TEAM ONE TOKYO年齢別ポイントの変更

6/23、TEAM ONE TOKYOのポイント上位者と、抽選により1,032人に東京マラソン2023の出走権が付与されました。

東京マラソンにつながる「TEAM ONE TOKYO」プレ期入会の1,032名が「東京マラソン2023出走権」を獲得!

ポイント上位者と抽選の内訳は発表されていませんが、Facebookページに投稿し、該当者に情報提供をお願いしたところ、男子に関しては情報が集まり、上位300位あたりがボーダーになりました。女子に関しては少なくとも80位後半のウルプロメンバーが出走権を得ています。女子の100位のポイントは満点の半分未満なので、今回女子の登録者は少なかったようです。

したがって今回は、ポイント上位者は男子300人、女子100人が選出され、抽選は600人程度ではないかと推測しています。

参考までに、年齢別に定められたポイントは1レースの満点は男子100ポイント、女子200ポイントで最大3レースの合計となるので、男子の最高点は300ポイント、女子は600ポイントとなります。そして、男子100位は278ポイント(満点の92.7%)であるのに対して、女子100位は297ポイント(満点の49.5%)となっています。このことが意味するのは女性の参加者が少ないってことです。

また年齢別に定められたポイント基準に、少し違和感を感じていましたが、結果をみるとその違和感は正しかったようで、事務局から早々にポイントの見直しをするとアナウンスがあり、新しいポイントが発表されました。

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当初ポイントは男子60-64歳の基準が甘いと感じた

プレ期の年齢別ポイント一覧を見て、特に基準に違和感を感じたのは男子60-64歳でした。

ポイントは、フルマラソン、30km、ハーフマラソンそれぞれに決まっていますが、フルマラソンで見ていくと、男子で満点を取るには、29歳までは2時間29分59秒で、そこから55-59歳の2時間59分59秒までは5歳ごとに5分づつタイムが遅くなっていました。それが60-64歳になるといきなり3時間24分59秒と前の年齢区分より25分も遅くなっていたのです。

55-59歳まで5歳で5分づつ遅くしているのが、60-64歳で一気に25分遅くするのは、50代と60代で体力は変わるとはいえやり過ぎ感がありました。感覚的には60-64歳は10分遅くするくらいがバランス良いと感じました。そして60-64歳から65-69歳は10分遅くしていますが、ここは15分は緩めた方が良いと思っていました。

男女とも満点の過半数は60歳以上だった

その結果、男子はポイントランキング100位の中に満点が63人いましたが、その過半数にあたり34人は60代以上のランナーで、同様に女子は満点17人の内10人は60代のランナーとなったのです。ランナーの年齢別の人数比などを考えるとこれは異常値です。

女子の場合も、55-59歳までは5歳毎に+5分づづ推移しているのを、60-64歳は+25分にしましたが、その影響が思い切り出た感じです。

それをまとめたのがこちらの表です。

男子

年代100位以内満点人数満点占有率
20代000%
30代623.2%
40代251117.4%
50代271625.4%
60代352742.9%
70歳以上7711.1%
合計10063100%

女子

年代100位以内満点人数満点占有率
20代000%
30代400%
40代25317.6%
50代41423.5%
60代281058.8%
70歳以上200%
合計10017100%

ここまで、私の感覚的に、60歳以上の基準は甘いと感じたことと、結果的に60代が上位にずらりと並んでいること書きましたが、客観的数値で比較してみました。

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フルマラソン1歳刻みランキング上位者との比較

こちらは月間ランナーズの巻末に掲載されたフルマラソン1歳刻みランキングのデータをもとに作成しました。

このランキングは1歳刻みですが、前後する年齢で飛び抜けたタイムを出すランナーはいるので、今回作成した表はTEAM ONE TOKYOの年齢区分に合わせて、29歳までと70歳以上以外は、すべて5歳刻みで、その年齢区分の上位10位のタイムを算出しました。数字の確認と入力は手作業なので多少誤りはあるかもしれません。

例えば男子55-59歳の1位は2時間27分台で10位は2時間46分台です。

次に年齢区分毎の上位10人(以下 『年代別トップ選手』と書きます)のタイムの平均値を出しました。その数値は男子29歳までは2時間07分29秒で55-59歳は2時間41分48秒です。30-34歳までは男女とも実業団選手などエリートランナーがいるので市民ランナーには縁遠い速いタイムになっています。

そのタイムの下に掲載したのが、今回(プレ期)のポイントランキングで満点に相当するタイムです。男子29歳までは2時間29分59秒になります。

TOP10のタイムと比較して、その基準タイムがどの程度のレベル感かが一目瞭然だと思います。

比率と、実際のタイム差の両方で比較してみました。男子の49歳までの区分は年代別トップ選手と基準タイムは22分から26分程度の差がありましたが、50代は18-19分差と年代別トップ選手のタイムに近づかないと満点は取れなくなりました。それが60-64歳は年代別トップ選手より32分遅くても満点が取れる基準だったことが分かります。

比率で見ても、満点を取るためのタイムは年代別トップ選手と比較して1.15倍以上ですが、50代は1.1倍程度とキツくなるが、60-64歳は1.19倍といきなり甘くなっているのです。

男子55-59歳のTOP10の平均は2時間41分台で60-64歳は2時間52分台と平均タイムは11分遅くなっていますが、プレ期の満点の基準タイムは25分遅くなっているのです。同様に女子55-59歳は3時間1分台で、60-64歳は3時間13分台と12分遅くなっているけど、満点の基準タイムは25分遅くなっています。

これが満点に占める60代比率が高くなってしまった理由です。

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変更後の基準タイム

第1期(2024年の東京マラソン出走権)では、大半の年代で基準タイムは見直されましたが、これはタイム的に違和感なく修正されたと思います。前回違和感を感じた男子55-59歳と60-64歳の満点のタイムは2時間47分59秒と2時間59分59秒とレベル感的にも修正されました。

そもそも、前回の基準タイムはどのようなデータに基づいて決めたのかは謎です

例えばボストンマラソンの基準タイムは男子50-54歳が3時間25分、55-59歳が3時間35分、60-64歳が3時間50分、65-69歳が4時間05分と、それぞれの差は10分-15分-15分です。今回変更前のタイム差は5分-25分-10分だったのです。(変更後は4分-12分-10分)

ただ、これはちょっとおかしいと感じた時点ですぐに修正するのは良いことだと思います。

一覧にすると60代以上の削減率は大きい

実際同じタイムだとどのようにポイントが変わるのかをチェックするとイメージしやすいので、プレ期に満点が取れたタイムが第1期だとどのように変わったのか調べてみました。

イメージしやすいように色わけしてみました。削減率0は色なし、赤は半減で、その間は色の濃さを変えました。

女子の場合は60代が75%になった以外は最大7%削減にとどまっていますが、男子は60歳以上は半減ですからちょっと極端な感じがしないでもありません。ただプレ期はそれだけ60歳以上に有利な設定だったということです。

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イベント参加によるポイントが相対的に向上

基準タイムの修正で、55-59歳の私にも厳しい変更ですが、私自身は今年もタイムを伸ばすために試行錯誤していくので、目標になるタイムができたと前向きに捉えています。

ただ、今回の基準タイム変更で、従来以上に気になることがあります。

それは、男子55-59歳でサブ3すれば変更前は100ポイントでしたが変更後は74ポイントになります。もちろん男子の場合は全ての年齢区分で厳しくなるのだからOKですが、気になるのは、この改定で年代別ポイントで獲得できるポイントが減るということは、それ以外の主催者のイベントに参加するだけで獲得できるポイントの比率が相対的に高まってしまうことです。

そもそも『TEAM ONE TOKYO』のトップページには以下の記載があります

指定大会での性別・年代に応じたフィニッシュタイムによるポイント、及び指定イベントへの参加によるポイントによってランキングされるより速さを追求するランナーのための登録制プログラムです。

その趣旨からすると、同じ年齢なら速いタイムを出したランナーが上位にランキングされるのが正しい姿であり、たくさんイベントに参加すればランキングが上がるというのではズレが生じていると感じました。

主催者の営業上の理由も分かります。タイムによるポイントでは出走権を得ることが現実的ではないランナーに対してTEAM ONE TOKYOに入会するメリットは作らないと会員数は伸びません。また主催イベントによる収入も組織運営のためには必要なことでしょう。そのような視点からイベント参加によるポイントを作ったと思いますが、その比率が大きすぎると本来の趣旨からかけ離れていき、結果的により速さを追求するランナーにとって魅力のないプログラムになってしまいます。

そこを私は危惧しています。

プレ期はイベント参加ポイントはなく、純粋にタイムによるポイントだけで競われましたが、半数以上は抽選による選出でしたが、第1期からは以下のようにすれば主催者の意図にも合致し、参加者にも納得感あるプログラムになるのではないかと考えました。

(第1期はプレ期の1,000人規模から、1,500人規模に拡大されます。)

①純粋に年齢別ポイントだけによるランキングで男女合わせて1,000人を選出(男女の比率はプログラム参加人数による)

②年齢別ポイントやイベント参加ポイントにより当選倍率を変えて男女合わせて500人を抽選で選出(男女・年齢区分の当選者人数は参加人数により配分)

第1期について、大枠の変更ができないのであれば、プレ期から第1期で同じタイムでも年齢別ポイントが大きく減少しているのだから、イベント参加ポイントも同様に減らさないと設立意義から大きく逸脱した結果になる可能性が大きいです。

主催者はそのあたりのシュミレーションはされていると思いますが、改めてプログラムの目的や意義に沿っているかどうかの観点から検討をしてほしい。

ちなみにイベント参加で獲得できるポイントは?

例えば「ONE TOKYOタイムトライアル」というイベントに1回参加すると10ポイントを得ることができます。5回参加すれば50ポイントです。「TMF VIRTUAL RUN」は1回参加で5ポイントで10回参加すれば50ポイント。その他含めて最大165ポイント獲得できます。

仮に私がイベントポイントを1点も取らないとして、フルマラソンで3回サブ3ギリギリのタイムで走った場合、74ポイント×3レース=222ポイントになります。仮にイベントで165点とった方がいるならその方は年代別ポイントで3レース合わせて58ポイント取れば223ポイントになり、私のポイントを超えます。

3レースで58ポイントということは1レース20ポイント以下です。このポイントに相当するM55-59のフルマラソンのタイムは3時間26分59秒ですが、サブ3を3回出してもこの方に負けてしまうのです。

そのような事態にならないようにイベントポイントを集めることに注力するランナーが増えると、それはかなり違う方向に向かってしまいます。

もちろん興味あるイベントならポイント関係なく参加しますし、参加することで力がつくイベントであればポイントなどなくても参加したいランナーは多いでしょう。一方で興味がないイベントならポイントがもらえるとしても、そこにお金と時間を使いたくありません。そもそもお住いの地域によっては参加が困難な方もいるでしょう。

そのような観点からも、競技性の高いタイム基準と、参加すれば得ることができるイベント基準をコンバインドするのはダメだと感じています。

本来、上位に入れば年相応に頑張っていると思われる素晴らしいプログラムなのに、イベントに通ってポイントを稼ぐ努力をしないと上位に入れないようなプログラムにならないよう、第1期のスタート前に見直しされることを望みます。

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