Mt.FUJI 100(旧UTMF)のFacebook投稿を見て驚いたのですが、現時点で定員に達していないようです。
以前は抽選倍率が高く、特に男子選手は中々当選しにくいと言われていました。
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ちょっと検索したら、4年前に自分で書いた記事が出てきました。すっかり書いたことも忘れていました。
2020年大会のエントリー状況
2020年大会はコロナ禍の影響で中止になりましたが、この大会は一般枠に国内3,455人、海外443人がエントリーしていました。寄付エントリーなど含めると4,046人です。
こちらの画像は当時作成したものです。
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現時点のエントリー状況
今回の主催者発表によると、現時点でのエントリー数は以下の通りです。
【FUJI100mi】
- 一般エントリー(定員2300名) 国内1531名、海外145名 計1676名
- 寄付エントリー(定員100名) 103名
4年前と比べるとエントリー数は半分以下です。
また2023年大会の100マイル(FUJI)の出走者は2,387名でした。もちろんそれ以外にDNSもいます。
走りたい方にはチャンス到来
参加資格があり、走ってみたいと思っていた方にはチャンスだと思います。
エントリー締切は11/19です。
エントリーする際にはこちらを熟読してください。参加資格など書かれています。
エントリーについて
参加資格
- 大会当日に18歳以上の男女
- コースを迷うことなく制限時間内に完走できる
- 2021年11月1日から2023年10月31日までの間に、国際トレイルランニング協会(ITRA)ポイントの認定レースを完走し、FUJI100miは最大3レースで10ポイント以上獲得
- そのレースのうち最低1レースは2022年11月1日から2023年10月31日までに開催されたレース
- 「Virtual UTMF 2021」「Virtual FUJI/KAI 2023」完走者の認定ポイント含む
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なぜ、これほどエントリー者が減ったのか?
私は、コロナ禍になる直前の2019年には阿蘇ラウンドトレイル120km、信越五岳トレイル110kmを走ったのを最後にトレラン大会にはほぼ出てないので、トレイル界隈の話題には疎くなっていますが、周りには走る方々がたくさんいるので、それなりに情報は入ってきます。
トレラン人気が衰えているわけではなく、今年の信越五岳などもクリック競争になっていたので、まさかこれほどエントリー者が減るなど考えてもいませんでした。
その理由は一つではなく、いろいろなことが積み重なっていて、それは本大会だけの話でもないように感じるのでエントリーが減った理由など思い当たることを残しておきます。
UTMBに繋がらなくなった
私がUTMFを走ったのは2012年の第1回大会ですが、当時トレランなどほとんどしていなかった私がエントリーした最大の理由は、UTMBを取り上げた番組を見て自分も走りたいと思ったからです。当時は会社勤めだったので海外レースに出るための休暇を取れるかは分かりませんでしたが、UTMBに繋がるポイントをとっていこうと思いました。またUTMFはUTMBの姉妹レースとしてのブランドイメージもありました。
その後、UTMBの参加条件は当時と変わってきて、今は海外のUTMB系列のレースを走らないと中々エントリーできなくなりました。
また、UTMFという名称に憧れ、UTMFを走りたいと考えていた方も少なくないと思います。
外国人のエントリーが減った
2020年大会の外国人エントリーは443人でしたが、今回は現時点で145人と1/3に激減しています。富士山は外国人に人気があり、富士山登頂に関しては社会問題になるほどです。その富士山周辺を走る旧UTMFは外国人にも人気のある大会だったのでこの減少は驚きです。最大の理由は中国からの訪日客が激減していることで新聞報道によるとコロナ前の3割程度だそうですから、この影響は大きいと思われます。また先程書いたUTMBに繋がらなくなったことも少なからず影響しているでしょう。
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100マイルレースの増加
2012年当時は100マイルどころか、100kmを超えるトレランレースも数えるほどでしたが今はかなり増えました。例えば100マイルだけでも、信越五岳や、彩の国、KOUMI100、ONTAKE100、TAMBA100などパッと思いつくし、100km以上まで広げると、FTR、上州武尊、阿蘇ボルケーノなど人気大会があります。
100マイルトレイルレースを完走したランナーのことを、『100マイラー』もしくは『マイラー』と略して呼びますが、その称号を取れる大会が増えてきたことも影響の一つでしょう。
参加費用の高騰
これはMt.FUJI 100に限らず、フルマラソンなどでも同様ですが、2012年の第1回大会は参加費が24,000円だったと記憶してます。当時はこの金額にも驚きましたが、2024年大会はエントリー費だけで45,000円。これにエントリー手数料だけではなく、駐車場代やサポートを付ける際の費用など、いろいろな費用が重なっていくので、経済的な面からの参加ハードルも年々高くなっています。
ポイント獲得レースの完走率低下
そのような状況ではあっても、トレイルランナーにとって、旧UTMFは特別感のあるレースです。最近トレランを走っていない私自身も走りたいレースの一つです。
今回エントリーが少ない理由の一つが、信越五岳など高いポイントが取れる大会の完走率の低下です。私は信越五岳を5回走っていて110kmは、100マイルにチャレンジしたいと思うくらいの走力があれば完走難易度はさほど高くないと感じていたし完走率も7割程度はありました。しかし、気温上昇などの影響を受けて、昨年の完走率は44%、今年に至っては39%と半分以上の選手がリタイアとなりました。この大会を完走してMt.FUJI 100の参加に必要なポイントを獲得しようと考えていたランナーにとっては大誤算だったでしょう。参加資格に必要なポイントが少ないKAI70は定員を上回るエントリーとなっていますが、こちらにエントリーしたランナーの中にはFUJI100mi出走を考えていた選手も少なくないように感じています。
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大会にでないランナーの増加
これもMt.FUJI 100やトレラン大会に限らず、フルマラソンなどロードレースにも言えることですが、日常的にランニングはしているけど、大会に出なくなったランナーも少なくありません。以前は出ていたけど、コロナ禍で大会中止が相次ぐ中で、一人で、または仲間と走っていたら、大会に出なくても十分楽しいと感じたり、高額な参加費を支払ったのに中止になり全く返金されないこともあり主催者に不信感をもったり、開催するかも分からない大会にお金を払っている自分が馬鹿らしくなった方もいるでしょう。
トレイルランナーの大半は山が大好きだと思います。もちろん走るのも楽しいけど、のんびり歩いて、美しく色づいた木々を見たり、鳥や虫の鳴き声を聞きながら、ふかふかの山道を歩くのは気持ちが良いものです。
それがハイシーズンの高尾山などは、山道はハイカーで大渋滞になり、目に入ってくるのは人ばかり。耳に入ってくるのは周りの話し声ばかり。自分のペースでは進めないし、無理に割り込んでくる人などにイラッとする。リラックスしようと思ってきたのに、ストレス溜めてしまうなんてこともあります。
参加人数が許容量を超えたトレラン大会は、まさにハイシーズンの高尾山状態になりますが、そんなゴミゴミした中を走りたくないから、大会に出ないで、仲間と空いてるトレイルを気ままに走った方が楽しいと気づいた方もいるでしょう。
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ちょっと問題提起(バーチャルレース)
コロナ禍で大会が中止になり、参加資格を充足するためのポイントが取れなくなったランナーの救済的な観点からバーチャルレースが開催されました。
2021年のバーチャルレースはストラバを使って1週間に160km走れば今後3大会分利用できる6ポイントを得ることができるというものでした。
通常6ポイントを得るには100マイルクラスの大会を完走する必要があります。信越五岳だと100マイルが6ポイントで、110kmが5ポイントです。
FUJI100miに出るには最大3レースで10ポイントが必要なので、一般的には100kmを超えて5ポイントが取れるレース2大会で5+5、もっと短いレース3大会で4+3+3など獲得して資格を得ます。私は2019年に阿蘇120kmと信越五岳110kmを完走しましたが、この2大会で5+5になり10ポイントになります。
その中でバーチャルレースで6ポイントがもらえるのはかなり大きいのです。実際仕事や日常生活を送りながら1週間で160km走るのは結構大変だとは思いますが、これはフラットなロードでも良いのです。このポイントがあるとあと2ポイントのレースを2回完走すれば資格を得ることができるのです。2ポイントは30-40km程度の大会で得られます。
コロナ禍で大会が中止になっていた時期に、このバーチャルレースはモチベーションアップにも繋がった素晴らしい企画だと私は考えています。ただ、その後、2022年、2023年と開催されています。最初はストラバでしたが現在はTATTAを使い参加費3000円。2021年は1週間で160kmでしたが、現在はVirtual FUJI160kなら10日間で160km走れば3ポイント、Virtual KAI69kなら6日間で69km走れば1ポイント付与されます。また2021年は3大会有効でしたが、2022年、2023年ともその翌年の大会のみ有効です。
したがって、バーチャルの2021年を達成している方はまず6ポイント、そしてVirtual FUJI160kを達成すれば3ポイント得られます。同時にVirtual KAI69kをしたというSNS投稿も目にしましたが、それも併用できるのであれば10ポイントになりバーチャルだけで出場資格を満たします。仮に160kと69kが並行できなかったとしても1ポイントレースを走れば資格を満たすのです。
大会への出場資格は主催者が決めることですが、そもそもなぜ出場資格にITRAポイントが10ポイント必要なのかは、『安全面にトレイルレースを走り終える走力と経験を積んだランナーかどうかの選別・見極め』でしょう。過酷な登山区間を含む100マイルを昼夜にわたり走り、様々なトラブルにも対応し、事故を起こすことなくゴールできる選手かどうかの確認が必要だと主催者は考えているのです。
例えば10ポイントを3レースで、4+3+3で獲得したとしたら、50km以上のロングトレイルを3回は完走している選手であり、トレイルでの経験値がある程度高いことを示しています。(余談ですが、ポイント制度はいろいろ変わっていて私がUTMFにエントリーし落選していた頃は12ポイント必要でした。)
また、野辺山ウルトラマラソンや、飛騨高山ウルトラマラソンなど累積標高が大きな100kmレースを走ってもITRAポイントは獲得できません。トレイルレースでないのだから、この辺りは納得しています。
そうなるとロードだけでもOKなバーチャルレースで参加資格の大半を得ることができることには違和感を感じます。バーチャル2021の6ポイントは3大会有効なので、予定通り大会が開催されるとして2025年まで有効です。経過措置的な話ですが、2021年のバーチャルが大盤振る舞いし過ぎたのです。
ただ、バーチャルレースを走ることで参加費を支払い、大会運営・財務面に貢献しているのだから、大会を永続的に開催していくための財務基盤拡充のためには良いことだと思っています。ただポイントに関しては参加資格とは切り離して抽選回数が増えるなどの特典を付与するにとどめた方が良いのではないでしょうか。
そうしないと、そもそもポイント制度って必要なんだろう?って思えてしまうのです。
その辺りはさまざまな議論を経て決めたことだとは思いますが、従来は旧UTMFにエントリーするためのポイントを獲得するだけでも大変で、出場することがとても価値あることでした。この『価値』ってとても大事なことだし、大事にしたい方もいます。
FUJI 100miを走りたい選手はたくさんいると思うし、主催者としても定員割れなんてしたくはないでしょう。定員割れをしてしまうと運営費の問題だけではなく、中々走れない大会という『特別感』が薄らいでしまいます。そう考えると参加資格を見直すタイミングなのかな。と感じるのです。
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私は53歳のヲヤジです。
10年程前からトレイルランニングを始め、UTMFは3回出場し2回完走しています。
トレイルランニングを始めた頃は、大会などでUTMFの完走ベストを着ている人がいると羨望の眼差しでした。UTMFに出るために大会に出場しポイントを貯めているような状態でした。ポイントが貯まってエントリーしても抽選で落選したり悔しい思いもしてきました。
それが近年の運営(費用の高騰)やコース中のロード区間の多さなどから魅力を感じなくなってきています。DNFは今年の大会で、98㎞の富士急まで進んだものの、そこで気持ちが途切れ15時間かけて完走する意味を見失いました。
以前よりも他に魅力的な大会が増えたこともあり、自分の中でUTMFの価値が下がってしまったのかもしれません。