、大会を主催することで大きな損失がでることが想定されるのであれば継続は難しくなります。それは自分自身が主催者の立場に立てば容易に想像できます。

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中止になったら、全額戻さないのはおかしいと言う方もいますが、規約に返金しないと書いてあるのにそれを言うのはおかしいなどと言うつもりはありません。私もそう思うことはあります。

ただ、その発言をする前に考えて欲しいことがあります。

それは、中止になっても、それまで開催準備にコストがかかっているのです。主催者が外部業者に支払った金銭的コストだけではなく、主催者が時間をかけてコースを調べたり、コース整備をしたり資料を作ったりするなどの時間的コストもかかっています。

中止の場合はこれらのコストを全て主催者が負担するというのはかなり厳しい話です。台風など自然災害による中止に対処するためであれば興行中止保険などによりかなりの部分対応できますが、コロナによる中止を補償する保険を受けてくれる保険会社は今はほぼないでしょう。

「金儲けか!」って言う方もいますが、その方はどうやって生活をしているのか?と思うことあります。自治体主催ではなく、民間主催なら「利益」を上げることは当たり前だし、従業員がいるなら、その従業員の生活を守るための給料を払う必要もあります。

その参加費が自分にとって高いと思うならエントリーしなければ良い話です。車だって、家だって、ランニングシューズだって同じです。結局のところ、自分にとって、その金額を支払うことで得られる満足感が大きいか、小さいかです。また、その金額を支払う余力があるかによっても変わってきます。税金のように強制徴収されるものではなく自分で決めることができるのです。

事前に、大会中止時の取り決めをすることは必要なことですが、これは参加規約として決められています。その中に、中止の場合は返金しないとか、日にちを決めて○%返すとか、今までかかった経費を差し引いて返すというようなことが書かれています。

この規約は主催者と、エントリー者との規約なので、エントリーしていない人がとやかく言うのもおかしな話です。

また、良心的な主催者なら、規約には返金はしないと書いていても、かかったコストを差し引いて返金するケースもあります。それは大会を中止にしたことで、本来かかるべき費用が必要なくなり、そのまま返金しないと主催者が大会を開催した時より利益が出てしまうケースもあるからです。

ここは注意しないと、開催する気もないのに大会の募集をするような悪質な主催者が現れてくるかもしれません。知らない大会、新設大会なら、誰が主催者なのかを確認してエントリーすることは必要です。

実際のところ、悪天候で前日中止だと大会開催にかかる予定していた費用はほぼ使いきっていますが、コロナ感染拡大などにより2週間前などに中止になるなら、本来かかるはずの経費がかからないから余ることはあるでしょうが、逆に協賛企業から得るはずだった収入が得られないから返金する余裕がない場合もあります。

これらの理由から、私はコロナ禍においてエントリーする場合は、中止になったとして返金がなくても仕方がないと思える程度の金額か、その大会が先々存続するための「寄付」と思えるかどうかで決めています。

もちろん、大会が出来そうな状況なのかどうかや、主催者がその辺りの判断を間違えないかなども大事な視点です。

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9月以降エントリーしていた大会のうち既に6大会から中止の案内がきました。もうちょい判断を先にできないのかな?と思う大会もありましたが、その開催地には開催地の事情があるのでしょう。

長々と書きましたが、いま東京マラソンが開催するかどうかは多くのランナーが注目しています。エントリーしてない方も、これから開催予定の大会に影響を及ぼす可能性があるので大事な決定になります。

私は二次抽選で当選して入金しましたが、実際、開催できるのかどうか、参加するための費用がちょっと高いこと以上に、全参加者やスタッフにPCR検査しないと参加できないと言うことに、かなりネガティブな違和感を感じていました。なぜそんなことしなければいけないのか?と・・・。

ただ、PCR検査まで全員必須にすることや、その費用を参加者に負担させるような規約変更を行うのだから、開催に向けて障害になることは全部対応していこうと考えているのだと思うと、全員PCR検査も仕方がないのかと思えてきました。

東京マラソン2020が実質中止になり、その後の大会は連鎖的に中止になったのだから、今回は東京マラソンをなんとか開催することによって、他の大会が開催しやすくしていくための先陣を切るのだろうと感じました。

開催するか中止になるかは9月17日の理事会で決定するようです。

そこで、どのような判断が下されるかは、全く分かりません。待つしかありません。

そして、その「期限」はそんな遠い日ではなく、もう直近に迫っているのです。

主催者は規約にしたがい、緊急事態宣言が延長になった時点で「中止」と言うこともできますが、それをしないのは何故か?を考えて欲しい。

開催できる可能性が全くないなら中止にするでしょうが、しないということは可能性を探っているのです。

主催者サイドは今懸命に開催に向けて準備しているのだから、参加者は静かに待ちましょう。

不安な気持ちのままでいるのはキツイという気持ちは分かりますが、焦ればおかしなニュースを掴んだりします。これは東京マラソンに限りません。

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Facebookにこんな事例を投稿しました。

レース終盤に、横に並んだあなたから「私は完走できますか?」と聞かれたら本来なら「分からない」と答えるしかありません。実際分からないのです。

ただ、制限時間との関係や、走りの状態を見れば、多分完走できるとか、このままだと難しいとかは分かるので、「○○すれば完走できます。」と答えるかもしれません。

でも、そんなことは本人も分かっている。ただ不安を紛らわせたいから聞いているのが分かれば、「まだ間に合います。頑張りましょう!」と答えます。

今、東京マラソン開催について聞かれても同様です。

ただ、沿道から「もう間に合わない」「無理しても完走できないからもう歩いたら」って、諦めてない人の心を踏み躙るような発言は今はしてほしくないです。

と、最近よく感じます。

中止の場合の返金額は7月18日から9月17日までは16,500円の20%の3,300円と、PCR検査代6,800円の合計10,100円となります。9月18日以降の中止はPCR検査代6,800円のみになります。

理事会を9月17日に開催するのも、この返金額のことを考えてのことでしょう。どのような判断になろうともギリギリまで状況を分析する。それでも参加者への経済的負担を増やさないようにする。

なぜ、理事会を早く開催しないのは、返金をゼロにしたいからだと投稿している人もいますが、仮に、緊急事態宣言延長が決まった9月9日に中止決定しても、9月17日に中止決定をしても返金額は変わりません。

その開催判断のポイントはいくつかあるでしょうが、開催をする社会的意義があるかどうかは当然必要です。それもランナーに走る楽しみを提供したいというレベルで2万人規模の大会は今は難しい。

そして、感染状況が減少傾向であり、大会開催日には緊急事態宣言が解除できる状況なのか?再び急拡大していくような傾向になっていくのかも注視し、専門家のアドバイスを受けているのでしょう。

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緊急事態宣言の解除に関する新指標は以下のように公表されています。

指標内容
病床使用率50%未満
重症者病床使用率50%未満
入院率改善傾向
重症者・中等症者数継続して減少傾向
新規感染者数2週間ほど継続して下降傾向
緊急搬送困難事案減少傾向(大都市圏)

「○○傾向」と言うのは、かなり曖昧な言葉を使うものだと感じていますが、9月12日時点の東京都新型コロナウイルス感染症対策サイトを見ると、入院患者数は3,570人(確保病床6,583床)と50%に近づき、重症者数は230人(確保病床503床)と50%を下回っています。宿泊療養、自宅療養を含めて減少傾向です。新規感染者数は現在でも十分多いとは思いますが、2週間どころか、もう1ヶ月くらい継続して下降傾向は続いています。東京都の報告を見ると緊急搬送困難事案(東京ルールの適用件数)は減少傾向です。

またgoogleによると、9月9日時点で、ワクチン接種(2回接種)は日本の人口の50%になりました。1回接種を含めると62.1%です。ワクチン接種対象年齢は15歳以上ですが、14歳以下が約1,500万人と人口の約12%を占めているので、対象年齢で考えると、既に上記接種率は約57%と約71%です。この数値が現在でも積み上がっているのです。

緊急事態宣言解除の内容などに関しては、余談ですが、おそらくこのような数値がこれからどのように変わってくるのかを専門家が決定権者に提言して決まるのでしょう。

緊急事態宣言の有効性などに関しては、私は専門家ではないので分かりません。

どちらにしても、自分が出たいと思う大会であり、今後も続いて欲しい大会なので、主催者が妥当な判断をすると考えて待つことにします。

そして、開催された時には、ある程度走れるようになるよう、中距離の練習を、現在はマラソンに向けた練習に移行しています。私は大会に出ることも好きですが、それ以上に、目標達成に向けて計画を立てて力がついていく過程を感じることが好きです。

最後に、主催者が大会を続けていくために必要なことは、運営費など経済的な面だけではなく、モチベーションだと感じています。そのモチベーションの上げ下げを決めるのはランナー(参加者)だけではありませんが、少なくとも開催に向けて試行錯誤している中で、「どうせ中止でしょう」と言う投稿やコメントを見たらモチベーションは下がります。そのような投稿の大半は悪意はなく、中止によるガッカリ感を緩和させるためのものだと思いますが、その言葉は周りに伝播し拡大していくように感じています。

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