今回は東京マラソン、名古屋ウィメンズマラソン、そして表参道ウィメンズマラソンと3週連続で走ったウルプロメンバーの池田美樹さんを紹介します。
3週連続で走ったから凄いとかそんなことをお伝えしたいのではなく、池田さんが初めてパーソナルレッスンを受けにこられた2019年の頃は長い距離を走れば故障してしまう状態でしたから、3週連続で走って故障の予兆もないことが大きな変化なのです。
今回の変化を紹介することで、故障しがちな方や、練習量のわりにタイムが伸びないと悩んでいる方の参考になると思い記事にしました。
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今回の結果(すべてグロスタイム)
開催日 | 大会名 | タイム | 順位 |
3月6日 | 東京マラソン | 3:19:10 | (W50-54 7位) |
3月13日 | 名古屋ウィメンズマラソン | 3:25:28 | |
3月20日 | 表参道ウィメンズマラソン | 42:39 | (W50-54 5位) |
今回の東京マラソンは自己ベスト更新など考えていなかったようで、走ってから過去のタイムを調べて惜しかったことを知ったようです。
自己ベストは2017年の勝田全国マラソンで出した3:19:02です。
その後、故障続きでタイムを狙える状態ではなく、2019年以降フォーム改善をする中で徐々に継続した練習ができるようになり2020年勝田全国マラソンでは3:28:14まで復調しましたが、そこでコロナ禍となり、その後10kmまでしか走らず、ハーフマラソンを走ったのは今年の1月、フルマラソンを走ったのは今回の東京マラソンだったので、東京マラソンは2年ぶりのフルマラソンだったのです。
その東京マラソンで5年ぶりに自己ベストに肉薄するタイムを出せたことに本人は満足していますし、秋には自己ベストを更新できる感触は掴んでいます。
まず、パーソナルレッスンを初めて受けた頃のことを振り返ってもらいました。
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2019年頃の状況
2019年6月にスピード練習中に疲労骨折。それ以前から、スピードを上げたり、長い距離を走ると足裏が攣る、外反拇趾の痛みが増すなど、痛くなるから練習もできない。また、長時間の練習時間を捻出するには睡眠時間を削るしかなく、その無理がたたって日常生活でも転倒や不注意からくる怪我が増えていました。タイムも走り始めてから面白いように伸びましたが、2年目2017年をピークに伸び悩んでいました。
そして、当時と今とでは何が変わったのかを教えてもらいました。
当時と比べて変わったこと
フォーム改善
まず、ランニングフォームの見直しをしました。特に身体のバランスを整えて、真っ直ぐ立つ。片脚で立てるようにしました。以前はぐらついてしまい片脚立ちができませんでした。
その上で、余計な力を使わず、効率良く前に進むフォーム(身体が軽く楽に走れるフォーム)に取り組みました。フォームは時間がたつと崩れてくるので定期的にパーソナルレッスンでチェックし補正し徐々に良い状態になるようにしました。
池田さんも書いていますが、池田さんは両方の脚とも片脚立ちは不安定でしたが、特に片側はまるで立つことができませんでした。
走ることは常に片足で立つことですから、バランスが悪く立てないのでは、接地時に地面に効率よく力を伝えることはできませんし、不安定な状態で接地をするわけですから身体に負担がかかり、故障の原因にも繋がります。パーソナルレッスンではこの辺りを重点的に見直して片脚ですっと立てるようにしました。
練習は余裕を持って終わらせた
身体が発する疲労のサインに注視するようにし、練習の負荷は全力を出し切るのではなく、6-8割程度にして余裕を持って終わるくらいにしたら、継続して練習できるようになりました。
こちらについては後段で触れますが、とにかく多忙で最低限の睡眠時間を確保するのが大変な時もあるので、練習の負荷を高めすぎないようにしてもらいました。
できることに楽しみを見つけた
また、都市型マラソンの中止が続く時にも開催されていたトラックレースに参加し、私同様、マスターズ陸上の短距離や中距離にもチャレンジしました。この過程でスピードが身についただけではなく、モチベーションの維持にも繋がり、目標に向かって試行錯誤することに楽しみを見つけました。
他にもさまざまな変化はありますが、この3つの変化が大きいです。
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レース前の練習内容
2020年1月の勝田マラソンを走ってからは、10kmまでの練習で、ペース走も15kmを1回走ったくらいで、昨年末の段階ではフルマラソンどころかハーフマラソンもどのくらいで走れるのかイメージできませんでした。
年明けから徐々に距離を伸ばそうと、ハイテクハーフ4日前に依頼されたハーフマラソンのボランティアペーサー(2:00)をつとめたあとの、ハイテクハーフは完走できるのか?不安でしたがPB更新できてビックリしました。
その後、ハーフマラソンを2本走りましたがいずれも数年前より良い記録でした。東京マラソンに向けては、それ以上の距離は走っていません。
3週連続レース
東京マラソン、名古屋ウィメンズマラソン、表参道ウィメンズは、いずれも直前まで開催されるか不透明であり、また次走れる機会があるかどうかも分からないので、タイムとか考えずに完走目標で疲労をためないように走ったところ、すべて好成績で元気にゴールできたのは嬉しかったです。
大会前にこちらの内容を把握してスタートラインに着きました。
Kernelランニングネックレス
Kernelは、パーソナルレッスンの初期段階で、バランスを整える効果を感じたので購入しました。今はだいぶ片足立ちが安定しています。
片足立ちが安定したのはKernelの効果だけではありませんが、大きな要因にはなっています。現在ではランニング以外の場でも愛用しています。
最近のランニング
気持ち良く走れるので、走ることやトレーニングでネガティブな気持ちになることは、ほとんどなくなり、「今日はどんな感じかな」と楽しみです。
もちろん苦しいとか、残念、悔しいって時はたまにはありますが、楽しさの方が勝っています。
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30km走をしなかった理由
今回、池田さんはハーフマラソンを超える距離は走らないまま東京マラソンに挑みました。ここは本人とも相談の上で決めました。フルマラソン前には30km走をしなくてはならないって義務的に行うランナーは少なくないけど、その時の身体の状態などによってはしない選択が有効だったりします。
池田さんはこう話しています。
当時は仕事が重なり疲労が溜まった時ですから、30km走をするには程遠く、するとなると、さらなる疲労の蓄積と、走ること+日常生活が逼迫するリスクがありました
当時の池田さんは、練習会やパーソナルレッスン中に、疲労や睡眠不足などから、ボーっと集中力が途切れる時があったので、そんな時は転倒など怪我のリスクが高いので、練習の負荷を落とし、練習より睡眠時間の確保を優先してもらいました。そのようなこともあり30kmはしない方が良いと伝えましたが池田さんも同じ考えでした。
また、その時に、ハーフまでしか走れてないから不安だ。って気持ちではなく、ハーフまでしか走れてないのだから、後半失速しても、仕方ないし、この練習でどれだけ走れるかワクワク感を楽しみましょう。と伝えました。
そして、東京マラソン前1週間は、睡眠を可能な限り確保し体調を整えることを最優先にしてもらいました。
大会当日のことをこんな風に話しています。
睡眠を確保しスタート時の体調を上げていったこともあり、当日は元気に満ち溢れていました。また、スタート前、仲間内でも一番、リラックス気分で、これから東京マラソンを走れることにワクワクしていました。そしてスタートしたらペースよりフォームを保って完走に徹しました。30km以降ペースは落ちてますが、ウルプロメンバーからいただいた37km付近、ゴール手前の画像を見てもフォームは意外と維持できていました。
池田さんは、スタート時点で心身共によい状態にありましたが、練習の疲労が抜けずに走る前から既に疲れている方は少なくないと思います。疲労の抜け方は個人差が非常に大きく、直前まで追い込んだ方が良い結果に繋がる方もいるし、30km走なんかしちゃうと3週間では疲労が抜けない方もいます。
30km走に限らず、やりたいと思った練習はやってみたら良いと私は思っています。雑誌に書いてあったから、仲間がやっているから試したいと思ったなら試したら良いです。その上で自分なりにタイミングや負荷を調整したら良いでしょう。
また、自己ベストを出した時にやっていたという理由から、それ以降は毎回疲労が抜けずにスタートラインにつくような状態で自己ベストどころではないのに、過去の練習にこだわっている方は、試しに1回やめてみてください。
結果に繋がっているなら自分にあった練習だと思いますが、結果に繋がってないなら見直す必要があります。疲労の抜け方にしても年々変わってきます。疲労だけではなく、故障しがちな方もこの辺りを改善すると良い方向に向かうキッカケになるでしょう。
最後になりますが、走ると痛みが出たりスピードを出せないのは、走り方が悪いのでなく、ただ靴ひもの結び方が悪いだけの方もいます。パーソナルレッスンで、シューズの紐の結び方がゆるゆるなので私がアドバイスして結びなおしたら、足がすごく軽くなり走りやすくなったなんてことは珍しいことではありません。そのことに気づいていない方が多いのですが、池田さんは長年靴ひもを上手に結べずかなりストレスに感じていました。そのことを東京マラソン前に記事にしたので、読んでみてください。
できないことができるようになるのはとても楽しいことです。
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