GARMINだけではなく、COROSでも設定できる『track run mode』は練習場所の状況によってはかなり便利な機能です。
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「track run mode」トラックランモードとは
400mの競技場を走る時に通常のGPS計測だと1レーンを走ったとしてもコーナーをショートカットするように短く計測することもあれば、前のランナーを抜く時など外側に膨らむのでデータにズレが生じます。それを自動補正するのが『track run mode』です。1周400m、2レーン以降を走るなら1レーンにつき7.5m加えた距離に自動補正する機能です。
私は必要性を感じなかった
私はそのようなコースでもほぼオートラップにすることはなく手動ラップにしているので、『track run mode』の必要性は感じませんでした。なぜなら400mを1周90秒で走ったなら、仮に2レーン以上に膨らんで410m走り3:40/kmペースと表示されていても1周90秒は変わらないのです。またペース確認は1周のラップタイムで行うからです。
トラックモードが便利な状況
私が使う競技場はどこも1レーンや2レーンを走行できますが、競技場によっては貸切利用時以外は、1レーンや2レーンが使用禁止の場所もあるのです。
仮に1、2レーンが使えないなら3レーンは1周約415mになります。1000mインターバルをする場合、通常は2周半になりますが、2周半すると1037.5mになってしまいます。
それでも設定タイムを計算して3:45/kmペースなら1周90秒のところを93秒にしたら良いのですが、5000mタイムトライアルをする場合など1周15m長いと12.5周で187.5mも長くなってしまうし途中のラップタイムなど計算しながら走るのは大変です。そのような時は『track run mode』にして、400mや1000m自動ラップにすると使いやすいでしょう。
また、400mトラックでペース走をする時、毎回手動ラップをとらずに『track run mode』で400mや1000m自動ラップにすると正確なラップ計測ができます。
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設定方法
通常のラン設定にするのと同様、右上ボタンを押す
通常は『ラン』に設定されていますが、下にスクロールして『トラックラン』にして右上ボタンで確定
1レーンを走行するのであれば、そのままスタートしてください。初めて走るトラックであれば位置補正のために3周走ると補正されて、その後は1周400mに自動で補正されます。仮に2レーンや3レーンに膨らんでも400mとして表示されます。
もし、他のレーンを走る場合は左の真ん中のボタンを長押しして『トラックラン設定』画面にします。
『レーン番号』を実際に走るレーンに設定してください。
1レーンから9レーンまで設定できます。
設定後の距離は以下のようになります。
- 2レーン 1周407.5m
- 3レーン 1周415.0m
- 4レーン 1周422.5m
- 5レーン 1周430.0m
- 6レーン 1周437.5m
- 7レーン 1周445.0m
- 8レーン 1周452.5m
- 9レーン 1周460.0m
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設定時の注意
『トラックラン』設定画面のレーン番号は間違わないで下さい。初期設定は1レーンになっているので、1レーンを走る場合は設定変更は必要ありません。その他のレーンを走る場合のみ設定してください。レーン設定は9レーンまで設定できます。
レーン設定をして、そのレーンを3周するとそのコースを認識してくれます。
GARMIN965で試したところ、9レーン設定にして1レーンを走ると1周目は400mでしたが、2周目から460mに補正されました。当然ながら表示されるペースは実際より1.15倍速くなります。レーン固定されてしまうようです。(COROSの仕様は分かりません)
『400m走ったのに460mと計測される』
試しに9レーン設定のまま、さらに内側のフィールドに入って、楕円形になるように歩くと実際は200-230mくらいでしょうが『track run mode』で460mと設定されているので、ありえないスピードで歩いているよう記録されます。
試してませんが、内側のフィールドを走っても460mと認識されるのだから、300mトラックで『track run mode』を使い、9レーン設定にすると300m走ると460m 走ったことになり1.5倍以上速いペースが記録されてしまうでしょう。
このように外側のレーンを走ったままの設定で、1レーンを走ると実際より速い誤ったデータが取れてしまうので注意が必要です。
GPSウォッチは練習内容によってパフォーマンスやコンディションなどの分析データを表示することができますが、そもそも間違ったデータが混ざってしまうと、分析データも間違った内容になってしまいます。
実際、9レーンまである競技場も少ないので、9レーン設定にすることはほぼないでしょうが、8レーンを使ってダウンジョグやゆっくり目のペース走をすることはあるので、その設定をしたら修正しないとおかしなデータが記録されてしまいます。
参考までに、上記のフィールドを10:00/km前後のペースで歩いた時に撮影したものです。
2:13/kmペースって全力で短い距離を走っても中々出せないペースですが、そのように表示された理由は一つ上のマップ画像にあります。黄色のラインのように歩きましたが2:13/kmペースと出たのはスタートして最初に曲がった辺りです。ここまで40mほどでしょうが、『track run mode』では第1コーナーからスタートして、第2コーナーの先まで9レーンを走行したように記録されているので130mから140m走ったように認識したのでしょう。
その後直線になるとペースはどんどん落ちていって、反対側のコーナーからまたペースは上がり、1周歩き終えた時には大体5:00/kmペースになりました。
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バーチャルレース主催者に知っておいて欲しい
トレーニングデータをあえて速く見せようとする方はいないでしょうが、バーチャルレースなどで悪意を持ってこの機能を使うと速く走ったように見せる設定ができてしまいます。
大会主催者はそのようなことができることを把握しておく必要があります。最近ではタイム上位者に賞品や、エントリー権など発生するバーチャルレースはほぼありませんが、開催するなら他の参加者をしらけさせないために不正防止策は必要となります。そのためにも知っておくことが大事なのです。
例えば9レーン設定(1周460m)で400mトラックの1レーンを走れば1.15倍速くなります。5:00/kmペースが4:21/kmペースになります。悪意を持って300mトラックを走れば1.5倍以上速くなります。計算上300mトラックを1分30秒(5:00/kmペース)で走ると460mを1分30秒で走ったと記録されるのでGPSウオッチには3:16/kmペースと表示・記録されます。これで10km走ると32分36秒となりますが、実際にはキロ5で約6.5kmしか走っていないのです。
キロ5で6.5km走ると10km32分台で走ったデータになる!?
GPSウオッチのデータは必ずしも正確ではない
最近のGPSウオッチはかなり進化し正確なデータが取れるようになりました。また便利な機能も付いてきましたが、先月記事に書いた通りGPSウオッチが1kmを示しても1km走ったとは言えません。
また、今回紹介した『track run mode』のように便利な機能もありますが、その機能の設定を誤ってしまうと正しい計測はできなくなってしまいます。
今回使用したGPSウオッチは GARMIN(ガーミン) Forerunner 965 です。発売から1年以上経ちますが使いやすいモデルです。955から買い替える必要はほぼないと思いますが、945以前のモデルを使っている方ならそろそろバッテリーの劣化も進んでいるでしょうし、光学式心拍計も955から一気に性能が上がったので買い替えると感動が大きいと思います。操作方法はほぼ変わりません。
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