ナイキヴェイパーフライネクスト%は規制されず〜特注シューズは規制へ〜

ナイキ厚底シューズ規制報道に思うこと

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1月16日にこのような記事を書いたが、31日世界陸連が発表した内容は予想していた通り、混乱がなく今後開発するシューズに一定の規制を設ける準備を進めているといった内容であった。(こちらの記事を参照 The Guardian

ワールドアスレチックスは、ナイキヴェイパーフライを全面禁止を課すことはないが、ライバルブランドのシューズについても調べる包括的研究プロジェクトの開始を予定している。また、競技において、選手が開発段階のプロトタイプを使用する場合は事前にワールドアスレティックスに提示して承認を受ける必要があるなど、新しいシリーズの規制を強化する可能性があるとした。

Eliud Kipchogeが2019年10月の非公式イベントで人類初の2時間切りを達成した時に履いた次世代のプロトタイプシューズに関してはまだ提出されてないので不明だが、このシューズは3枚のカーボンプレートを含み、ランニングエコノミーを8%改善すると言われている。

このプロトタイプが市販化されたAlphaFlysがエリートレベルで禁止された場合でも、Nikeがショップで発売するレースで一般のアスリートがそれらを購入して着用することに対する制限はありません。

しかし、ワーキンググループは、ニューバランス、ホカ、サッカニーによって最近導入されたシューズの新技術によるパフォーマンス上のメリットについても詳細な研究が必要であると強調している。特に、ミッドソールの高さ、使用するフォームの種類、およびカーボンプレートの角度によって速度とパフォーマンスがどのように変化するかを調査したいと考えている。

ただし、World Athleticsは、ハイテクテクノロジーを使用する現在市場に出ているすべての靴を合法とすることを考えている。情報源によると特定の種類のフォームやカーボンプレートの使用にも制限は設けないが、最終決定は、技術委員会の勧告が世界陸上競技評議会によって承認された場合にのみ発表される。

同シューズはミッドソールの中に反発力のあるスプーン状のカーボンファイバープレートを入れたのが特徴であり、エリートランナーだけではなく、市民ランナーにも広く人気を博している。また、来月開催の東京マラソンでは東京五輪代表を狙う、大迫、設楽悠、井上らが使用する予定だったので規制がかかれば、代表選考にも影響は必至だった。

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日刊スポーツによると、「4月30日以降に競技会で履く靴は、それまでに4カ月以上の期間で市販されていることが決められた。一般に流通していない靴は特注として、使用不可となった。ソールは4センチ以下に制限され、複数枚のプレートが組み込まれることは禁止となった。」とあるが、ヴェイパーフライネクストは37mmでカーボンプレートは1枚であり同程度のシューズは規制されない。しかしさらにソールが10mmほど厚くなり3枚のカーボンプレートが入ったアルファフライは規制される見込みとなった。このプロトタイプを履いたエリウド・キプチョゲ(ケニア)は昨年10月、非公式の記録ながらフルマラソンで1時間59分40秒を出した。

ナイキから大迫、設楽選手にはアルファフライが提供され、ネクスト%と履き比べてよければ東京マラソンで履くというニュースがあったが、これも東京マラソン時点では規制はされないことになった。しかし規制が予定されているシューズをあえて履くかどうかは分からない。

またThe Guardian記載のアルファフライは一般のアスリートが購入し着用する制限はないとあるが、これも明確にすべきだろう。

例えば制限を受けるのはどの大会で、どのレベルかが明確になれば混乱はないが、一般のアスリートと言うくくりは混乱を招く。

日本国内のレースで考えると、例えば日本代表選考会で選考対象の選手は履けないが、選考対象ではない選手は履ける。(仮に履いて上位に入っても選考しない。)レベルなのか、陸連公認大会で陸連登録者が使用を禁止され、仮に履いたら公認記録とならないレベルなのか明確にすれば混乱はない。

どちらにしても公認記録を必要としない多くの市民ランナーにとっては販売しているシューズを履けば影響はないと言える。

また日刊スポーツに掲載している「特注モデルは使用不可」と言う点は、ソールの厚さやカーボンプレートなど関係なく使用不可と読み取れるが、それが正しければ、日本人トップアスリートでヴェイパーフライ以外を履いている選手使用の特注モデル(医療用カスタムは除く)は使用不可となる。これは外反母趾などにより市販モデルをベースにアッパー形状を調整するのは可能だが、ソールを市販と違うタイプに変えたり、軽量化のためにアッパー素材を変えるなどはダメだと理解しているが、特例に関しても明確に定義しておかないと、そこを抜け道にするケースが増えると危惧するがルール化の段階では明確に定義されるでしょう。

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今回の情報だけでは読み取れないことはあるが、まとめると現在発売しているシューズや同程度のシューズは規制されない。カーボンプレートなどは1枚まででミッドソールの厚さも制限される。競技会で使うシューズは4ヶ月以上市販されているシューズに限られ、プロトタイプや特注は使用不可となる。

この内容で決まれば、非常に公平で明瞭な内容だと思う。

ルール内でどのシューズを選ぶかはアスリート次第であり、あのシューズを履いたから良い記録が出たと言われることもなくなり、再びシューズから主役をアスリートが取り戻すことができるだろう。



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