前話では牛田選手が華々しく優勝した場面について紹介しましたが、今回は牛田選手が苦しんだケガとの戦いについて紹介します。
画像は牛田選手より提供いただきました。
<スポンサーリンク>
昨年8月に牛田選手がFacebookにこのような投稿をしました。
ZAOスカイランニングレースの公式FBでご存知の方もいると思いますが、8月22日(火)に山で転び、左肩から落ちてしまい、岩に打ち付けて、左上腕骨頚部を骨折してしまいました。人生初の骨折でもあり、戸惑いと悔しさと不甲斐なさでいっぱいでした。
大会に出場出来なくなり、大会運営の方々にはご迷惑をおかけし、申し訳ない気持ちです。
今は絶望感から少し前向きになろうと努力しています。走れる喜び、有り難さを、身をもって痛感しています。また、このような競技に怪我はつきものなのだから、落ち込んでばかりもいられないとも思います。
今季のレースはほぼ絶望的ですが、復帰に向けて今出来ることを、精一杯やっていきたいです。
<スポンサーリンク>
また、STYで総合優勝した直後に、牛田選手は当時のことについてこう語ってくれました。
昨年8月のこの投稿前に牛田選手から骨折についてメッセージにて連絡をいただきましたが、当然ながら絶望感と不安感に満ちているのを感じました。
そこで少しでも力になれることはないかと考え、同じアスリチューンサポートランナーであり、同じ群馬県に住む整形外科医の諏訪医師(sub2.5ランナー)を加えた3人のグループメッセージを作ることを牛田選手に打診したところ牛田選手からこのようなメッセージが届きました。
実際に通っている医師との信頼関係は絶対ながら、不安や焦りなどを信頼できる専門家に相談することで少しでもそれらがなくなればリハビリに集中できると考えたからです。
実際、病院では医師は多忙であり、いろいろ聞きたいことも聞きにくい雰囲気があります。そのようなことを聞けるだけでもやるべきことは明確になっていきます。
その時のことを牛田選手はこう話しています。
そして、牛田選手は、病院に通う以外に、骨がある程度くっついてからは、針治療や脚力を最低限落とさないようにウォーキングを行い、山を走れるようになったのはケガから半年です。
<スポンサーリンク>
今回の優勝を諏訪医師に伝えた時にこう話してくれました。
牛田さんの優勝は自身の努力によるところが大きいと思いますが、ランナーとしてスポーツ整形外科医としてのアドバイスが少しでもお役に立てていればとても光栄であり、嬉しいことです。
ケガをしてしまうと体力や筋力が落ち、トレイルで大切なバランスも悪くなってしまいます。
そこで大切となる「骨折部に負荷をかけないように他の健康な場所に負荷を与えること」と「心肺機能を維持すること」に関するアドバイスをさせていただきました。
私がランナーのケガで重要視しているもう一つのポイントは〝メンタル〟です。
牛田さんは強いメンタルをお持ちだと思いますが、誰でもケガをすると落ち込みます。
それが生活習慣を乱したり、焦りを生んで復帰を焦り不完全なまま再受傷に繋がります。
ブランクも長くなってしまい、悪循環に陥ってしまうランナーも多くいます。
ピンチはチャンスという言葉もありますが、復帰した時の自分を鮮明に具体的にイメージして、そのために今できること今やるべきことに集中して精一杯リハビリすることで、心身ともに強くなり、牛田さんのようにケガを超えた復活をすることができるのだと思っています。
私もようやくゆっくり歩けるようになったところですが、急がず焦らず復活した自分をイメージしながら必死にリハビリを頑張ります。
またケガをしたランナーの気持ちの分かるスポーツ整形外科医として群馬県の陸上チームや駅伝強豪校のサポートも決まりましたので誠心誠意取り組みます。
『今できることを全力で』
牛田さん、本当におめでとうございます!
私も力と気持ちをいただきましたので、時間はかかってもアスリートとしての復活を目指します!
その時には一緒に走りましょう‼︎
実は諏訪医師は交通事故の被害者になり大きなケガをして現在懸命にリハビリを行なっているのです。諏訪医師にとっても牛田選手の復活とSTYという大きな大会での優勝は大きな力になったことでしょう。
最後になりますが、牛田選手の復活劇は私自身とても嬉しかったです。これからの活躍も期待しています!!