二大イベントの休止検討 財政状況などを考慮 大田原市
関東のランナーにとっては、秋の本命レースはつくばマラソンが大人気ですが、大田原マラソンも同様に人気のある大会です。
その大田原マラソンが市の財政上の課題から2020年から2022年まで休止する検討に入ったというニュースが飛び込んできて驚きました。
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ニュースに書かれた休止理由は「新市庁舎建設などに積極投資を行った財政状況を考慮し、市の事業全般の抜本的な見直しに着手する。」とありますが、ハコモノ行政のツケで大田原マラソンだけではなく、大田原与一まつりの市内二大イベントを止めるのは残念です。
また、今年の大会が、前回より約650人少ない約3,500人となったのも理由のように書かれていますが、過去31年間で85,000人参加ということは平均すると2,740人程度です。私が初めて走った2008年は男子完走者は1,098人なので、フルマラソンの参加者数は2,000人未満です。現在は当時より参加者は増加しているし参加費も上がっています。会場のキャパシティを考えると3,500人は少なくありませんから前回より参加者数が減ったことが直接的な原因ではないと思われます。
大田原と言う名前は、ランナーなら知っている名前であり、知名度アップには貢献していると思いますが、その貢献度以上に財政が逼迫し、お金を出せないという状況なのでしょう。これは大田原市だけではなく、日本の地方都市は少なからず同じような状況だと思います。
ただ、財政が厳しいから即休止ではなく、収入を増やして、支出を減らすなどして、財政への負担を減らすことは出来ないのか検討して欲しいと多くのランナーが思っているでしょう。
例えば収入に関して一番大きいのは参加費ですが、大田原マラソンは最近のフルマラソンでは低い価格設定の7,000円です。
また高校生は2,000円です。多くの大会の参加資格は18歳以上であることを考えると高校生が走れる貴重な大会です。(高校生がフルマラソン走る賛否は別です。)
関東の主な大会の参加費はこちらです。
つくばマラソン 7,500円(日本陸連公認大会)
さいたま国際マラソン 10,800円(日本陸連公認大会)
湘南国際マラソン 12,500円
横浜マラソン 15,000円
東京マラソン 16,200円(日本陸連公認大会)
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同時期のつくばマラソンも同様に低い価格帯の参加費ですが、今やフルマラソンの参加費は10,000円が基準になっているので上げる余地はあります。
また、収入を増やすには参加費を上げる以外に、参加者数を増やす。が軸になります。
参加者数に関しては、参加資格が4時間以内で完走できる人としていることから、平均以上の走力がないと参加できず参加者を集めにくい大会です。(4時間以内のタイムはなくてもエントリーできますが、4時間で走れる走力がないと関門を通過できません。)
制限時間をゆるめたら参加者数は増えると思いますが、参加するランナーはその厳しさがチャレンジ精神を掻き立てるのだと思うし、このような大会は残って欲しいです。
私も何回か走りましたが、引き締まった競技性の高い大会です。
ただ、その高い競技性を求めるランナーの多くは、タイムを追い求めることから、大田原マラソンよりアップダウンが少ないつくばマラソンを選ぶケースが多いのです。
つくばマラソンと時期が重なっていなければ私は大田原マラソンを走りたい。同じような考えのランナーは少なくないと思います。例えば関東で開催が少ない12月中旬に開催したら募集は困らないと思います。(過去の積雪を調べたら12月中旬まではほとんどないようです。)
私もエントリーした、12月15日開催の防府読売マラソンは制限時間4時間で、3,500人程度の参加者数と大田原マラソンと似た雰囲気を持つ大会です。
この大会はカテゴリー分けされ男子の場合は3時間以内なら先着1,000名と枠が多いのでエントリーは苦労しませんが、3時間30分以内1,400人、4時間以内400人はエントリー開始日から早々に定員に達してしまいます。
そして参加費は10,000円です。
防府読売マラソンにも何回か出ていますが、首都圏から土曜日に行って、日曜日に走って、すぐに帰るランナーは結構多い大会です。フルマラソンを走るために飛行機代や宿泊費などの費用をかけ、2日間使うのです。
なぜこれほど人気があるかと言えば、別府大分毎日マラソン同様、参加するのが難しいからです。この大会に出るために頑張って参加資格を得ようと努力しているからです。
またタイム順に分けられた4つのカテゴリーがあり、タイムが良ければエントリーもしやすく、またゼッケン番号もタイム順に割り振られます。
その点、大田原マラソンは記録証提出の必要がなく初フルマラソンのランナーでもエントリーできますから、防府や別大のようなステータスはありません。
そこで、大田原マラソンにエントリーするのは凄いことなんだ。というステータスを上げることが大事だと思います。
考えられることはいくつもあります。
- まず、タイム別に3つか4つのカテゴリー分けと、タイム順のゼッケン番号を割り振る。
- 現在は誰でもおけるスペシャルドリンクを例えば上位カテゴリーだけにする。
- カテゴリー別に定員設ける。
- 制限時間はきっちり4時間にする。→現在は最終関門を抜けたらゴールの制限時間なし。
- スタート整列は厳密にゼッケン番号順が難しければ、100番単位くらいで分ける。
- 競技場スタートは上位カテゴリーのみで、下位カテゴリーは競技場外スタートで混雑緩和。
- また、別の観点で、ボストンマラソンのような年齢・性別による資格タイムを設けてもよいと思います。資格タイムをクリアしていれば全員走れる。こちらの場合は高齢者エリートランナーのために制限時間を4時間半、5時間にしてもよいと思います。
- 開催時期は関東でフルマラソンの少ない12月中旬から1月上旬に変更。(12月下旬から1月は降雪リスクあり)
- 参加費は10,000円に値上げ(これは歓迎されないが収支改善には繋がる)
このような大会になれば私は間違いなくエントリーするし、走りたいランナーは少なくないと思います。
またステータスが上がれば企業などによるスポンサー収入も増えるかもしれません。
マラソン大会に何を求めるかは様々です。ランナー渋滞があっても沿道を埋め尽くした観客の応援を浴びながら走りたい方、左右傾いた状態で走らねばならないようなバンクがあっても普段走れない高速道路を走りたい方、アップダウンはキツくなるけど橋を登ったり高台に上がりたい方、地元の名物料理などがエイドステーションに並んでいるのを全部食べたい方、などいますが、そのようなことには全く興味がない方もいます。
私自身は、観客などいない単調な景色でもいいから、走りに集中して自分の力を発揮できるコースを走りたいです。またエイドはスポーツドリンクさえあれば良いので地元の名物料理も要りません。そのような考えている方は少なくないと思います。
会場のキャパシティを考えても1万人、2万人の大会にするのは厳しく、増やしても5,000人の大会ですから、走りに集中したいというランナーは集まります。
その上で財政上、負担にならないような金額になるよう参加費をあげたら良いと思います。
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私は、過去4回大田原マラソンを走り、それぞれ思い出があります。
2008年 3:26:32
その年の東京マラソンで初めてサブ4し、サブ3.5を狙ったレースでした。当時は2周回するコースでしたが、畑の中の狭い道を走ったような記憶があります。その頃は足攣りが怖くてラスト1kmになってようやくサブ3.5を確信しました。
2013年 3:21:50
仕事が多忙で練習ができない頃の大会でしたが、15kmくらいで失速し情けない気持ちになったことを今でもよく覚えています。小川ミーナさんが2時間46分台で女子優勝しました。
2014年 3:00:03
サブ3復帰を狙って思い通りのレース展開で30km過ぎまで行きましたが、坂でサブ3ペーサーがペース落とした時にそのまま前に出なかったことを悔やんだレースです。ペースを落としたことでリズムが崩れ失速しました。ただこれで終われないとギリギリで踏ん張りました。競技場に入る時点でなぜかサブ3できたと思い込んでしまいラストスパートが遅れ、ラストの直線で間に合わないと短距離のようなスパートしたけど4秒足りなかったレースです。翌月の防府でサブ3復帰。
2016年 3:25:38
12月の神宮外苑24時間チャレンジに向けたトレーニングとして20日のつくばマラソンから中2日で走りました。故障しないよう負荷を落としましたが3時間10分くらいでは走れる感覚はありました。
今年で32回目の開催ですから、多くの方にとって、それぞれの思い出が詰まった大会です。
また、大会レポの点数は89.7点と非常に高い評価を受けている大会で、このような大会がなくなるのは残念で仕方がありません。
まだ休止を決定したわけではないようなので、休止ありきではなく、どうすれば継続できるかの観点で検討して欲しいと思います。